Duplexerのはなし
Duplexerとは
[デュプレクサ・ダイプレクサ]周波数共用器・分波器などと呼ばれ、LPFとHPFで周波数帯域を分けたり、合成したりするものです。携帯電話の基地局などアンテナ1つで送信・受信を行っていおり、送信・受信が異なる周波数で行われているシステムではよく使われています。もちろん携帯電話の中にも受信と送信を分ける小型の誘電体などのDuplexerが使われています。
ハード的には
図の例では LPFがメインで、HPF部に終端抵抗をつけてマッチングをとっています。単なるLPFと違う点は全周波数帯域にわたって入力側からみるとインピーダンスが一定になるという点です。特にミキサーなどはIF周波数を低くとった場合など出力に LPFなどをつけて妨害波・イメージを除去しますが、ただのLPFでは高域でインピーダンスマッチングが悪くなりイメージ信号が反射してまたミキサーに帰ってきてしまいます。この反射でさらにスプリアスが悪化してしまうことがおきます。そこでこのようなDuplexerを使うと特性が改善されます。下図にLPF側、HPF側の特性を示します。
ソフト的には
アンプなどでは出力側にLPFをつけたら帯域外の高い周波数で発振がおこったなんてことがありました。これはLPFの帯域外でインプーダンスが高くなって動作が不安定になってしまったからでした。こんな場合Duplexer を使うには回路規模が多くなりすぎるので、間にアッテネーターを入れると改善されます。ミキサなどではロスが多くなるので、Duplexerを覚えておくと良いかと思います。
回路はCQ出版社高周波回路設計ノウハウ を参考にしました。懐かしいノイズブランカなどの記載があり、久しぶりにみても良い本です。
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