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2010年11月

2010年11月30日 (火)

超小型SMDパッドとラインレイアウトのはなし

超小型SMDパッドとラインレイアウトとは
最近は高い周波数まで使えるLNAなどのICが増えてきましたが、AVAGOのMGA-13516など 4mm角の16PinのSMDタイプで個々の半田パッドは 0.3mmx0.55mm というぐらい小さくなっています。
推奨周辺部品も0402(JIS1005) ですから、1005の推奨PADが0.5mmx0.5mmなので単純に幅が足りなくなってしまいます。こんなときに入出力の高周波伝送のストリップラインとこのパッドをどう繋げたらいいのかが、レイアウト上で結構悩むことが多いですね。
ハード的には
データーシートに測定用の基板レイアウトがありましたので、みて見ると。
20101130_105337_2
 出力(右辺中央)は2本なのでその間を使って 0.6mmのラインを引いています。これは使用基板がRogers RD4350 という基板で、調べると誘電率3.48 厚さは 10mil = 0.254mmとなっていますので、APP CADで計算すると0.6mm厚で約48Ωのインピーダンスです。安価なFR-4では誘電率 4.6ですから、同じライン幅を使うには0.3mm厚の基板を使う必要があります。どちらにしろ0.3mmでは薄すぎるので4層基板の表面2層を使うようになるかと思います。
 さて出力側は0.6mm幅でマッチングが取れましたが、入力側はどうしましょう? レイアウト図では左辺下から2ピンめが入力ですが ICのランドから最小距離で 0.6mm幅に広がるようにパターンを構成しています。やはり半田ブリッジや半田乗りを考えて、ICのパッドを広くするよりは最小限ですが幅の狭いパターンから広いパターンへと繋げるしかないようです。他の電源やバイアス用の端子は比較的長めに周辺部品パターンに持って行っているのと比べても、この入力パターンはミスマッチングを最小にするよう努力しているように見えます。ちょっと疑問なのが入力は0.6mmパターン幅の中に部品のパッドを含めて0.6mm幅を守っているのに比べて、出力側はラインの外にパッドを設け結果としてこの付近ではパッドが広くなっています。Sパラを見ると、やはり出力側がインピーダンスが低そうなので、これでマッチングするのかも知れません。
ソフト的には
最近のCADでは自動的にこのような幅の調整が出来るかも知れませんが、インピーダンスマッチングの視点で見ると、入力はOKになるかも知れませんが、逆にネットリストだけを頼りにレイアウトすると、出力を2つのパッドから1本のラインへと繋げてしまってIC側パッドが太くなり、ミスマッチングを起こすことにもなりかねません。データーシートを常に参考にすることが大切ですね。


2010年11月29日 (月)

エクスクルーシブORのはなし

エクスクルーシブORとは
[Exclusive OR]で排他的ORという意味です。論理動作としては2つの入力が異なっている時だけ出力がHigh になります。 OR の High-High で High になるところが Lowになった論理表です。
ハード的には
Exor
 何に使われるかというと、古くは2進法の足し算で使い、01 + 01 = 10 となる、1の桁の計算に使われていました。このゲートを利用して右図のようにCRで時定数を持たせ、遅らせると2つの入力に遅延が生じ、本来同じ信号だったので全て Low となるところが、立ち上がり、立ち下がりでずれますので、その部分に遅れた分だけの幅のパルスが生じます。 このパルスは幅が時定数で一定なので、周波数に関係なく同じ幅のパルスとなり、周波数が高い場合はパルス数が増え、低い場合はパルス数が減りますので、この出力をローパスフィルターなどで平均化すれば、周波数の変化をDCレベルに変えることが出来ます。
ワンショットマルチバイブレーターの動作と似ていますが、こちらは回路がより簡単です。
 この動作を利用して ECL のExclusive OR を使い FM変調された衛星放送のビデオIF(70MHz)の検波に用いました。(正確にはLCによる遅延を用いましたが)。周波数直線性が優れているのでこのようなビデオ検波だけでなく、オーディオ用途にも用いられます。いわゆるパルスカウント検波と呼ばれるFM検波がこれです。
ソフト的には
 直線性が優れていますが、遅延をLとCで行いますので温度変化に敏感で、出力したベースバンドの直流電圧が変化してしまうこと、遅延が少ないと出力レベルが小さくダイナミックレンジがとれなくなるなどの問題もありましたので、そのあたりの調整が重要でした。

2010年11月27日 (土)

ジャンル別インデックス

ジャンル別インデックスを作成しました。各分野毎のはなしを探すのに便利です。
------------------- 部品のはなし------------------
------------------- 半導体のはなし---------------
------------------- 高周波関連のはなし----------
------------------- アナログ回路のはなし-------
-------------------デジタル回路のはなし--------
-------------------その他ノウハウ----------------
に現在は分類しています。

2010年11月26日 (金)

