PIN SW のはなし
PIN SW とは
PIN ダイオードで作るスイッチ回路です。
ハード的には
右図は PIN ダイオードとλ/4の伝送ラインを使ったPIN SW です。λ/4の伝送ラインを利用しますので帯域的には余り広くありませんが、通過時の損失が0.2dB程度と少ないことと、ダイオードがON時に高周波電力を損失しないので、比較的高い電力をスイッチできます。 高速にスイッチングする必要があるときは PIN ダイオードの容量が問題になります。 使用上注意すべき点は、OFFする時にダイオードに順電流を流して十分ON抵抗を低くしますが、ONさせる時には高周波信号がダイオードの逆バイアスより小さい範囲でないとダイオードが ONして破壊してしまいます。 伝送インピーダンスが50Ωの場合例えば 10Wrms の電力を通過したい場合、RF 電圧は E =√( PxR) なので √( 10x50) =22.4V ピーク値は √2 倍になりますので 22.4 x 1.414 =31.6V なので最低 40V程度は必要と判ります。 このマイナス電圧を用意するのが問題ですね。
アマチュア無線の送受信スイッチ部には大電力を扱う送信時には、ダイオードは逆バイアスで使わないようにして高電圧を必要としない回路に工夫をしています。
ソフト的には
PIN SWを高速にドライブするにはドライバ回路が重要です。高速を追求するとトランジスタでなく、FETのプッシュプル駆動が用いられますが、FETのOFF遅れによる同時ONの時間が出来るので、デッドタイムを設けるとか、あえて電流を流しても高速にスイッチングすることを優先し、電力損失に注意しながら制御することです。
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