CEATECで見つけたはなし2
ESRコントロールセラミックコンデンサ
ESRとはコンデンサーなどの交流的内部抵抗のことですが、実はWebで探したら、2008年には展示されていたんですね。TDKの記事も2008年に発表されていました。セラミックコンデンサーは小型で低ESRの点が利点として使われてきましたが、LD0レギュレーターのはなしでも書きましたように、ESRの低すぎるピークがあるため、意図せぬ高い周波数で共振して発振したり、思わぬ高い電圧が発生してデバイスを破損したりすることがありました。このESRのピークをコントロールする目的で開発されました。
ハード的には
積層する電極を工夫して、実際にハンダ付けする両端の電極まである程度抵抗を持つような構造で、ちょっと見ると3端子コンデンサーみたいな外観をしていますが、サイドの端子は電極と使用せず、あくまで積層電極をつなげるものだと考えられます。
その周波数特性は右の図のように、従来8MHz付近に低いESRのピークを持っていたものが平坦な特性になっています。
ソフト的には
容量をかえたセラミックコンデンサーを並列に接続し、広い周波数でデカップリング効果を得ようとするのはよく使われる手法ですが、低いピークを持つ共振点が近づくとかえって共振してインピーダンスの高いピークが生じてしまうことがあるそうです。確かに広帯域アンプを製作したときの周波数特性のディップにたいする対策などは、デカップリングコンデンサーは必ずしも共振周波数に合ったものでなく、小さな値を追加した方が効果があったりしますね。
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コメント
SUDOUTECK様
1つお聞きいたします。コンデンサのインピーダンスは周波数に反比例しますが、ディップの生じる原因と高帯域で増加する原因は何でしょうか?技術現場に疎くなっております。よろしくお願いいたします。
投稿: 帆掛け船 | 2010年10月12日 (火) 09時35分
コンデンサーは実際には純粋な容量成分と部品の内部導体や半田端子にあるわずかなインダクタンス成分で、コイルとコンデンサーが直列になっていると考えられます。高い周波数領域ではこれが直列共振回路となって、インピーダンス的には急激に下がるディップ点となり、その周波数以降はL成分が主体となってインピーダンスが増えていきます。以下の説明がよくわかります。http://toragi.cqpub.co.jp/Portals/0/backnumber/2004/09/p106-107.pdf
投稿: sudoteck | 2010年10月12日 (火) 14時23分