1.2GHz 1/10 Ref PLL回路追加

SCHEMATICS に1.1GHz 1/10 Ref PLL回路を追加しました。
PhaseDetectorのMAX9382とVCO IC のMAX2754を使用しています。
VCOの電源はリップルフィルター等の使用でPhaseNoiseを低減する必要があります。帰還ループの中にON-SEM社のMC12080を使って1/10にして1.1GHzを110MHzでロックできるようにしています。このICは1/80まで設定できますので、14MHz程度から1.2GHzをロックさせることが出来ます。リファレンスに周波数が個別注文可能な三田電子のようなTCXOを使用することで、希望の周波数を得ることが出来ます。Phaselockvco


2010年11月25日 (木)

マルチバイブレーターのはなし

マルチバイブレーターとは
 いわゆる発振器ですが、自励式の非安定マルチバイブレーターとトリガ・クロックと同期して単発パルスが出る単安定マルチバイブレーターがあります。
ハード的には
Cmososc 単体でICとなっているものもありますが、動作が判りやすいようにNANDゲートICでの回路で説明します。
 まず、単安定マルチバイブレーターですが、H->Lのトリガで1段目のNAND出力がHとなります。コンデンサーはチャージしていませんので、そのまま次段の入力に繋がり、 入力が H & H なので出力は Lになります。すると入力に帰還していることによって入力段の NANDが H に保持され、入力信号が変化しても変わらず、コンデンサーの充電によって次段の入力が 1/2 Vddになるまで L が出力されます。
 このように単安定マルチはトリガパルスの幅に関係なくCR時定数による一定の幅が出力されます。瞬間的な電流超過など、短い信号をアラーム出しやすい長さにのばす時など、周波数の変化を電圧に変換するための F-> Vコンバーターなどに用いられます。専用ICとしては74HC123などがあります。
 次の非安定マルチバイブレーターでは、インバーターで実現できます。出力側のインバーターの電圧でコンデンサーを充放電し、閾値を超える度に1段目のインバーターが反転して発振を続けます。幅広い周波数に応用がききますが、コンデンサーの温度変化に大きく影響を受けますので、電解コンデンサーなどは精密な用途にはむきません。ある程度安定にしたい場合はフィルムコンデンサーなどを使用します。専用のICでは発振器として 555シリーズが有名ですが、ちょっとした発振回路を余っているゲートで作れるので覚えておくと便利です。周波数を変えずにDuty比を変えたりする回路も参考に載せました。
ソフト的には
CPUなどでクロックを分周してパルス出力を作ることは可能ですが、あまり周波数精度が重要でない場合など、NANDゲートを使うと発振の ON/OFF できる発振器をポートでON/OFF出来ますので、ハード的なパルス発生器がないCPUの負担も減らせます。
 

2010年11月24日 (水)

FM検波ICのはなし

FM検波ICとは
FMトランシーバーによく使われた Motorolla の MC3357 〜 MC3361が有名ですね。
FM 検波のはなしにも書きましたが、ミキサーや局部発振器、クラドラチャ検波からスケルチコントロールまでIC化したICです。
ハード的には
今回MC3357を使った TRIO TS-670 の回路を例に説明します。Ts670_fmdet
 画像が小さくて見にくいので、SCHEMATICS にものせておきます。
 1-2ピンは局部発振回路用のクリスタル発振回路です。IF 10.7MHz の時に 10.245MHzを発振させ、16ピンに入った10.7MHzの信号はミックスダウンして455kHzは3ピンに出力されます。TS670の場合は 1stIFが 8.33MHz OSCが 9.285MHz IFが 455kHzとなっています。 MC3361の頃には入力周波数が20MHz程度まで拡張されています。
 次に5,6ピンを入力としたリッミッターアンプで455kHzを増幅します。AM/FMのトランシーバーなどはこの5ピンからまだリミッターがかかっていないAM用の信号を取り出して増幅・検波します。Sメーターなどの検波にもこの方法が用いられました。
 FM検波の出力は9ピンです。ここにはまだ高域のノイズが出ていますので、このノイズを10ピン-11ピンのアンプで増幅してスケルチ(FM特有の信号がない時の大きなノイズをカットする機能)に利用します。雑音を検波した出力を12ピンに入れて、制御出力 13ピンから出た電圧でトランジスタのベース電圧をコントロールしています。14,15ピンはスケルチで信号を閉じる時にONになるスイッチですが、ON抵抗があまり低くなくて音が漏れたりして使われていないことが多かったですね。
 このICの使いこなしで問題なのは、3,4,5ピンに使われるセラミックフィルターのコモンがGNDでなく、電源端子だと言うことです。FMのリミッターアンプは結構電流を使うので電源が不安定になるとつられてIF入力もおかしくなり、発振したりS/N比が悪くなったりします。この電源の電解コンデンサーはデーターシートには書いてありませんが、必須で8ピンの近くに、0.01uFはフィルターの近くに配置するなど配置にも苦労した覚えがあります。
ソフト的には
 スケルチ回路はけっこうクリチカルで、ダイオードで検波することから温度特性が難しく、低温でスケルチが開きっぱなしになったりハンディートランシバーに使う場合は、温度補償など難しかった覚えがあります。 しかしながら小型のICの出現で小電力トランシーバーなど普及出来たのでしょう。

