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2010年7月

2010年7月30日 (金)

電流検出のはなし

電流検出とは
比較的大きな電流(数A)を検出して、電流値を測定する機会は結構あります。ショート保護や、過電流保護程度でしたらトランジスタを使った保護回路がありますが、主にCPUで電流値を正確に読み、制御したい場合などA/Dコンバーターと共に検出用ICが用いられます。
ハード的には
Cu_sense比較的高い電圧50V程度を検出できるICに MAXIMのMAX4080シリーズがあげられます。 右図に参考回路を書きますが、電源供給側( PS )と負荷(Load)との間に検出用の抵抗を接続し、その間の電圧を増幅して GND-Out 間に出力します。電流の増幅率とパッケージで品番が変わります。
SOパッケージでは
 MAX4080FASA+ .... 5倍
 MAX4080TASA+ .... 20倍
 MAX4080SASA+ .... 60倍
uMAXパッケージでは
 MAX4080FAUA+ .... 5倍
 MAX4080TAUA+ .... 20倍
 MAX4080SAUA+ .... 60倍

 例えば最大出力電流 10A時に5Vを出力したい場合は、SOパッケージで 60倍の MAX4080SA+を使った場合、 5V÷ 60 = 0.083V 10A流れた時にこの電圧なので、E = I x R より R = E ÷ I よって 0.083 ÷ 10 = 0.0083
 必要な抵抗は 8.3mΩとなります。数値が半端なので 5mΩ を使った場合は 10A時に 0.005 x 10 x 60 = 3.0V の出力となります。ここで注意が必要なのが抵抗の定格電力で、0.005Ω x 10A = 0.05V 0.05V x 10A = 0.5W となり、1W程度の抵抗が必要ですね。
 電源にノイズがあったり負荷が高速に変動している場合には電圧出力にフィルターを入れます。フィルタの時定数は検出時間間隔との兼ね合いで、大きくした方がノイズ除去に有利ですが「瞬間過電流保護」など瞬時に検出して保護したい場合などはフィルタ時定数は短くしておいて、CPUのソフトで平均化処理などを行うべきでしょう。 また、使用電圧ですが、このICは測定電源電圧は 76V まで可能で、ICを動作させるVccもこの電圧まで使用可能です。簡単な回路では R+ ピンと Vccを接続して使うことが出来ますが、瞬間でも電流が流れますと上限無しで Outピンにその電圧が出てしまいます。回路的にはそのままCPUのアナログ入力ピンや A/DコンバーターIC入力に接続された場合、過大電圧入力で壊れる恐れがあります。ダイオードでVddにクリップするかツェナーダイオードを使うなどして保護する場合が必要です。 5V電源が別途 Vccに使用できる場合はこのような対策は不要です。 また、電流が逆に流れると出力電流もマイナスに出力されますので、この検討も必要ですね。 マイナス電流も測定したい場合はリファレンス電圧が設定できる 4081シリーズが便利です。
ソフト的には
今回は比較的電源電圧の高い大電流の場合の応用でしたが、CPUと同じ程度の電圧で小電流でしたら、抵抗とオペアンプで利用できます。しかしながら精度的・部品点数的にはICの方が有利になってきていますね。同様な製品にLinear社のLTC6102などもあります。

2010年7月29日 (木)

ミューティングのはなし

ミューティングとは
オーディオ機器などで電源ON/OFF時や入力切り替え時などに、立ち上がりノイズや切り替えノイズを防ぐためにオーディオ出力をOFFするための動作です。
ハード的には
Mute右図のようにオーディオラインに抵抗とトランジスタを入れ、音を出したくない時にトランジスタをONさせ信号を減衰させる働きをします。 ここで注意する点があります。通常は下側の図のようにトランジスタのエミッターをGNDに接続して使いますが、この場合正の信号サイクルでは正常に働きますが、負のサイクル時にはベース-エミッター間に電流が流れるのではなく、ベース-コレクタ間に流れるリバース動作でONすることになります。この場合にベースエミッタ間の逆耐圧が大きくないと漏れ電流が流れてノイズになったり、トランジスタが破損したりします。また、リバース動作時は通常トランジスタの増幅率hfeが小さくなるので、ONしにくくなったりします。
 このような不具合に対応するため専用のミューティング用トランジスタが開発され、Rohmの2SD2144とか
東芝の2SC3326などが上げられます。 VEBO(ベースエミッタ逆電圧)が20V以上あり、リバースhfeが規定されていたり(or 順方向hfeが非常に高いなど)、ON抵抗が 0.8〜1Ωと小さいのが特徴です。
 コントロール電圧は ON時には+5V程度をかけるのが普通ですが、OFF時にトランジスタが入力信号によってベースエミッタ電流が流れてしまいノイズになることがありますので、マイナス5V程度まで逆バイアスすることで問題なく動作します。
ソフト的には
電源ON時は周辺が安定するまでトランジスタをONするため、コントロール電圧を+5V電源にプルアップするような回路で簡単に実現できますが、電源OFF時は早めの電源断の情報が必要です。オーディオセット開発の頃は電源トランスの2次側交流を短い時定数で整流してトランジスタ回路で比較回路を作り、+5Vより先に落ちるのを検出したらミュートするような回路を組みました。 現在もマイコンの電源以外の、最も早く電圧の落ちる電源に電圧検出器を付けてマイコンで検出するなど、工夫をしていますね。

