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2011年1月19日 (水)

JFET RF AMPを考える

JFET RF AMPとは
ジャンクションFETを使ったアンプで、GaAs-FET のまだ無い初期の頃から高周波で使われてきました。今回は参考文献を基に検討してみます。
ハード的には
文献1には低雑音高周波増幅回路には以下7つの重点があると述べています。
1) NF(NoiseFigure...雑音指数)は初段で決まる。
 ・一般に高い周波数になるほどNFは悪化する。
 ・NFは初段を F1 次段をF2 ....Fn   ゲインを G1 ,G2 ..Gn とすると
  F = F1 +F2/G1+F3/(G1xG2) + ...Fn/( G1x ...X G(n-1))
となりゲインG1が多ければ後段はほとんど関係ない。
2) NFが悪いとどうなる?
 ・ノイズがゲイン分だけ増幅されるだけでなく、NF分加算されて増幅されてしまう。
  テレビのブースターアンプのNFが悪いと増幅しても画面がざらざら
3)動作点でNFが変わる
 ・動作電流については、NF最良点とゲインの最良点が違うので、どちらかを主にするか決める必要がある。(もしくは中間点にする)
4) 広帯域増幅器はNFが悪い
 ・同調型高周波増幅器では NF 1.5〜2dBが普通。広帯域ではどうしても悪化する。
5) 低雑音FETを使った高周波プリアンプ
Jfet_rf
 ・高周波低雑音 J-FETを使った物は優秀。NFを最良にするにはドレイン電流を調整する。
6) FETをパラレルにしてNFを下げるテクニックもある。
 ・図に示す回路は 40MHz RF AMPで、 SONY J-FET 2SK125を使っています。
 ・FETをパラレル接続するとgmが増加し、それだけゲインが上昇し、またNFが下がります。そして入力インピーダンスが下がり、50Ωとの整合状態が良くなります。
 ・図では半固定抵抗でドレイン電流を30mAと多めに調整して流し入力インピーダンスを50Ωより低めになり、NFにたいして良好な結果を得ています。
7) NFと IMの最良点にもズレがある
 ・受信機のIM(インターモジュレーション)はドレイン電流と密接な関係にあります。IMを重視するために電流を多く流すと、NFが悪化します。この両者をバランス取るため、初段にはNF重視のプリアンプ、次段(あるいはミキサ)にはIM重視で電流を流したものと使用目的を考えて選択する必要があります。
ソフト的には
以前 3.5GHzの受信機設計で初段にLNA-ICを使いましたが、ほぼICから入力コンデンサーだけでコネクタに出し、BPFにつないだ回路でした。アンプ単体でNFアナライザでみればOKでしたが、トータルでBPFまで繋ぐとなぜかNFが帯域内50MHzぐらいので大きく変化してしまいました。悪さをしていたのはBPFとのケーブルが長さ・取り回しの悪さでトランスになってマッチングが悪化していました。
 最近は優秀な ICが出来て楽をしますが、トータルのマッチングは重要ですね。

参考文献 ----------------------------------------------------------------------------------

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