エクスクルーシブORのはなし
エクスクルーシブORとは
[Exclusive OR]で排他的ORという意味です。論理動作としては2つの入力が異なっている時だけ出力がHigh になります。 OR の High-High で High になるところが Lowになった論理表です。
ハード的には
何に使われるかというと、古くは2進法の足し算で使い、01 + 01 = 10 となる、1の桁の計算に使われていました。このゲートを利用して右図のようにCRで時定数を持たせ、遅らせると2つの入力に遅延が生じ、本来同じ信号だったので全て Low となるところが、立ち上がり、立ち下がりでずれますので、その部分に遅れた分だけの幅のパルスが生じます。 このパルスは幅が時定数で一定なので、周波数に関係なく同じ幅のパルスとなり、周波数が高い場合はパルス数が増え、低い場合はパルス数が減りますので、この出力をローパスフィルターなどで平均化すれば、周波数の変化をDCレベルに変えることが出来ます。
ワンショットマルチバイブレーターの動作と似ていますが、こちらは回路がより簡単です。
この動作を利用して ECL のExclusive OR を使い FM変調された衛星放送のビデオIF(70MHz)の検波に用いました。(正確にはLCによる遅延を用いましたが)。周波数直線性が優れているのでこのようなビデオ検波だけでなく、オーディオ用途にも用いられます。いわゆるパルスカウント検波と呼ばれるFM検波がこれです。
ソフト的には
直線性が優れていますが、遅延をLとCで行いますので温度変化に敏感で、出力したベースバンドの直流電圧が変化してしまうこと、遅延が少ないと出力レベルが小さくダイナミックレンジがとれなくなるなどの問題もありましたので、そのあたりの調整が重要でした。
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