2010年11月22日 (月)

電解コンデンサーの寿命のはなし

電解コンデンサーの寿命とは
電解コンデンサーは電気を化学物質の反応として蓄え、内部に電解液があります。これが時間とともに蒸発してコンデンサーの働きが劣化します。他のフィルムコンデンサーやセラミックコンデンサーと違ってその寿命はかなり短い物で、容量値の減少や内部抵抗の増大となって現れます。
ハード的には
最も影響を受けるのが、周辺温度です。Eleccap温度と化学反応速度に関するアーレニウス則と言われる式によって説明されますが、規定された使用温度(To)が 85℃とか 105℃とありますが、その温度で規定された寿命(Lo)が 10000時間とすると、おおむね10℃低い温度(Tx)で使うとすれば、温度加速係数Bが約2として計算すると、2の1乗なので2倍の20000時間の寿命になると言うことです。
 ですから環境的に発熱するトランジスターの側におくか、離すかで2倍以上の寿命の差が出る場合もあります。電解コンデンサーは熱くならない場所にいたわって置くようにしましょう。
 寿命の定義ですが、概ね2〜3割容量が減った状態、内部ロスをあらわす損失角は規定値の2倍程度まで悪化する状態を規定しているようです。20101122_133817 他に寿命に関して注意する点は、逆電圧をかけないこと..これは寿命というよりは破損につながるのでデカップリングに使う場合などは極性に注意するか無極性のコンデンサーを使用すること。またリップルの大きい場所に使うばあいはリップルに伴って内部の発熱が起き、その温度上昇で寿命を短くすることになります。単純に動作しているからといって、リップルの大きな電源などに使う場合はコンデンサー自身の発熱にも気をつけましょう。
ソフト的には
 最近は車でも使って信頼性の高い125℃品の電解コンデンサーも出てきました。過酷な温度条件や高電圧などの場合はまだまだ高容量のフィルムコンデンサーの方が信頼性の点では優れていますね。


2010年11月19日 (金)

電源ICとノイズのはなし

電源ICとノイズとはAvr_noise 
昔は重たい電源トランスが高級オーディオの代表みたいに使われ、我が家にあったビデオデッキも重たい電源トランスを使っていましたが、最近のDVDレコーダーや、測定器でさえもスイッチング電源で軽くなっています。昔はスイッチング電源などはノイズの固まりみたいに毛嫌いされていましたが、今日では雑音輻射規制や高周波スイッチング・電磁シールドなどでずいぶんノイズは減っていいるようです。しかしながら高感度・低雑音の回路にスイッチング電源の出力をそのまま使う訳でなく、そこに電源用アナログICがまだまだ使われているのです。
ハード的には
 右図は携帯電話などに使われる低雑音の電源IC ADP150ですが、最近は携帯電話でも電池の電圧をDC/DCスイッチングコンバーターで上げ下げて使ったりしてノイズ環境は良くなく、高周波部分への給電のための低雑音アナログ電源は必要になってきています。従来の電源からみたらノイズ量は100分の一になっていますので、小型で優れた特性になっています。しかしながら、PLLのVCOなど位相雑音を気にする部分にはリップルフィルターの性能は越えられません。図の回路では電圧基準ICとダイオードを使って出力温度特性を改善しようとした物で、雑音特性も優れています。
ソフト的には
しかしながら本回路では入力側の雑音を除去する性能は定電圧ICには及びませんので、入力電源仕様によってはリップルフィルターの前に定電圧ICを入れて、雑音除去性能を上げる対策が必要です。

この低雑音リップルフィルター回路などアナログ回路の勘所がツボをとらえた(高周波記事は載っていませんが) 以下特集の本を参考にしました。


2010年11月17日 (水)

コンデンサーは電流を流さないか?のはなし

コンデンサーは電流を流さないか?
コンデンサーは2つの電極の間に電荷を貯める。しかしながら絶縁されているのでこの2つの電極間には電流は流れないはずですね。
ハード的には
C_works
 右図のようなコンデンサーを経て抵抗でGNDにつながっている回路で考えます。INに直流の +5Vを加えても出力側は抵抗でGNDに落ちていますから、電圧は 0Vです。コンデンサーには 5Vが充電されていますが、電流が流れている訳ではありません。
 ここで、入力側の電圧が+6Vに 1V上がったとします。すると瞬間的にはまだコンデンサーは 5Vを充電していますので、出力側は一瞬 +1Vに引っ張られるはずです。これはコンデンサーの容量が大きければそこに充電・放電するのに時間がかかりますので、この現象は分かりやすいかと思います。しかしながら時間が経つとコンデンサーは充電され +6Vになると、結局出力は0Vとなり、電流は流れなくなります。ここで考えると、+1Vになった瞬間は抵抗に電流が流れたことになりますね。そうですコンデンサーの内部にたまった電荷が電池として入力の変動を出力に伝達したのです。
 さらにこの入力側の変動が+1Vしたら次に-1Vにして戻し、また+1Vなるような動作をしたらどうでしょう?出力側には時定数にしたがって上記の瞬間的な伝達が行われることから、結局交流信号ならば時定数以上の周波数だったら伝達することが出来るのが分かります。
 このように直流的には電極間に電流が流れるわけでは無いですが、充電した電荷が電池の役目をしてレベルシフトしながら伝送すると考えると分かりやすいかと思います。
 高周波ではコンデンサのインピーダンスは Zc =1/(2πfC) で計算できますね。
ソフト的には
 厳密に見れば電極間でも電流がわずかながらリークして抵抗を持っていると考えられます。さらに半田付けする電極までの線がインダクタンスとなりますので、コンデンサーの周波数特性のシミュレーションのはなしのように高い周波数では逆にインピーダンスが高くなってしまいますがらご注意!


