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2010年11月30日 (火)

超小型SMDパッドとラインレイアウトのはなし

超小型SMDパッドとラインレイアウトとは
最近は高い周波数まで使えるLNAなどのICが増えてきましたが、AVAGOのMGA-13516など 4mm角の16PinのSMDタイプで個々の半田パッドは 0.3mmx0.55mm というぐらい小さくなっています。
推奨周辺部品も0402(JIS1005) ですから、1005の推奨PADが0.5mmx0.5mmなので単純に幅が足りなくなってしまいます。こんなときに入出力の高周波伝送のストリップラインとこのパッドをどう繋げたらいいのかが、レイアウト上で結構悩むことが多いですね。
ハード的には
データーシートに測定用の基板レイアウトがありましたので、みて見ると。
20101130_105337_2
 出力(右辺中央)は2本なのでその間を使って 0.6mmのラインを引いています。これは使用基板がRogers RD4350 という基板で、調べると誘電率3.48 厚さは 10mil = 0.254mmとなっていますので、APP CADで計算すると0.6mm厚で約48Ωのインピーダンスです。安価なFR-4では誘電率 4.6ですから、同じライン幅を使うには0.3mm厚の基板を使う必要があります。どちらにしろ0.3mmでは薄すぎるので4層基板の表面2層を使うようになるかと思います。
 さて出力側は0.6mm幅でマッチングが取れましたが、入力側はどうしましょう? レイアウト図では左辺下から2ピンめが入力ですが ICのランドから最小距離で 0.6mm幅に広がるようにパターンを構成しています。やはり半田ブリッジや半田乗りを考えて、ICのパッドを広くするよりは最小限ですが幅の狭いパターンから広いパターンへと繋げるしかないようです。他の電源やバイアス用の端子は比較的長めに周辺部品パターンに持って行っているのと比べても、この入力パターンはミスマッチングを最小にするよう努力しているように見えます。ちょっと疑問なのが入力は0.6mmパターン幅の中に部品のパッドを含めて0.6mm幅を守っているのに比べて、出力側はラインの外にパッドを設け結果としてこの付近ではパッドが広くなっています。Sパラを見ると、やはり出力側がインピーダンスが低そうなので、これでマッチングするのかも知れません。
ソフト的には
最近のCADでは自動的にこのような幅の調整が出来るかも知れませんが、インピーダンスマッチングの視点で見ると、入力はOKになるかも知れませんが、逆にネットリストだけを頼りにレイアウトすると、出力を2つのパッドから1本のラインへと繋げてしまってIC側パッドが太くなり、ミスマッチングを起こすことにもなりかねません。データーシートを常に参考にすることが大切ですね。


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