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2011年3月30日 (水)

モノステーブルマルチバイブレーターのはなし

モノステーブルマルチバイブレーターとは
[Monostable Multivibrator]で、ゲートICとしては TC74HC123AFなどがそうです。
ハード的には
入力をトリガすると出力にCRの時定数で決められたパルスが出力されるというものです。20110330_113954
 図で説明すると、#CLR端子は初期化用で、リセットで、LowにするとQ は Lowに#Q(Qの上に線がある反転の意味をここでは#で表します)はHighになります。通常は10kΩぐらいでプルアップか、リセットラインがあればそこに繋ぎます。
 入力は2つで #A はLowのトリガで動作し、Bは正のトリガパルスで動作させます。Bだけ使いたい場合は、Aが動作しないように10kΩぐらいでプルアップします。 出力は2個、Qが正のパルス、#Qが普段Highで決められた幅のLowのパルスが出ます。
 パルス幅は外付けのC R で決まります。ほぼ T =1.0 x C x R です。20110330_114857 データーシートに図がありますので、それを見ると抵抗Rx 毎にコンデンサの容量をどうすれば良いかわかります。例として 1mS 欲しい時は,
Rx = 100kΩの線で 1000µSの所をみるとコンデンサーは10000pFとなっています。10000pF=10nF = 0.01µF ですね。このコンデンサーは正確なパルス幅が必要な場合は、温度変化に強いフィルムコンデンサーが必要です。また正確に幅を合わせたい時は Rxを抵抗と可変抵抗のシリーズ接続などして、あわせられるようにします。
ソフト的には
 このモノステーブルマルチバイブレーターは何に使うのでしょうか?一定のパルス幅を出力するので、トリガの周期と正比例したパルス数が出ますので、LPFなどで平均化すると入力周波数にしたがって電圧に変換する F / V コンバータとして使えます。例えば空冷FAN の回転数を電圧に変換してコンパレーターで比較すれば、ファンの回転が落ちたり、止まったりした時のアラームとして使えます。
 また小さなC・Rで時定数を作れば数MHzの F/V コンバーターとしても使えますので、高周波をプリスケーラーなどで1/100などに分周して周波数によって切り替えるといった用途にも使えます。
 記事中にも書きましたが、パルス幅を安定するためにコンデンサーの選定は重要です。


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