マルチバイブレーターのはなし
マルチバイブレーターとは
いわゆる発振器ですが、自励式の非安定マルチバイブレーターとトリガ・クロックと同期して単発パルスが出る単安定マルチバイブレーターがあります。
ハード的には
単体でICとなっているものもありますが、動作が判りやすいようにNANDゲートICでの回路で説明します。
まず、単安定マルチバイブレーターですが、H->Lのトリガで1段目のNAND出力がHとなります。コンデンサーはチャージしていませんので、そのまま次段の入力に繋がり、 入力が H & H なので出力は Lになります。すると入力に帰還していることによって入力段の NANDが H に保持され、入力信号が変化しても変わらず、コンデンサーの充電によって次段の入力が 1/2 Vddになるまで L が出力されます。
このように単安定マルチはトリガパルスの幅に関係なくCR時定数による一定の幅が出力されます。瞬間的な電流超過など、短い信号をアラーム出しやすい長さにのばす時など、周波数の変化を電圧に変換するための F-> Vコンバーターなどに用いられます。専用ICとしては74HC123などがあります。
次の非安定マルチバイブレーターでは、インバーターで実現できます。出力側のインバーターの電圧でコンデンサーを充放電し、閾値を超える度に1段目のインバーターが反転して発振を続けます。幅広い周波数に応用がききますが、コンデンサーの温度変化に大きく影響を受けますので、電解コンデンサーなどは精密な用途にはむきません。ある程度安定にしたい場合はフィルムコンデンサーなどを使用します。専用のICでは発振器として 555シリーズが有名ですが、ちょっとした発振回路を余っているゲートで作れるので覚えておくと便利です。周波数を変えずにDuty比を変えたりする回路も参考に載せました。
ソフト的には
CPUなどでクロックを分周してパルス出力を作ることは可能ですが、あまり周波数精度が重要でない場合など、NANDゲートを使うと発振の ON/OFF できる発振器をポートでON/OFF出来ますので、ハード的なパルス発生器がないCPUの負担も減らせます。
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