2010年11月16日 (火)

周波数ダブラーのはなし

周波数ダブラーとは
[Frequency Doubler]周波数を2倍にする装置、2逓倍器。入ってきた周波数を効率よく2倍に周波数を上げる装置。
ハード的には
F_doubler 右図にあるように、トランスで位相を180°変えた信号をダイオードで両波整流することで周波数を2倍にするとともに、基本波をうち消して効率よく2倍波を生成するしくみです。回路によってはダイオードを4本つかったブリッジ整流タイプもあり、比較的効率よく生成されます。
MCLの製品では10MHz から 1GHzで変換損失が10dB程度、基本波3倍波のサプレッションが30dB程度とれています。
 3倍波を生成する製品も見受けられますが、基本波を除去する働きが弱く損失も15dB程度に増えてしまいますので、最終的にはフィルターが必要です。2のN乗倍でしたら、周波数ダブラーを連続して使うことによって効率よく高次の逓倍を行うことが出来ますが、奇数次や素数倍の場合は、ダイオードなどで歪ませて、ヘリカルフィルターなどで希望波を抜き取る手法を取るしかありません。
 かつてマイクロ波では素子で増幅することが困難だった高い周波数では、バラクターダイオードなどをつかった逓倍で希望周波数のパワーを得ていました。
ソフト的には
今日では Hittite社などで 周波数ダブラーや、3・4逓倍のICが 50GHzまで開発されています。
 できれば 2の倍数で生成できるように周波数関係を練り直すのも手ですね。


2010年11月15日 (月)

ドレインキャパシタのはなし

ドレインキャパシタとは
高周波アンプのデバイス(FET)のドレインに電力を供給する部分につけるコンデンサー。
通常FETのドレインへはRFC(高周波チョーク)で高周波に影響を与えないように電源を加える。この部分のインピーダンスを下げるために高周波で抵抗の小さい数百PFや1000PFなどのコンデンサーとともに、低域での安定性を持たせるためにインピーダンスを下げる 1uF程度のセラミックコンデンサー、または数十uFの電解コンデンサーが用いられます。今回はパルスアンプなどで瞬間的に大電力を出力する場合のドレインキャパシタをどう選定すればよいか考えてみます。
ハード的にはDraincap
 右図はドレインをMOS-FETでスイッチングしてパルス出力しない時は、ドレイン電源を切ってデバイスのアイドリング電流も減らして電源効率をあげようというパルスアンプの例です。たとえば 200WクラスのGaN-HEMTアンプでもAB級動作でアイドリング時には2A(ドレイン電圧 50Vならば 100W)、定格出力時8A(効率50%として)ぐらい消費してしまいます。
 ここでパルス出力のDutyが 1%ぐらい、パルス幅が 10uS程度の場合は電源をどのように設計すべきでしょうか?連続運転でしたら 50V x 8A = 400Wの電源が必要です。しかしながら Duty 1% ならば、実際パワーとして出るのは 2W程度ですので、あまりにも電源効率が悪すぎます。そこでドレインキャパシターの電解コンデンサーでパルス出力時の電流をまかなうことを考えます。1Fのコンデンサーは 1Aの電流を1秒流せる(その時の電圧降下が1V)働きがあります。そこで今回8A必要ですから、8Fですが、実際はパルス幅が 10uSなので、その分少なくてすみます。 8F x 10x10^-6 = 80uF となりますが、1Vも電圧降下したら都合が悪いので、0.2V程度としますとコンデンサーの容量は 80uF÷ 0.2 = 400uFとなります。(実際はコンデンサーの時間に対する電圧降下の割合は直線的ではありませんが、50V中 0.2Vという微小な範囲なので、ほぼ直線とみなします)。
 パワーを出すためドレインに電圧がかかった時には電解コンデンサーの I3と電源からのI1で電流が供給されます。コンデンサーの電圧が低下しますとドレイン電圧も多少下がりますので、電源からのI1も多少増えていきます。出力期間が終わると、今度は電源からコンデンサーに充電されるようI2が流れます。このとき I3xTon < I2xToff ならばコンデンサーは出力しない時に再充電されますから十分供給動作することができます。ですからDutyが高くなると充電がうまくいかなくなりますので、注意が必要です。
 また、パルス出力の時間が長くなるとまた問題が出てきます。たとえばパルス幅が 10uSから1mSに増えた場合はどうでしょう?上記計算のコンデンサーでは 10uS で 400uFだったのが時間が100倍になりますので、400uF x 100 = 40000uF となり、実装可能な大きさからかけ離れてしまいます。
 パルスアンプの時はドレインキャパシターはDutyよりもむしろパルス幅に大きく関連することを覚えておきましょう。
ソフト的には
上記のような場合は、コンデンサーだけの電流供給だけでは不可能ですので電源を増やすしか無くなります。電源ユニットには「ピーク負荷対応」といって通常の電流最大値よりもパルス負荷ならば3倍程度まで許容する製品もあります。

