デカップリングを考える
デカップリングとは
[de-coupling]で[ de ] は「〜しない」、[coupling]カップリングは「結合」なので、結合しない・非干渉という意味です。よく使われるのはやっぱり「電源のデカップリングが悪い」「デカップリングのコンデンサーを増やさないと」など電源回路を通じで前段と後段のアンプが影響したり、デジタル電源のノイズがアナログアンプに影響したりするのを防ぐ回路を一般に呼びます。
ハード的には
右図のように一番簡単なものは上側の抵抗とコンデンサーによるローパスフィルタを構成したものです。高周波では直流では電圧を落とさずに、高周波を落とすために抵抗の代わりにインダクターを使います。しかしながら高い周波数では逆に自己共振してインダクターとして働くなる場合があるので、かえって抵抗やフェライトビーズだけのデカップリングが効果的な場合もあります。またアクティブなデカップリングとしては定電圧ICやリップルフィルターを使って電源を分離します。
簡単な例で、抵抗10Ωとコンデンサ0.1uF (赤)と10uF(緑)の時の周波数特性をシミュレーションしてみます。10uFあればスイッチングノイズなどの10KHz以上は10分の1以上減衰できますが、10KHz以下では足りませんね。10KHz以下ならば 47uFから 100uF 程度はほしいところです。 0.1uFはもっぱら 1MHz以上の周波数で減衰が多くなってきますね。昔のマイコンのクロックは 4MHz 程度、現在は 20MHzから50MHz程度なので、0.1uFで効果的なことがわかります。
ソフト的には
実はデカップリングにはもう1つ注意すべき点があります。それはコンデンサーの周波数特性です。あまり大きな容量のコンデンサーになると高周波ではインピーダンスが増えてしまったりして効かなくなりますので、電解コンデンサーとセラミックコンデンサー・0.1uFと 100PFなど容量を変えたものをパラに使ったりして広い周波数帯域で効果を持たせます。
また同様にインダクターについても大容量だから万能ではなく、流せる電流が少なかったり、内部抵抗が増えて電圧降下が多かったりするので、選択にも注意が必要です。
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