直列と並列のはなし
直列と並列とは
抵抗などを直列に接続した場合と並列に接続した場合の動作を考えてみます。
ハード的には
一般的な例で100Wと60Wの電球を家庭用電源100Vに繋いだ場合を考えてみます。
まず、並列です。これは通常の使い方で、どちらも同じ100Vがかかりますので、100Wには1A 、60Wには 0.6A の電流が流れます。抵抗値を計算しますと、
100Wでは R = V ÷ A = 100V ÷ 1A = 100Ω 、
60Wでは 100V ÷ 0.6A = 167Ωとなります。
ではこの2つの電球をこんどは直列に繋げてみましょう。どちらが明るいでしょうか?普通考えると 100Wの方が明るいわけだから 100W の方と思いますね。 実際に計算してみましょう。
まず直列なので電流は同じ値流れますので、抵抗値を計算すると
100Ω + 167Ω = 267Ω で 100Vをかけると電流は I = V÷R なので
I =100V÷267Ω = 0.375A となります。
次に電球両端にかかる電圧を計算します。
100Wのほうは 100Ω x 0.375A ≒ 38V
60W のほうは 167Ω x 0.375A ≒ 62V となります。
電力を計算すると
100Wのほうが 38V x 0.375A =14W 、
60Wのほうが 62V x 0.375A = 23W
と結果は 60W の方が明るくなります。
これは 60W のほうが抵抗値が大きく、直列接続では同じ電流が流れた場合に電圧降下(両端の電圧)は抵抗値が大きいほうが高くなるので、結果電力消費は 60W のほうが大きくなったからでした。
ソフト的には
高い電圧を分圧してマイコンで測定する様な場合を考えると、例えば 48V電源の電圧監視で2.5V ぐらいに落としたい場合で計算してみます。48V側に10KΩを使うと考えると 48V-2.5V = 45.5Vかかるので電流は 4.55mA 下側の2.5V側には 2.5V÷4.55mA =0.55kΩ ≒ 560Ω と計算できます。それぞれの電力を求めると 45.5V x 4.55mA = 207mW , 2.5V x 4.55mA = 11mWとなり、48V側の抵抗は1/4Wではけっこうぎりぎりですので、1/2W型を使うか、1/8W の精密抵抗で2個並列にしたもの(合計5kΩ)を2個直列にして10kΩとして使えば、1/2W相当として使えますので、抵抗の種類が少なく出来、精密抵抗も使えます。
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