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2010年11月22日 (月)

電解コンデンサーの寿命のはなし

電解コンデンサーの寿命とは
電解コンデンサーは電気を化学物質の反応として蓄え、内部に電解液があります。これが時間とともに蒸発してコンデンサーの働きが劣化します。他のフィルムコンデンサーやセラミックコンデンサーと違ってその寿命はかなり短い物で、容量値の減少や内部抵抗の増大となって現れます。
ハード的には
最も影響を受けるのが、周辺温度です。Eleccap温度と化学反応速度に関するアーレニウス則と言われる式によって説明されますが、規定された使用温度(To)が 85℃とか 105℃とありますが、その温度で規定された寿命(Lo)が 10000時間とすると、おおむね10℃低い温度(Tx)で使うとすれば、温度加速係数Bが約2として計算すると、2の1乗なので2倍の20000時間の寿命になると言うことです。
 ですから環境的に発熱するトランジスターの側におくか、離すかで2倍以上の寿命の差が出る場合もあります。電解コンデンサーは熱くならない場所にいたわって置くようにしましょう。
 寿命の定義ですが、概ね2〜3割容量が減った状態、内部ロスをあらわす損失角は規定値の2倍程度まで悪化する状態を規定しているようです。20101122_133817 他に寿命に関して注意する点は、逆電圧をかけないこと..これは寿命というよりは破損につながるのでデカップリングに使う場合などは極性に注意するか無極性のコンデンサーを使用すること。またリップルの大きい場所に使うばあいはリップルに伴って内部の発熱が起き、その温度上昇で寿命を短くすることになります。単純に動作しているからといって、リップルの大きな電源などに使う場合はコンデンサー自身の発熱にも気をつけましょう。
ソフト的には
 最近は車でも使って信頼性の高い125℃品の電解コンデンサーも出てきました。過酷な温度条件や高電圧などの場合はまだまだ高容量のフィルムコンデンサーの方が信頼性の点では優れていますね。


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