2010年11月12日 (金)

コンパレーターのはなし

コンパレーターとは
コンパレーターは比較するという意味で、ある電圧を比較して出力を ON /OFF するという、「規定電圧を超えた時にアラームを出す」などによく使われる IC です。
ハード的には
20101112_91105 右図のように通常のオペアンプとほとんど同じ回路構成になっていますが、大きな違いが出力がオープンコレクターになっていることです。 これはたとえば複数のコンパレーター出力をパラレルに接続して正常時 High でどれかが異常になると Lowになるような接続が簡単にできます。また、単電源で30V程度まで使えること、アナログ回路とデジタルICとのインターフェイスするのに、オープンコレクタではプルアップする電圧を選べば、3.3V系や5V系など自由に設定できるのにも有利です。
 製品では 393 シリーズが有名で、ナショセミでは LM393、NEC/RenesasではuPC393GR、東芝では一個入りのTA75S393F小型2個入りのTA75W393FUなどが使いやすくて便利です。
Comparator 右図のように2つのコンパレーターを使って双方の IN+とIN-をつないでそれぞれ上限V1下限V2でLowアラームが出るような回路を構成できます。これはウィンドコンパレーターと言って正常動作外のときにアラームを出す用途に使われます。
ソフト的には
 現在は電圧を A/Dコンバーターで読み取ってCPUでアラームを出す方法が主流ですが、異常アラームのように即座に電源を切らないと破損してしまうような場合はハード的にコンパレーターでアラームを構成するのが良いでしょう。

2010年11月11日 (木)

デザイン時計アプリ [ Dclock ] リリース

SUDOTECk は デザイン時計アプリ [ Dclock ] をリリースしました。
iTunes では以下のところ
http://itunes.apple.com/jp/app/dclock/id400629980?mt=8#
Dclockcta


キルヒホッフの法則のはなし

キルヒホッフの法則とは
[Kirchhoff's Current Law]と呼ばれ、「ある1点に流れ込む電流の総和と流れ出す電流の総和は等しい」というもの。
Kirchhoff_2
ハード的には
 どんなに複雑な回路でも1点を考えた時に、その入ってくる電流と流れ出す電流が等しいですね。分岐した点では入ってくる電流と分岐して流れ出す電流の合計が等しいのは納得できますね。
 右図の例で3dBのπ型アッテネーターの例で計算してみます。V0の電圧を持った信号源の内部インピーダンスは50Ωとして、負荷も50Ωとします。IN点の電圧(V1)をまず求めましょう。
 そのためにはそこから負荷側をみた抵抗値が必要なので、まずはOUT側の抵抗値から計算しましょう。
 OUT点を考えるとI3 が流れ込む電流、I4,I5が流れ出す電流値と考えられます。仮にここを V2とすると、I4=V2/300Ω ,I5 =V2/50Ω です。
 I3 = I4 +I5 なので I3 = V2/300 + V2/50 = V2x( 1/300+1/50) =V2x(1/43) となり、合成した抵抗値は 43Ωとなることが並列抵抗の計算値からも判ります。
 次に IN を見てキルヒホッフの法則をあてはまますと、 I1 = I2 + I3 で先ほど計算した OUT 点での合成抵抗は 43Ωなので ATT の 18Ωと合わせて 61Ωになります。
 ここも同様に計算すると合成抵抗は 50Ωとなり、V1= V0x(50/(50+50)) = V0/2 となるのが分ります。この電圧が信号源の出力している電圧で、現在は50Ωにマッチングしているので、ATTをつけないで直接50Ωの負荷を繋いだ時と同じですね。
 この電圧V1をATT前の電圧とします。 次にOUT端の電圧を求めましょう。OUT端の合成抵抗を求めた図では 18ΩのATT側 I3 と 43Ωの負荷側 I3が同じなので、分圧を求めると、 V2 = V1x(43/(18+43) ) となります。 V2= 0.7 x V1 と計算できます。この電圧を元に電力の減衰量を求めると、 V1の場合は P1=V1xV1/50Ω , P2 = V2xV2/50Ω = 0.7V1x0.7V1/50 =0.5V1xV1/50 =0.5xP1 となり電力が半分( -3dB)となることが分かります。
ソフト的には
ATTの計算を取り上げて簡単なキルヒホッフの法則の説明をしましたが、実用的なATTの計算は iPhone用アプリ ATTcalc を是非検討ください。dBm<->W換算、並列抵抗の計算機能もあります。


