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2010年12月22日 (水)

DiodeSWのはなし

DiodeSWとは
ダイオードのスイッチング特性を利用して交流信号をON/OFFする回路です。ダイオードの電流のON/OFFで制御できるので分岐や選択が容易で、古くから使われる回路です。
ハード的には
Diodesw_2右上に動作原理を説明する回路図を示します。ダイオード2本を信号ラインに直列に入れて、ON/OFFする回路です。ダイオードのアノードが繋がる中央に電圧をかけますと、ダイオードに電流が流れ、ダイオードがONします。ダイオードがONした状態はちょうどダイオードが順電圧Vf分の電池と同じように電圧シフトとして働きますので、ちょうど2本が打ち消しあって入出力が繋がった状態になります。しかしながら直流がバイアスされていますので、図のグラフのように電源電圧の半分くらいの電圧がかかりますので、両端には直流電圧カットのコンデンサーが必要です。
 また、ダイオードの性質上順電圧(Vf)以下のバイアス電圧では OFFしてしまうので、たとえば0V方向では +Vf 電源方向では Vcc -Vf の電圧の入力電圧になるとダイオードがOFFしますので、そこでOFFして信号が歪んでしまいます。ですから電源電圧よりかなり低いピーク電圧の信号を扱うことが普通で、大電圧を扱う場合は、バイアスする電圧もそれ以上の高い電圧が必要です。
ソフト的には
 実用的には ON/OFFだけでなく、2つの経路を切り替える用途が多いのですがその場合OFF側のダイオードが逆バイアスになって切り離されます。この電圧も上記と同様に逆バイアス電圧よりも大きいピーク信号が来ますとONしてしまう場合があり、歪みます。信号レベルに注意して電圧配分を考える必要があります。


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