2010年7月28日 (水)

dBmのはなし

dBmとは
電力を対数(dB)で表す単位で、mが付いていることから 1mW = 0dBm を基準に決められています。
ハード的には
Db_w 電力の単位なので、10xLog(x)とLog換算に10倍します。受信機などの感度を示す単位の dBµ は 1uV = 0dBµ とした電圧単位なので 20xLog(x) なので、dBmはこれらの dB感覚と違い半分になります。 dBµでレベルを2倍にするには +6dBすることですが、電力の dBmでは電力の2倍は +3dB のことになります。
 また、dBm から mW に変換するには図のように dBm値を10で割った値で 10を乗じます。例にように30dBmならば10で割って3、10の3乗は 1000なので 1000mWとなり、 1Wのことです。
 dBmはパワーアンプでは必須の単位で、良く覚えていると便利な値があります。
0dB ....... 1倍 3dB........2倍  5dB .....3倍
6dB ....... 4倍 7dB........5倍 10dB .... 10倍
-1dB ....0.8倍 -3dB...0.5倍 -6dB ...0.25倍
-10dB.....0.1倍
絶対値では
0dBm..... 1mW
+10dBm.... 10mW
+20dBm.... 100mW
+30dBm.... 1W
+40dBm.... 10W
+50dBm.... 100W
などは暗記しておくと便利ですね。
ソフト的には
dBmは 1mW を基準にした電力の単位ですが、dBµはその下の 1µWかなと思うと全く違う電圧基準の単位です。50Ωのインピーダンスでは 1mW時は220mV(rms)なので、受信機屋さんにっとって 107dBµとなりSGの出力レベル表記でなじみの深い値になってきます。また、このdBµの表記も解放電圧が標準となっていたりして実際に繋げると半分になったりしますので困りものです。最近は解放電圧を dBµEMF ( Electro Motive Force 起電力)と終端電圧をdBµPD(Potential Drop 電圧降下)と示すようになってきました。

2010年7月27日 (火)

レベル変換ICのはなし

レベル変換ICとは
最近のCPUは高速化に伴い電源電圧が 3.3VとかDSPによっては内部動作電圧 1.8Vが必要など、低電圧化が進んでいますが、周辺ICが 5V のまま..なんてことが多くなってきました。そこで最近のレベル変換ICを調べてみました。

Toshiba
ハード的には
東芝の製品ですが、専用のチップを持っており、汎用低電圧COMSと同じような命名法のものも見受けられます。
5V <-> 3.3V
TC74LVXxx245
TC74LCXxx245
3.3Vor2.5V <-> 2.5Vor1.8V
TC74VCXxx245
3.3V〜1.2V <-> 3.3V〜1.2V
TC74MPxx245
下図に各ICの入出力ポートの回路を示します。Vccへの保護ダイオードを省いて電源OFF時の動作を可能にしています。
Port_2
(トランジスタ技術 2006年 06月号 P172
の図)
次にルネサスのICもほぼ同様の命名ですが、
5V <-> 3.3V
HD74LVCx245
5V <-> 2.3V
HD74LVCCx245
3.3V〜1.2V <-> 3.3V〜1.2V
HD74ALVCx245
ソフト的には
片方向のレベルシフトは低電圧版のCMOSゲートICを使えば比較的簡単ですが、保護ダイオードを省略して入力電圧がVccよりも高くても動作可能にしているので、静電破壊に弱いものもあります。静電気や入力がハイインピーダンスになる時はプルダウン抵抗を入れておくなど、設計上でも実験での扱いでも注意することが必要です。