2010年11月10日 (水)

GaN HEMT 200W Push-Pull AMP 回路図追加

GaN HEMTを2本使用した 200W Push-Pull AMP 回路図を SCEMATICS に追加しました。セミリジッドケーブルのバランを使った例として参考になります。

2010年11月 9日 (火)

KENWOOD TS-430S RX Mixer回路図 追加

SCHEMATICS に KENWOOD TS-430S RX Mixerの回路を追加しました。

2010年11月 8日 (月)

マッチングのはなし

マッチングとは
伝送路などにも関係しますが、信号が正しく伝送されるように出力側と受ける側のインピーダンスを合わせることをさします。ではどうしてそんなことが必要なのでしょう?
ハード的には
Maching信号を出力する信号源や増幅器には、出力インピーダンス(Ro)というものがあります。高周波の信号発生器などは通常50Ωのインピーダンスと決められていますし、伝送に使うケーブルも50Ωのインピーダンスの物を使います。これはいわゆる出力側と入力側のインピーダンスを合わせて使うためです。 図で計算してみましょう。Ro=50Ωのとき負荷も Rz =50Ωのときは信号源の電圧が 1Vとすると負荷側での電圧は1x 50/(50+50) = 1x 1/2 = 0.5V 電流は I = E/R = 0.5/50 = 0.01 なので パワーは P=0.5 x 0.01 = 0.005 W となります。
 負荷が 75Ωとなったときの場合は、E = 1x 75/(50+75) = 0.6V , I = 0.6/75 = 0.008 ,P = 0.6 x 0.008 =0.0048W と電圧は上がりますが、パワーは若干減ります。
 逆に負荷が 40Ωになった時は、 E = 1x 40/( 50+40) = 0.44 , I = 0.44/40 = 0.011 , P = 0.44 x 0.011 =0.0048 Wとなります。
 このように、出力抵抗Roと同じ値の負荷Rzを繋げた時に最大の電力伝送効率となります。
ソフト的には
 出力インピーダンスと負荷のマッチングの関係は、その最大電力伝送という点で重要なのは判るかと思います。実際にその電力を伝送するにはケーブルが必要です。ケーブルのインピーダンスと出力インピーダンス・負荷インピーダンスがマッチングしない場合その電力が効率よく伝送されないばかりか、出力した電力が反射して戻り、定在波となってアンプやケーブルを破損する場合があります。その話は別の項で..

2010年11月 5日 (金)

コンデンサーの周波数特性のシミュレーション

コンデンサーの周波数特性とは
理想的なコンデンサーだったら、 Z = 1/(2πf C) で周波数が高くなるにつれて下がっていくもので、高い周波数ほど抵抗値が低いはずですね。しかしながら実際のコンデンサーは、リード付きではリードと本体内の電極までの線のインダクタンス、SMDタイプのものでも半田端子自身や内部電極のインダクタンスで、等価回路的にはコンデンサーとインダクタンスが直列になっているものと考えられます。
 今回は S-NAP Microwave Suite(ver6)の評価版でこれを簡単にシミュレーションしてみます。
001nhcirハード的には
 右図のように入出力を50Ωのインピーダンスで測定してコンデンサーとインダクタンスを直列にしたものをGND間に入れて、通過特性(S21)を見てみます。
 ここではほとんどインダクタンスが無視できる 0.01nHを入れ、コンデンサーの値は 100pFとします。
 測定周波数は 0.05GHz(50MHz)から 5GHzまで見てみます。001nh この結果からはおおむね周波数に従ってインピーダンスが下がっていくので、伝送特性は右下がりですが、3.5GHzあたりに直列共振のディップが出ています。それ以降はだんだんインピーダンスが上がっていくのが判ります。
 次にインダクタンスを 0.1nH にしたシミュレーションですが、こんどは1GHzちょっと上にディップが下がってきました。この特性はTDKの0603セラミックコンデンサーの周波数特性と結構近い値になっていますが、わずか0.1nHというインダクタンスがこのような高い周波数ではおおきな影響を示すことが判ります。01nh
 さらにインダクタンスを 1nHにした結果を見ますと、ディップ周波数は350MHzとなっています。ビアのはなしでも書いたように0.4mφのビアでも 1.2nH程度になってしまいますので、ビア1つで裏面にGNDしようとしても、1GHz付近では結構なインピーダンス増加になることがわかります。1GHz越えではビアより直近パターンで繋ぐほうが良いでしょう。もちろんGNDインピーダンスを下げるビアはそれとして重要です。
1nh
ソフト的には
S-NAP Microwave Suiteは評価版でも結構な素子が使えますし、結果が分かりやすく、使い慣れると便利です。ちょっとした現象もシミュレーションするとよく分かることが多いですね。

