ミューティングのはなし
ミューティングとは
オーディオ機器などで電源ON/OFF時や入力切り替え時などに、立ち上がりノイズや切り替えノイズを防ぐためにオーディオ出力をOFFするための動作です。
ハード的には
右図のようにオーディオラインに抵抗とトランジスタを入れ、音を出したくない時にトランジスタをONさせ信号を減衰させる働きをします。 ここで注意する点があります。通常は下側の図のようにトランジスタのエミッターをGNDに接続して使いますが、この場合正の信号サイクルでは正常に働きますが、負のサイクル時にはベース-エミッター間に電流が流れるのではなく、ベース-コレクタ間に流れるリバース動作でONすることになります。この場合にベースエミッタ間の逆耐圧が大きくないと漏れ電流が流れてノイズになったり、トランジスタが破損したりします。また、リバース動作時は通常トランジスタの増幅率hfeが小さくなるので、ONしにくくなったりします。
このような不具合に対応するため専用のミューティング用トランジスタが開発され、Rohmの2SD2144とか
東芝の2SC3326などが上げられます。 VEBO(ベースエミッタ逆電圧)が20V以上あり、リバースhfeが規定されていたり(or 順方向hfeが非常に高いなど)、ON抵抗が 0.8〜1Ωと小さいのが特徴です。
コントロール電圧は ON時には+5V程度をかけるのが普通ですが、OFF時にトランジスタが入力信号によってベースエミッタ電流が流れてしまいノイズになることがありますので、マイナス5V程度まで逆バイアスすることで問題なく動作します。
ソフト的には
電源ON時は周辺が安定するまでトランジスタをONするため、コントロール電圧を+5V電源にプルアップするような回路で簡単に実現できますが、電源OFF時は早めの電源断の情報が必要です。オーディオセット開発の頃は電源トランスの2次側交流を短い時定数で整流してトランジスタ回路で比較回路を作り、+5Vより先に落ちるのを検出したらミュートするような回路を組みました。 現在もマイコンの電源以外の、最も早く電圧の落ちる電源に電圧検出器を付けてマイコンで検出するなど、工夫をしていますね。
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コメント
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