2010年7月26日 (月)

立ち上がりと遅延のはなし

立ち上がりと遅延とは
立ち上がりは矩形波状の信号(主にデジタル信号)がLow(低い電圧)からHigh(高い電圧)に変化すること。ここでは後者の遅延と比較してこれらの時間について考えてみます。
ハード的には
Thl_tdlここで右図のように、74HC04のデーターシートにある規格に則って考えて見ます。まず立ち上がり特性ですが、特に記載がなければ出力特性をさすのが普通ですので、ここでは OUTPUT Y の tTLHを見ます。 ON-Semi の規格表では 74HC04 では 4.5V電源時には 19nS となっています(85℃時)。これは規格上では 立ち上がり初めて10%になった時間から 90%になるまでの時間ですので、完全なスイングは実際はもう少しかかりますね。もし、この波形で同じように下がるならば 19nS + 19nS = 38nS で 26MHzぐらいは動作しそうです。
 次に遅延時間を見ます。グラフでは tPLH とあり、入力の立ち下がり(これはインバーターですから反転です)50%のところから出力の 立ち上がり 50%のところを指しています。規格表では 4.5Vで同じく 19nSでした。つまり、25MHzぐらいの信号を入れると、半サイクルぐらい遅れてしまうということです。
 立ち上がり性能はどのくらいの周波数まで使えそうな目安になりますが、遅延時間は位相やタイミングを合わせる時に重要な性能になります。例えば74HC04 をバッファとして使ってとりあえず10MHzなら問題なく動いているでしょう。この10MHzに同期した信号データーがやってきてデーター波形が汚いので整形しようとインバーターが余っているので2個使って反転・反転して使ったとします。ここでは2個で40nS程度遅れるので 10MHzの間隔 100nS のほぼ半分ぐらいずれてしまうことになります。半サイクルのクロックの立ち上がりで同期していたら、結構ずれてエラーが出てしまうかも知れません。
 クロックも同じように遅らせれば問題が少ないかも知れませんが、もっと高速なハード的なアドレスデコードを行う時など、これらロジック素子の遅延時間を考慮することは重要なことです。
最近の3.3VCMOS 74LCX04などは 3.3Vで 遅延時間 5nS など高速ロジック向けに改良されています。
ソフト的には
現在ではアドレスデコードロジックを使うには、 PLDやFPGAなどで集積してしまうのであまり個別ゲートICの性能など頓着しませんが、かつて Z80などマルチチップ構成のデコーダー作成はけっこう面倒でしたが、ICのしくみなどを覚えるよい機会でもありました。

2010年7月24日 (土)

ドループのはなし

ドループとは
[droop]で一般的にはホールド・キャパシタやバッファ・アンプなどのリーク電流によるホールド電圧の変化をいいますが、今回はRFアンプデバイスの発熱による短時間でのパワーが減少する変化を考えます。
ハード的には
最近の高効率アンプやAB級などのRFアンプでは、パルス信号やバースト波を増幅する際、従来の GaAsデバイスでA級使用していた時と全く異なる現象が発生しました。
Droop特に GaN -HEMTなど小型にもかかわらず単位面積あたりで大きなパワーを出すことが出来、使用温度も250℃など小さいチップサイズで使われるデバイスではその現象が顕著でした。それは2点ありました。
 1点目はデバイスが冷えている状態(小さいパワーの時あるいはドレイン電圧をOFFしている時)からONにした時に瞬間的にチップが暖まりゲイン下がる現象です。パワーが小さい時に発熱が少なく、その温度ではゲインが高いため初めの50nS程度はヒゲのようにパワーが出てしまうのです。これは数100nSのパルスを増幅するアンプでは苦労しました。結局パルス発生器のほうでゲインを補正してややなだらかな立ち上がりにするしかありませんでした。
 2点目はデバイス全体が暖まってくると熱的にゲイン・ピークパワーが徐々に劣化してくる現象です。これは数10〜数100mSという長い時間ですから、信号発生器のゲインコントロールで修正できますが、性能的にピークパワーぎりぎりでは3次歪みの増大を招きますので、最終的にはデジタルプリディストーターの設定にこの熱的・時間的変化の項目を取り込んで補正するしかないと考えました。アナログのプリディストーターでは対応に限界があり、この問題から WiMaxなどの時分割信号への高効率アンプ開発は終息しました。
ソフト的には
パルス信号などはスペアナで見る場合、IF帯域幅の制限から高速な立ち上がり波形を観測することは出来ません。1GHz程度の帯域のデジタルストレージオシロがあれば、ミキサー(DBMなど)とSGを使って周波数を500MHz台に落として観測するのが一番ですね。その際はミキサのローカル注入レベルや入出力飽和特性など確認の上測定するようにしましょう。


