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2010年10月29日 (金)

ANLのはなし

ANLとは
[Automatic Noise Limitter]の略で、CBトランシバーや昔のAM変調された通信機の受信機によく使われていました。昔はオートバイや車のエンジン点火のスパークなどパルス状のノイズを発生するものが増えてきた時代で、すこしでもあのバリバリという雑音を軽減しようと開発されました。
ハード的にはAnl_2AM受信機の検波段に使われる回路で、ダイオードで検波しただけではレベルの大きなパルス雑音は残ってしまいます。 それを抵抗とコンデンサーでパルスが無くなるような時定数を作ってダイオードのカソード側に接続し、その電圧よりも大きなパルス雑音のとき(マイナスレベルが大きい時)にはダイオードが逆バイアスになるように動作して、パルスノイズを減らします。しかしながらあくまでパルスの高さを制限するだけなので、極端な音量ではなくなりますが、やはりかなりのノイズが残ってしまいます。アマチュア無線などの受信機ではこのノイズをIF周波数のときに積極的に削除しようと、ミキサーのすぐ後、IFフィルターの前に高周波スイッチを設け、ミキサー後のノイズを含んだ信号を増幅・整形してノイズの部分だけを切り取る「ノイズブランカー」が開発されました。しかしながら、スイッチングの遅延やノイズ検出、混変調の悪化など難しい部分もあり、うまく動作する時はスパッと無くなるのですが、雑音源によって効果が変わったりして、なかなか難しい面も多かったと思います。
ソフト的には
 回路図を見てダイオード検波がマイナスに検波しているのを不思議に思うかも知れませんが、当時の主流の方法です。これはAM信号が入力レベルが多すぎる時に、クリップしないようゲインを下げる AGC のため、トランジスタのベースバイアスを強入力時に下げる回路が必要なためです。通常ある程度 (2V程度)に設定した電圧からベースにバイアスしますが、このポイントに検波電圧を抵抗・コンデンサを介して接続すると、強入力時に検波電圧がマイナスに振れますので、マイナス方向に引っ張られ結果としてベースバイアスを下げ、ゲインを下げます。

本回路やノイズブランカなどの回路は以下の本に記載されています。
高周波回路設計ノウハウ (現場技術者実戦シリーズ)


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コメント

今晩は、ANL調べてたらここへ来ました。ANLですが微弱な電波を受信したい場合はANL無しの方が良いのか?ANL回路によって信号の歪みや出力低下ありですか?又、ANL回路OFF方法はダイオードショートですか?素人ですが御回答願います。

投稿: 石川 | 2011年8月14日 (日) 20時48分

図の回路のようにANLを実現するため、信号を270KΩ2つでレベルを半分にしています。これはダイオードをONさせるための電位差(ダイオードの順方向電圧0.3V〜0.7V)を作る為です。そのため検波レベルが下がってしまう点と、信号が弱い時にダイオードをONさせる電圧が得られず信号が出てこない弱点があります。
 環境的にオートバイやモーターなどパルス的なノイズが少ない場合は感度を優先してANLを外すのが良いでしょう。回路的にはダイオードをショートする方法ではレベルは改善されないので、レベルを上げるには100PFのコイル側から0.01uF程度のコンデンサーで信号を取り出して使ったほうが良いでしょう。

投稿: SUDOTECK | 2011年8月14日 (日) 21時41分

こんにちは、早速の御回答ありがとうございます。回路が違いますが考えは同じ、早速スルーで実験してみました。

無信号時のノイズ音が若干大きくなった?音質変わらず。
Sメーターの振れる前から信号音が聞こえるようになった。

しばらく様子みてみます。

投稿: 石川 | 2011年8月15日 (月) 13時16分

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