アバランシェについて考える
アバランシェとは
[avalanche]で雪崩の意味。ツェナー効果に似ているが、半導体のある耐圧を超えて電流が急激に流れる現象を「アバランシェ降伏」と呼んでいる。ここではMOS-FETのスイッチング時に問題となる「アバランシェ耐圧」について考えてみる。
ハード的には
MOS-FETには構造上右図のように寄生トランジスタやコンデンサー・抵抗が出来ています。アバランシェ降伏現象は実は FETがONする時の耐圧ではなく、OFFする時の現象なのでした。普通の抵抗負荷でなく、コイルが負荷の場合は最近のインバーター制御やDC/DCコンバーターのスイッチング制御などで多く使われています。このとき問題はコイルに電流を流したあと FETがOFFになった時に、このコイルに給ったエネルギーが逆起電力としてFETにかかってくることです。FETがOFFしたときにVds(ドレイン・ソース間電圧)が上がってくると寄生コンデンサによって電流が流れ抵抗の両端がVbe(ベース・エミッタ電圧)を越えると寄生トランジスタがONします。このとき大きな電流が流れて寄生トランジスタの耐圧を超えて破壊します。 時間的に短ければトランジスタの熱破壊が免れますが、通常のFETのON時に電流を多く流して発熱していたりすると、その温度に上記アバランシェ降伏時の熱量が加わり、安全動作領域が狭くなります。
よって、MOS-FETのコイル負荷時の安全動作には、ON時の最大電流・最大損失・放熱条件だけでなく、アバランシェ降伏による耐圧を考え負荷のコイルの値・流す電流とFETの最大規格を考慮する必要があります。
ソフト的には
Renesas にアプリケーションノートが出ていました。MOS-FETの使用方法と共に参考にして下さい。
*リンク切れ更新しました。
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コメント
私は、現在モータードライブ回路を設計中でどうしてもアバランシェ耐圧についてRUNESUSやFEACHILD等のMOSFETを製造している会社のpdfを見てもわかりませんでしたが、今やっと理解することが出来ました。
投稿: トッポ | 2014年6月20日 (金) 09時15分