2010年7月23日 (金)

ダイオードチャージポンプのはなし

ダイオードチャージポンプとは
[ Diode Charge Pump ]で、矩形波信号を利用し、ダイオードを使い電荷をコンデンサーに蓄えながら電圧を昇圧する回路です。
ハード的には
D_chgpmp 右図に正電源(上側)、負電源(下側)の回路を示します。Vin で入力された電圧をそれぞれ 3倍の正電圧、2倍の負電圧になります。正電源の場合はVinからさらに加えますので、3倍になります。しかしながら各段階で使用するショットキーバリアダイオードの順方向電圧(0.3V程度)分電圧が落ちますし、回路ロスもありますので完全に3倍にはなりません。 以前ハンディタイプの受信機を開発した時にVCOのコントロール電圧を 0V〜 12V程度ほしい時があり、電源電圧5Vのセットでこの回路を使用して12Vを生成しました。コンデンサはタンタルコンデンサーを使って小型化した覚えがあります。クロック周波数を上げればコンデンサーの容量が小さくて済みますが、回路ロスも増えます。マイコンが生成できる数10KHz程度が利用しやすいと考えます。出力出来る電流は最大でも 10mA程度ですので、電流を流す利用方法には適しません。
 負電源の応用として GaAs-FET などのゲートバイアス電源に利用する事が上げられます。ノイズを除去する意味ではそのままでは利用しにくいので、-8V程度を生成した後にシリーズレギュレーターで -5Vを生成するようにします。
ソフト的には
 同様なスイッチドキャパシタ動作のしくみの GaAsバイアス用のICがナショナルセミコンダクター社のLM2687などが開発されています。105KHz動作でリップル 1mV程度、10mA時に効率90%とかなり優れた性能です。

2010年7月22日 (木)

Drain チョークのはなし

Drainチョークとは
[ Drain choke-coil ]の略で、高周波FETのドレインに電圧を加えながら、高周波に対しては損失とならないようなコイルをつけることで、デバイスの最大出力や効率に大きく関係する部分です。
ハード的には
D_choke 比較的狭い帯域で使用する場合はちょうどλ/4の長さのパターンを作成したり、マッチングをとるため小さな値のコイルにする場合がありますが、数MHzから数GHzまでの広い範囲で使いたい場合は、数種類の値を持つコイルを直列に接続して広帯域なチョークコイルとして機能させます。 ドレインのチョークはゲートバイアスよりも電流を多く流しますので、細い線で巻きますと電圧低下が起こります。余裕を持った電流値が流せる線を使用しましょう。またインダクタンスを増やすために、低周波側のコイルはコアに巻きますが、線材の被覆がコアの角で剥がれてショートしたりしないよう、コアが絶縁されたものか線材の被覆に注意して使用します。
 注意すべき点としてはコイルの線材部分がGNDとある程度距離を持たせる点です。コイルの線材とGND間で容量を持ち不要な共振点が生まれてしまいます。また、高周波側のコイルは小さく必要な分だけ少なめに巻いた方が良く、ドレインとの接続線の長さも含めてインダクターとして動作します。 さらに2つのコイルの接続は空中で行う方が良く、パターン上ではその部分が低いインピーダンスになってしまいますので
共振点の原因にもなります。
ソフト的には
動作的にはバイアスティーと呼ばれる製品と同様に広帯域の無限インダクターでDCのみ流すものです。数GHzのアンプではデバイスが50Ωでマッチングされていて、その評価にゲート(入力側)とドレイン(出力側)にコネクタ付きのバイアスティーを使って測定してあるデーターをよく見ます。自分で基板上で製作するのはなかなか大変ですね。

2010年7月21日 (水)

