LEDのドライブを考える
LEDのドライブとは
LEDは初期の緑・赤から最近の青色や白色のものまで多岐にわたってありますが、簡単なON/OFFのための駆動は、トランジスタやCMOSゲートなどによるものが使われます。簡単な計算で電流制限抵抗を計算してみます。
ハード的には
右図のようにトランジスタで駆動する場合はカソード側にトランジスタを入れてON/OFFします。この方法ですと、トランジスタの駆動に必要な電圧はベースエミッタのONする電圧(約0.7V)で済みますので、ベース抵抗を大きくしてドライブ側の電流出力が少なく出来る、1.8V等の低い電源電圧のCPUでも駆動でき、LEDを点灯させる電圧は特に安定化してある電源から取る必要が無いので電源の自由度が高い、などのメリットがあります。FETではオープンドレインで同じように使用できます。
実際の計算では2つの電圧を調べる必要があります。
1つめはトランジスタのON電圧[Vce(sat)]です。これは普通 0.3V程度なのであまり誤差はありませんが、ダーリントントランジスタなどは大きくなりますので、チェックしてください。
2つめはLEDの電圧降下です。通常の赤色高輝度LED 例えばRohmのSLI-343URCなどは20mA流した時に 1.9Vです。同様に白色LEDのSLR343WBD2PTは20mA時に 3.2Vです。
この例では電源電圧5Vで白色としますと、電源電圧 5Vから トランジスタON電圧とLED電圧を引くと、 5V-0.3V-3.2V = 1.5Vとなり、抵抗R1の両端の電圧は 1.5Vとなります。ここで電流を 20mAとすれば抵抗は R = E÷I なので 1.5V ÷ 0.02A =75Ωとなります。単純に 5V÷ 0.02A = 250Ωとして計算してしまうと実際は 1.5V÷250Ω =0.006A ( 6mA)となり、期待していた明るさでなく、全く暗くなってしまいます。
下の図のCMOSではどうでしょう? CMOSの場合数10mAでしたらゲートを並列に繋げるなどして電流を確保できますので、図のように電流を流し出す方向で使うことも出来ます。上の例のようにカソード側に繋いで使うことも出来ますが、CMOS出力なのでOFFするにはLEDの電源をCMOSゲートの供給電圧程度にしないと電流が流れてしまいます。同じ電源で使う場合は計算もLEDの順方向電圧だけ考慮すれば良いので R2 =( Vd - Vled )÷Iled =( 5V-3.2V)÷0.02A =90Ω となります。
ソフト的には
多くのLEDを同時に付けたい場合は高い電源電圧が確保で来る場合では、直列接続の方が有利です。仮に7個白色LEDをつける時には 3.2V X 7= 22.4V となり、24Vの電源で使えますね。12Vの電源でしたら( 12V÷ 3.2V= 3.75 )3個までが限界ですが、これを2回路作れば6個点灯できます。
抵抗の電圧降下を下げると言うことは消費電力も低くなるので小さな抵抗を使えるというメリットもあります。
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