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2010年11月24日 (水)

FM検波ICのはなし

FM検波ICとは
FMトランシーバーによく使われた Motorolla の MC3357 〜 MC3361が有名ですね。
FM 検波のはなしにも書きましたが、ミキサーや局部発振器、クラドラチャ検波からスケルチコントロールまでIC化したICです。
ハード的には
今回MC3357を使った TRIO TS-670 の回路を例に説明します。Ts670_fmdet
 画像が小さくて見にくいので、SCHEMATICS にものせておきます。
 1-2ピンは局部発振回路用のクリスタル発振回路です。IF 10.7MHz の時に 10.245MHzを発振させ、16ピンに入った10.7MHzの信号はミックスダウンして455kHzは3ピンに出力されます。TS670の場合は 1stIFが 8.33MHz OSCが 9.285MHz IFが 455kHzとなっています。 MC3361の頃には入力周波数が20MHz程度まで拡張されています。
 次に5,6ピンを入力としたリッミッターアンプで455kHzを増幅します。AM/FMのトランシーバーなどはこの5ピンからまだリミッターがかかっていないAM用の信号を取り出して増幅・検波します。Sメーターなどの検波にもこの方法が用いられました。
 FM検波の出力は9ピンです。ここにはまだ高域のノイズが出ていますので、このノイズを10ピン-11ピンのアンプで増幅してスケルチ(FM特有の信号がない時の大きなノイズをカットする機能)に利用します。雑音を検波した出力を12ピンに入れて、制御出力 13ピンから出た電圧でトランジスタのベース電圧をコントロールしています。14,15ピンはスケルチで信号を閉じる時にONになるスイッチですが、ON抵抗があまり低くなくて音が漏れたりして使われていないことが多かったですね。
 このICの使いこなしで問題なのは、3,4,5ピンに使われるセラミックフィルターのコモンがGNDでなく、電源端子だと言うことです。FMのリミッターアンプは結構電流を使うので電源が不安定になるとつられてIF入力もおかしくなり、発振したりS/N比が悪くなったりします。この電源の電解コンデンサーはデーターシートには書いてありませんが、必須で8ピンの近くに、0.01uFはフィルターの近くに配置するなど配置にも苦労した覚えがあります。
ソフト的には
 スケルチ回路はけっこうクリチカルで、ダイオードで検波することから温度特性が難しく、低温でスケルチが開きっぱなしになったりハンディートランシバーに使う場合は、温度補償など難しかった覚えがあります。 しかしながら小型のICの出現で小電力トランシーバーなど普及出来たのでしょう。

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