ストリップラインデバイダーのはなし
ストリップラインデバイダーとは
マイクロストリップラインを使って信号を分岐する手法です。λ/4 インピーダンス変換器としてマイクロストリップラインを使うので、通過ロスが少なく基板だけで出来るので比較ハイパワーでも使用できるなどのメリットがあります。しかしながらVHF帯以下ではλ/4が結構長くなるので、サイズ的には不利です。
ハード的には
この図はε = 2.55 、厚さ 1.6mm の基板を使った 435MHzの4分配のパターン図です。2分配では途中の 7.2mmラインで分岐しますが、4分配ではそのままでは狭帯域になってしまうので、ここでもう1度λ/4を入れて 17.7Ωまで下げてから4分配しています。計算例を示しますと、
1) 50Ω -> 25Ωライン ( 50Ω ÷2)
Z1= Zo x √( R/Zo) = 50 x √( 25 /50) = 35.36Ω
2) 25Ω -> 12.5Ω ライン(50Ω÷ 4 )
Z2= Zo x √( R2/Zo) = 25 x √( 12.5 /25) = 17.7Ω
のインピーダンスを持つλ/4 のストリップラインをAPP CAD 等で計算して作れば良いことが分かります。
このストリップラインの分配器の特性をシミュレーターで確認した物が以下の特性図です。
2段階に構成したため、比較的広帯域にマッチングが取れています。通過ロスもほとんど理論上の-6dBに近い値になっております。
ソフト的には
435MHz ではトータル240mm程度の長さになってしまいやや大きめですが、損失の少ないテフロンなどの素材を使えば、数百Wのパワーで使用することも可能です。ただ、基板とコネクタとの接続部分のマッチングに気をつけないと思わぬロスが発生することもあります。
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