検波用ダイオードのはなし
検波用ダイオードとは
高周波信号を検出するのに昔はゲルマニウムを使ったダイオードいわゆる「ゲルマラジオ」で使っていたダイオードですが、ゲルマニウム半導体と金属の点接触で作られたIN60などが有名でしたが、現在は廃品種され、代わりにショットキーバリアダイオードが使われるようになっています。
どうしてゲルマダイオードでなければダメだったの?
ゲルマダイオードはシリコンダイオードの順電圧 0.7Vとくらべ低い 0.3V程度の電圧でONします。これはより小さな信号でも検波出来ると言うことで、AM信号を検波しようとした場合ゲルマダイオードでは 0.6Vp-pもあれば検波出来たレベルが、シリコンダイオードでは検波出来なくなり、バイアスをかけたり検波信号レベルを大きくしなければならなかったので、廃止された当時は互換できずに苦労しました。
そこでショットキーバリアダイオードの登場です。詳しくは記事を参照してほしいですが、ゲルマダイオードと同様に低い順電圧で、検波器に有用です。1mAで0.2〜0.4Vの順電圧となりますが、電流がすくなければさらに低い電圧でONします。またスイッチング速度も通常のダイオードの 1/10の1nS以下ですから高い周波数まで検波出来ます。図は検波器として 5.8GHzでの使用例です。
ソフト的には
ダイオード検波は検波しても元の電圧レベルよりは出力電圧は大きくならないので、OP-AMPなどで増幅するか、高感度のメーターなどを使うかするしかありません。スペース的に余裕がない場合などはデテクターICを使った方が簡単な場合があります。デテクターICにはダイオード検波と同様なリニア検波と出力が入力のLOG値に比例したLOG検波方式があり、広いダイナミックレンジが必要な場合は LOG検波ICが便利です。
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