2010年11月 4日 (木)

PLLのトラブル対策

PLLのトラブルとは
PLLICは便利で高性能、もう30年ほどいろんなICを使っていますが、簡単にロックしてもなかなか性能が出なかったり、全くロックしなかったりで大変苦労しました。今回はPLLとして動かし始める時のチェックのあれこれを書いてみたいと思います。
ハード的には
Pll_debug 上記のようなFMトランシーバーのPLLを例にチェックしていきましょう。
1)電源ショートチェックと出力観測の設定
まず最低限、電源ラインのショートチェックをしましょう。そして出力をスペアナ等に繋ぎ、希望周波数の1/4から4倍ぐらいの周波数が見えるように設定しましょう。決して使用周波数範囲を見るだけではいけません。最初はどこに発振しているか誰にもわかりません? 電源を入れ、PLLのレジスタにデーターを設定しましょう。ここで全く発振出力が見えなかったら..
2)VCOの電源は大丈夫か
まずはVCO部の電源電圧を確認しましょう。ちゃんとかかっていますか?OKならばその後段のアンプ部をチェックします。とりあえずはテスターでコレクタ電圧を見れば良いでしょう。それがOKだったら。スペアナに先をバラした細い同軸ケーブルつけてGNDアミ線は近くのGNDへ芯線は100PF位のコンデンサーを介してVCOからの発振出力の各部分につけて確認します。
3)コントロール電圧はどうなっている
それでも発振していないようでしたら、VCOのコントロール電圧も確認します。VCOの回路定数によってはコントロール電圧が0Vだと、バリキャップの容量が最大になり、共振回路のQが下がって発振しにくい場合がありますので、コントロール電圧をチェックしましょう。0Vか電源電圧いっぱいになっていたら、ここのラインを外して半固定抵抗などで中間電圧を加えてみます。これで発振したら希望周波数で固定して、発振が安定するようにバイアス抵抗などを変えてみましょう。発振すれば希望出力レベルまで出るように後段まで調整します。
4)PLL-ICまで信号は来ているか
次にPLL-ICの入力まで信号が来ているか確認します。PLL-ICは周波数によって入力レベルの感度が違いますし、あまりレベルが高いとかえって誤動作する場合がありますので、データーシートをよく見て確認しましょう。
5)チャージポンプ出力を確認
ここで5の端子のチャージポンプ後の信号をオシロ等で見ます。3)でつなげた半固定を回して設定周波数の上側と下側でレベルが反転するのを確認しましょう。(周波数が高くなった場合に0Vに向かうパルスの幅が広くなり、低い周波数の場合電源電圧側のパルスの幅が広がるのがこの回路の場合の通常動作です)ここがうまく動いていない場合はさらにICの出力がどうなっているかをチェックしましょう。この部分でソフトによる設定がOKかどうか確認できますので、ソフト屋さんにも確認しましょう。それでもおかしな場合は、右下図のように信号発生器(SG)から直接PLL-ICに信号を入れてみて動作確認しましょう。
6)ループフィルタのゲインをチェック
ここまでOKならば3)で切ったラインを繋げて全体で動かしてみます。ロックしない、電源源を入れた直後が動かないなど、一度はロックすることが出来るならば、ループのゲインを疑いましょう。とりあえず時定数を大きくしている容量の大きなコンデンサー(ピンクの印のもの)を外して動かしてみます。コンデンサーがないとロックした時のスペクトル波形が悪いですが、ゲインが上がりますのでまずは安定してロックしない原因を探しましょう。抵抗の定数間違いや配線違いなどもチェックすべきです。(コンデンサーを外してかえってロックしにくくなる場合もありますので、ケースバイケースでやってみましょう)
その後は.....
 以上ロックさせるまでのチェック方法を紹介しましたが、さらにこれからが位相ノイズ低減・ロックスピード・ロック周波数範囲の拡大などやることはまだまだありますね。そのあたりはまた次回で
ソフト的には
PLL-ICの設定でチャージポンプ部の流せる電流などを設定できる物もあります。これを使うとロックした後の安定時期に電流を減らして位相ノイズを減らせますが、初期のテスト時期はかえってまず動作させるために電流を流した方がロックしやすい場合があります。ソフト屋さんに設定を任している場合はメーカー推奨値はどうなっているか、今回の設定はどうかなども確認しましょう。

参考書籍---------------------------------------------------------------

2010年11月 2日 (火)

