電源ICとノイズのはなし
電源ICとノイズとは
昔は重たい電源トランスが高級オーディオの代表みたいに使われ、我が家にあったビデオデッキも重たい電源トランスを使っていましたが、最近のDVDレコーダーや、測定器でさえもスイッチング電源で軽くなっています。昔はスイッチング電源などはノイズの固まりみたいに毛嫌いされていましたが、今日では雑音輻射規制や高周波スイッチング・電磁シールドなどでずいぶんノイズは減っていいるようです。しかしながら高感度・低雑音の回路にスイッチング電源の出力をそのまま使う訳でなく、そこに電源用アナログICがまだまだ使われているのです。
ハード的には
右図は携帯電話などに使われる低雑音の電源IC ADP150ですが、最近は携帯電話でも電池の電圧をDC/DCスイッチングコンバーターで上げ下げて使ったりしてノイズ環境は良くなく、高周波部分への給電のための低雑音アナログ電源は必要になってきています。従来の電源からみたらノイズ量は100分の一になっていますので、小型で優れた特性になっています。しかしながら、PLLのVCOなど位相雑音を気にする部分にはリップルフィルターの性能は越えられません。図の回路では電圧基準ICとダイオードを使って出力温度特性を改善しようとした物で、雑音特性も優れています。
ソフト的には
しかしながら本回路では入力側の雑音を除去する性能は定電圧ICには及びませんので、入力電源仕様によってはリップルフィルターの前に定電圧ICを入れて、雑音除去性能を上げる対策が必要です。
この低雑音リップルフィルター回路などアナログ回路の勘所がツボをとらえた(高周波記事は載っていませんが) 以下特集の本を参考にしました。
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