ダイオード検波のはなし
ダイオード検波とは
検波用ダイオードのはなしでダイオードの種類を書きましたが、今回は高周波や変調信号を検波する動作について書いてみます。
ハ−ド的には
大きなレベルだけを検波するならば通常のVf (順方向電圧)= 0.7V 程度のシリコンダイオードでも問題ありませんが、入力信号が図のように1.2Vp-p程度の信号では片側 0.6V程度になりますから、ダイオードはONせずに、出力にはほんのすこしの信号しか現れません。
これをショットキーバリアダイオードに変えると、Vf = 0.4V 程度でも十分ONしますので、出力に信号を得ることが出来ます。しかしながら、検波レベルを検出するだけなら良いですが、この付近の特性は入力電圧と電流の関係がリニアでは無いので、変調信号を検波したい場合は、ダイオードの特性が直線となる入力電圧をもっと高いレベルに上げなくてはなりません。
ショットキーバリアダイオードでも入力信号が 0.4Vp-p 程度では信号が小さくなってしまいます。
このような場合は Vfの小さいダイオードを使うか、図のように順方向に電流をすこし流れるように回路を作成して入力信号のセンターの部分をオフセットします。
図の例では 0.2Vほどオフセットしてやれば、入力信号が小さくても出力信号を得ることが出来ます。
ソフト的には
初期のトランジスタラジオはゲルマダイオードを使っていても検波感度を上げるため図の回路のようなバイアスをかけて使用していました。
高周波デテクターICなどは、ダイオードをバイアスして微小な信号も検波出来るよう作られています。検波ICではさらに温度特性を改善するため、下の図のように信号を加えないでバイアスだけかけたダイオードと信号検波のダイオードの2つを差動増幅して温度特性をキャンセルしているものもあります。
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