マイクロ波のはなし

マイクロ波とは
[Microwave]で、電波の中でも最も短い波長域で、おおむね300MHz〜3000GHz(3THz)までの周波数帯をさします。波長が1m以下ですので、小型のアンテナで使えることから移動無線・携帯電話の普及で利用が盛んになっています。
ハード的には
<Microband_2右図のようにマイクロ波はバンドていうと UHF 以上のバンドを指します。これらの周波数は呼称として P 〜 W までのバンド名で呼ばれ、古くから衛星放送で使われていた Cバンドでは、ソビエトの衛星やASIASATなど直径4mほどのパラボラアンテナで日本でも受信することが出来ました。現在ではデジタル化した放送を行っているようです。
 日本になじみの深いのは Ku Bndでしょう。 Ku の u は under の u で K-Bandの下のバンドだからで、Ka の a は avove のことで上側を示しています。 日本のBS衛星はダウンリンク(家庭での受信用)に 12GHz 帯を、衛星へのアップリンク(衛星への送信用)に14GHzを使ってる事から Kuバンド衛星と呼ばれています。アナログ衛星放送のBS1CHはBSAT1で周波数は 11.843GHz で、デジタル衛星放送はBSAT2Aで BS1CHは周波数 11.996GHz で放送されています。
 またなじみの深い周波数では S-Bandの 2.45GHz で電子レンジや無線LANなど色々な用途に使われています。携帯電話では 810MHz〜960MHz付近と1710MHz付近、2110MHz付近など各社キャリアによって使用周波数帯が割り当てられています。 10GHz帯や24GHz帯はスピード違反取り締まり用のレーダーの周波数、41.5GHzや55GHzは放送局の中継用に使用されています。また最近デジタルハイビジョンテレビの画像を無線で伝送するシステムが 60GHz帯で開発されています。
ソフト的には
 デバイス技術の進歩、無線技術の進展で高い周波数でも利用できる環境は整ってきましたが、電波には伝送するのに都合の良い周波数があります。携帯電話を山間地で使いたい場合などは周波数が高いと直線性が良すぎて見通せる範囲しか届かなかったり、木や空気中の水分で電波が弱まったりします。NTT-Docomoなどは低い周波数バンドの 800MHz帯を与えられていますので比較的山間地やビルの谷間などでの伝送に有利です。今後テレビのデジタル化が終了すると現在のUHF帯の高い方の周波数が空きますので、携帯周波数の割り当てだけでなく、そこにどのようなサービスが始まるか楽しみですね。

2010年7月20日 (火)

SPIのソフトのはなし

SPIとは
[Serial Peripheral Interface]の略で、クロック同期型の3線式シリアル通信です。
ハード的には
 クロック(SCK)に加えデーター出力(SO)、データー入力(SI)とチップセレクト(#CS)が設けられ、3線+チップセレクトなので3線式と呼ばれています。PLL-ICやADC-ICなど I2Cよりも多く使われています。
 以前紹介したPLL+VCOのIC ADF4360 はこのインターフェイスを使っており、過去H8 で5個の PLL-ICを制御したこともあり、比較的簡単にコントロール出来ますので、今回はソフト部分を紹介します。
Outbyte
ソフト的に
 今回のADF4360は、3種類の24ビットのデーターをレジスタに設定することで機能しますが、そのデーター転送の基本ルーチンとしてまず8ビット転送の out_byte( int data ) を説明します。

out_byte( int data )
{
 int i ;
 for( i=0x80 ;i > 0 ; ){
   IO.PDR1.BIT.B0 = 0; /* CLK Low */
   if( data >= i ){
    IO.PDR1.BIT.B1 = 1; /* Data = 1 */
    data = data - i ;
   } else {
     IO.PDR1.BIT.B1 = 0; /* Data = 0 */
   }
   IO.PDR1.BIT.B0 = 1; /* CLK High */
   i = i >> 1 ;
  }
}

ループ変数 i に 0x80 を代入して 8Bit のMSB から data を比較していきます。
i と data の and をとる方法もありますが、今回は大きさを比較して 元の data から比較後Bitが立っていた場合に i を引いてゆくのと i を右にシフトしていくことで各ビットの High/Low を送信します。(High時にはDOが立ち上がりますのでレベルが立ち上がるまでに時間がかかります。クロックを立ち上げるまですこし時間をかせぐ狙いもありますが..)クロックの Low 時点でデーターを変化させ、確定後 Highにすることでタイミングを知らせます。
 全体のデーターを送るのは以下のルーチンです。

out_pll( )
{
  int i ;

