ヒューズについて考える
ヒューズについて
ヒューズは過去結構使われて来ていますが、最近の家電にはあまり見かけませんね。それだけ重大な故障が少なくなったのか、内部にヒューズが入っていてユーザーが簡単に交換できない設計が多くないっていると考えられます。
ハード的には
最近は基板に半田付け出来る 1005型など小型SMD型のものも増えてきています。自分で設計する場合はどのくらいの定格のヒューズを使うべきか悩むことが大きいですが、大きく分けて通常の遮断性能のものと、速断タイプのものがあります。 右図のように速断タイプ(青色)は通常のもの(黒)に比べて短い時間領域では低い電流領域(切れやすい)にあることが判ります。おおむね30mS以下で速断性が発揮されていますが、長い時間ではかえって切れにくくなっているので、定格近くの電流を通常時に使うことによってわずかな超過電流によって素早く切れるようになっています。
ヒューズは基本的には定格電流の2倍から2.5倍で切れるようになっていますが、電源を入れた時の突入電流で大きな電流が流れる場合は、突入電流の時間tとピーク電流値Iの積 I2tにて定格が決まっていますので、データーシートを参照ください。
データーシートの溶断特性から見ると、10秒で定格の1.7倍程度、10mSならば4倍程度の電流まで切れないことがわかりますが、一度でも短時間でもこれに近いぎりぎりの電流が流れると劣化が進み切れやすくなることがあります。突入電流や故障した時の電流を正しく見積もりましょう。また温度によっても切れやすくなりますので、70℃を越える環境ではディレーティングを考慮する必要があります。
ソフト的には
ヒューズの剪定にはメーカーの資料が公開されています。最近では自動復帰できるポリスイッチなるデバイスも多く使われていますので、交換が難しい用途では便利でしょう。
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