オープンコレクタのはなし
オープンコレクタとは
CMOS構成の出力でなく、トランジスターのコレクタを出力として使い、もっぱらGNDへの電流引き込みの動作をする出力回路です。FETを使った場合はオープンドレイン出力と呼ばれます。
ハード的には
右図に例をあげ、LED4個に各々20mA電流を流した場合について考えますが、CMOSのドライバーでドライブする場合CMOSと同じ電圧(5V)でLEDを駆動しなければなりません。20mA が4本なので 80mAで、定電圧ICには ( 12V - 5V ) x 80mA = 560mW の損失となります。LEDの順方向電圧を2Vとした場合、LEDの抵抗では (5V -2V) x 20mA = 60mW , 60mW x 4個 =120mW 合計 680mW となります。
オープンコレクタで動作させた場合 定電圧ICにはLED点灯による損失はなく、抵抗は ( 12V-2V) x 20mA = 200mW , 200mW x 4個 =800mW となります。
定電圧ICへのLED以外の供給電流が大きい場合、オープンコレクタにしてLED電源を12Vから直接とることによって定電圧ICへの負担を減らすことが出来ます。また、+12V電源を使用すれば LEDを4個直列に接続することが出来るので一番下の図のように抵抗への損失は( 12V -(2Vx4)) x 20mA =80mW となり、最も損失の少ない回路を構成することが出来ます。
2番目の回路でCMOSを使おうとすると、端子に電源電圧( +5V)以上の電圧がかかり、破損するおそれがあり、使用できません。これは例えば 24V動作のリレーなどを駆動する場合と同様、オープンコレクタ出力は高い電圧の負荷を ON/OFF することが出来ます。
ソフト的には
オープンコレクタ出力は[ワイヤードオア]と呼ばれ、複数のオープンコレクタ出力を並列接続してどれかのトランジスタがONしても出力が ON するという[オア]回路を簡単に作れます。これは温度アラーム、電流アラーム、ファンアラームなどを複数まとめて1本のアラーム信号にすることで構成の簡略化をすることが出来ます。
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