「アナログ技術失われた15年」のはなし

日経BP のテクノロジー・イノベーション 40年の歴史20101102_211056
アナログ日本,復活へ「失われた15年」を取り戻せ
の記事を読んで、確かに 1995年ぐらいから、日本のアナログICの新製品より、海外のICを調べる機会が増えていたと思い起こした。とゆうより国内アナログICの廃止の案内が増えたのもこの頃からだっただろうか?
 やってきた仕事内容から思い起こすと、1980年代後半のBSサテライト受信機 で DACに使ったのは バーブラウンだったが音声IF増幅やOPアンプは日本製のICだった。当時のBSは映像はFM変調でアナログ、音声はPCMデジタル。S/N 100dBなんて夢かと思ったけどGNDの処理などうまくやって、実力はそれくらいあったのを覚えている。
 1990年代に入って自社 BSアナログ受信機(海外向け)に国内で機能が十分なICがなく、多くのICを組み合わせていてはコストが下がらないので、アナログASICでビデオAMP+ビデオSWのカスタムICを設計・開発して自社製品に使い始めました。このころはアナログ技術者がアナログIC開発へ動員された時期とかさなっていたのでしょうか?。半月近く川崎に出張してシミュレーションした思い出があります。 このころBSアンテナ切り替えトーン信号のカスタムICがST-Micro から出ていたが、日本では入手性が悪くて使えなかったので、CPUとトランジスタで製作した。同期分離ICなどはJRC製などを使った覚えがある。
 1990年代後半はデジタル衛星放送受信機の開発の時期でした。MPEGGチップだけでなくビデオDACからAVスカート端子まわりのビデオ・音声切り替えなどすべて海外製アナログICで構成してコストダウンと省力化が進みました。日本製のICは電源の3端子IC、スイッチングトランジスタぐらいになっていました。
 OEMでのDVDレコーダー機開発ではビデオアンプやDSP用の 1.8VDC/DCコンバーターなども海外製でまとめられ、その性能の高さに驚いた時期でした。
 さらに2005年すぎになると高周波用ICの選択肢が全く変わっていました。高周波増幅の定番だったNECのICが廃止品種化され、SOT-86/89サイズのWJのICに。検波ICはアナログデバイス製、さらに高い周波数だったらHittiteなど、部品を組み合わせて作る上での部品選定は海外にしかありませんでした。
 日本が携帯電話にしか量産製品開発の可能性がなく、デジタル一辺倒に進んでいた頃、海外ではアナログ開発の重要性が見直され始めていたようです。
 元々電気・電子は見えない物を扱う仕事ですが、パソコン画面で見えないもの、オシロや半田ごて、テスターやスペアナの画面...はては指の触診で探すアナログの世界も、次世代にはシミュレーションソフトの発達や測定器の性能向上で、もうすこし楽に仕事が出来るようになるのでしょうか?
 遅れた15年を取り戻すために...まだまだやることはありそうですね

2010年11月 1日 (月)

パッドのはなし

パッドとは
一般的に[PAD]とは便箋・メモ帳とか埋め込み板とかに訳されますが、今回はプリント基板の部品を半田付けするパターンの電極部分のことを指します。挿入部品ばかりだった一昔前と違って、現在はSMD表面実装部品が普通になり、半田付けをどのように確実に、信頼性が高く出来るかが問題になっています。
ハード的には
SMD部品の半田付けにはフロー(Flow)とリフロー(Reflow)があり、前者は接着剤を使って部品を固定し(図では部品の中央両側に見える赤いもの)、半田槽に基板を下向きにして入れて半田付けする方法で、後者は半田をクリーム状にして基板上に印刷し、部品を載せて(接着剤無し)上側からはんだが溶ける200〜220℃ぐらいまで数秒間暖めて半田を溶かし接着する方法です。Solderしたがって半田の量が豊富なフロー半田に比べ、リフロー時はのせた半田がいかに効率よく(必要最小限の半田量がコスト、信頼性につながる)広がって付くのかが問題になりますので、図のようにフロー半田に比べてパッドの(正確にはレジストをかけない部分)面積が小さくなっています。
 逆にフロー半田では隣り合った各部品のパッドが半田でブリッジしない程度に間隔を広げ寸法も大きめに確実に半田がまわりこめるようなパッドに設計されています。
 さらにGNDパターンなどは広い面積で構成されますが、そこにつくコンデンサーなどはパッドが広いままでレジスト抜きだけ小さくした場合半田付け時に熱がまわりに逃げて半田が溶けにくくなりますので、その場合スリットを入れたり、サーマルパッドと呼ばれ独立したパッドに細い線数本でGNDに繋ぐ方法もとられますが、高周波ではインダクタンスになるため、注意が必要です。その他、フロー半田では半田付け時に基板をどの方向に移動しながら半田槽に漬けるのかを考慮しないと、隣のパッドとの半田ブリッジが多発します。また積極的に半田の流れを考えて、半田を逃がす(切る)パターンなどもみられます。
ソフト的には
 SMD部品の資料を見るとパッドの大きさなど参考数値が書いてありますが、結構広い範囲でどの値を取ったらよいか迷う場合があります。大手企業やパターン設計会社などはCAD上ですでに実績のあるパッド寸法やメタルマスク寸法(クリーム半田をのせる大きさ)がノウハウとして蓄積されていいます。買った製品が壊れて捨てようとする時、一度は中を覗いて、基板のそんなところを見ると参考になったりしますね。


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