  IO.PDR5.BIT.B2 = 0 ; /* PLL CS Low */

  out_byte( 0x00 ) ; /* at Ref 20MHz */
  out_byte( 0x0f ) ; /* Ref= 20KHz */
  out_byte( 0xa1 ) ; /* Send R-Counter DATA */

  IO.PDR1.BIT.B0 = 0; /* CLK Low */
  IO.PDR5.BIT.B2 = 1 ; /* PLL CS High */

  for ( i=0;i<100;++i) { } / * Wait */

  IO.PDR5.BIT.B2 = 0 ; /* PLL CS Low */

  out_byte( 0xc7 ) ;
  out_byte( 0xf1 ) ;
  out_byte( 0x20 ) ; /* Send Control DATA */

  IO.PDR1.BIT.B0 = 0; /* CLK Low */
  IO.PDR5.BIT.B2 = 1 ; /* PLL CS High */

  for ( i=0;i<100;++i) { } / * Wait */

  IO.PDR5.BIT.B2 = 0 ; /* PLL CS Low */

  out_byte( pll_buff[0] ) ;
  out_byte( pll_buff[1] ) ;
  out_byte( pll_buff[2] ) ; /* Send Divider Data */

  IO.PDR1.BIT.B0 = 0; /* CLK Low */
  IO.PDR5.BIT.B2 = 1 ; /* PLL CS High */

}

各24ビットのデーターは out_byte() を3回呼んで送っています。この間に CS ポートを Lowにしておきますと、 CS の Highにするタイミングで各レジスタにラッチされます。PLL-ICが3つのレジスタを区別するには送られてきた24ビットの最後の2ビットを使って判断しています。
 今回周波数を決めるデバイダーデーターは pll_buff[] という配列変数にしておき、周波数変更時にこの変数を修正してこのルーチンを呼びます。このICの仕様により、リファレンスデーターが変わらなければ、デバイダデーターだけ送っても良いですが、伝送時間はさほど問題ない場合は全てを送った方が確実です。
関連・参考文書
Rfw08coverh200
RFワールド NO.8
 2章でADF4360を使ったRF信号発生器の製作記事が紹介されています。 USB-パラレル変換モジュールを使ってパソコンからコントロールできるようにしていますが、PLL-ICのレジスタ表や全体回路図・ハード的解説もあって参考になります。


2010年7月17日 (土)

