SMDインダクターのPADのはなし
SMDインダクターのPADとは
SMDインダクターは多くがボディをセラミックで製作されています。細いコイルで巻いている巻き線タイプもありますが、電流や信号を流す目的のコイルは断線する危険が大きいのが注意すべき点です。実装時のパターンレイアウトや半田量によっては、基板の温度による伸び縮みによる影響でインダクターが割れてしまう場合がありますので、ここではSMDインダクターのパッドの大きさを考えます。
ハード的には
図は1608タイプのインダクターの推奨パッド寸法です。TDKと太陽誘電ではすこし違いますが、おおむねTDKは太陽誘電の中間値と考えられます。 1608では幅 0.8mm 長さ1.6mmなのですが、ここで特徴的なのが 最大でもPAD幅が0.8mm以下という点です。これは部品の幅いっぱいまでで、それ以上広くしないという点です。さらに部品を実装した場合に残って見えるPADの長さは 0.2mm〜0.5mmとかなり少なめにしている点です。
これらは半田の量を極力少なくして温度変化による収縮の影響を少なくしようという意図からだと想像できます。太陽誘電のMINではPAD幅が 0.6mm と部品より狭くなっているのが印象的です。しかしながら半田量が少なすぎて接着力が低くなると振動やそりなどでの影響が出ますので、やはりそこそこの幅を選択するほうが妥当ではないでしょうか。
ソフト的には
チップインダクターも基本的には電極に半田コテを当てるのは推奨されていませんので、手半田は厳禁ですが、修理などで交換するのには半田槽では実装できませんので、細心の注意をして最小限の半田量で電極にコテ先を触らないように半田を流して半田付けします。イモ半田みたいに盛り上がった量ですと温度サイクル試験でチップが割れて、出力が出なくなったり、振動で動かなくなったりするトラブルが起きます。きれいにしっかりついている半田の状態は美しいですし、安全です。
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