プリント基板でひどい目にあったはなし

プリント基板の品質とは
 もう13年前ぐらいになりますが、デジタル衛星放送受信機(DVB規格)の開発で最近サッカーで賑わった南アフリカに1人で出張した時のことです。ハードは日本国内設計で、OEM先は韓国、ファームウェアは南アフリカの会社で行うという混合チームで、試作サンプルを持ってハード評価にいった際の事件です。当時デジタル衛星放送が実際に開始されているのが南アフリカだけで、当然放送受信に対するノウハウを持っているのが現地のメーカーだけで、すでに国内で開発・認可されているのでDVB規格種取得も早いだろうと、現地に乗り込んだのでした。
 1回目に持ち込んだサンプルは国内で基板制作・部品実装・簡単な電源チェックなどしたものですが、なんとか現地でファームウエアが走り、回路接続ミスなどを発見してビデオ出力など評価できる段階まで持ってきました。
 当時4層基板などは高価だったので採用できず、安価な両面基板でCADの前段階から紙図面上で何度も引き回し・配置を工夫した成果もあってビデオ・オーディオの性能などは、現地のエンジニアからもほめられる出来でした。
Image033
そしてプリプロダクション用サンプル
 2回目の出張は、韓国で生産する前のプリプロダクションを兼ねて規格認証サンプルを検査する仕事でした。サンプルを20台程度作らなければならないので、韓国メーカーに製作を依頼しサンプルが届くタイミングでの南アフリカ訪問でした。 私が到着して輸入手続きでごたごたして2〜3日後にサンプルが届き、さっそく動作実験に入りました。
 しかし1台目からうんともスンとも動きません。1回目にミスした配線はCADできちっと治っていますし、部品も問題ありません。しかしながら、よく見るとチップ部品端子の半田の量が多かったり、少なかったりで、LSIの足もヒゲなどでショートしている部分もありました。 製作した韓国に問い合わせてもらうと「時間が無かったので、人手を投入して全て手半田でやったよ。きれいに出来ているだろう」と自信満々です。基本的にこの手のデジタル製品の品質ノウハウに関して無頓着なようでした。
 日本メーカーでは20台をしかも1枚6000点以上あるような基板を、手半田でするなんて考えませんね。さっそく基板上の半田付けから再チェック、ICの足のブリッジなど現地のテクニシャンに手伝ってもらって直し、なんとかファームウェアが動き出しました。
まだおかしい
 動作チェック用のプログラムを入れてチェックし始めると、5台に1台ぐらいしか最後まで完全に動作しない...どこか配線が切れているようで何かのタイミングでエラーになってしまう。エンジニアの1人が「基板をたたくとエラーになるよ」と教えてくれた。そのあたりの部品を確認し再半田しても変化無し。どうもこのラインがおかしいと思うラインをテスターで導通を測ると1KΩ??パターンのラインだから切れているか0Ωかのはず...と思って そのラインを繋ぐスルーホールの上下で測ると1kΩ!「えー!」と思わず叫びました。そこら辺のスルーホールがやたら導通がおかしい。なんと原因は韓国メーカーでの基板作成時のスルーホールメッキの品質不良でした。
対策は
 20台も直すなんて不可能だから、日本の本社と相談し作り直すことに,,,
とりあえず1台はスルーホールビアに細い線を通して半田付けして(LSIの下は半田を流し込むだけぐらいでしたが)、CAD修正点などミスが無いことを確認し、ファームウェア確認用として現地に残しました。
で、仕事が早く終わったので
 サンプルを全てチェックするつもりで立てた日程でしたし、飛行機はもちろんFIXなのですぐには帰れません。で..Gammaとかいう自然公園(サファリみたいなやつ)に営業のおじさんと1泊旅行..
 苦労あれば、報われることもありますね。 結局その後あと2回も南アフリカには行くことになりました。当時マクドナルドがありましたし、中華料理店もありました..でもけっこう1人で歩くには怖かったなぁ


2010年7月16日 (金)

逆起電力のはなし

逆起電力とは
コイルなどに電流を流したり、切ったりする時に変化を妨げようとする生じる逆方向の電気のこと。
Coil_2
ハード的には
コイルに電流を流すと磁界が生じます。電流を切った時に磁界を維持しようとするために電流を流し続けようとする電力がコイルの中に逆方向に生じます。
 コイルのインダクタンスが小さい場合にはあまり感じませんが、例えば蛍光灯の電流を制限する「安定器」と呼ばれるコイルは数十ヘンリーありますので、1.5V程度の電池で電流を流した後、切った時にこの逆起電力が数十ボルト瞬間的に発生します。高校生の頃この回路を小さな箱に入れて電極を友人に触らせてビリビリさせて楽しんでいました。
 この現象は困ったことも引き起こします。リレーやソレノイドプランジャーなどコイルを駆動する回路ではコントロールするトランジスタのコレクタに100V近いこの逆起電力が発生してトランジスタの耐圧を超え破壊されてしまうことです。瞬間的なパルス状電圧なので電力的には小さいので、この対策のため保護ダイオードを入れます。逆起電力をショートする方向で接続します。 この方法の他に、GNDとコレクタにツェナーダイオードを入れて保護する事も出来ます。
ソフト的には
リレーやプランジャーは、起動時の電圧より保持の時の電圧が低くても良いので消費電力を減らすためにハード的に電圧を可変する回路を入れた時もありました。現在ではラッチングリレーやPhotoMOSリレーなど小型で消費電力の少ないものも出てきています。
参考図書1-----------------------------------------------------------------------------------------

P21 2.3章 誘導負荷駆動回路の保護 というセクションにて ダイオードの有無の逆起電力波形が記載され、詳しい説明がでています。Vcc 12V の例では逆起電力 140V ものオシロの波形が観測されています。

トランジスタ技術SPECIAL (No.88)

参考図書2-----------------------------------------------------------------------------------------
P201 8.5章 トランジスタ・スイッチング回路の応用 というセクションにて リレーを駆動する回路という説明で,逆起電力の詳しい説明があります。リレーにつける保護用のダイオードを、フライホイールダイオード・還流ダイオードと呼んでいます。

定本 続トランジスタ回路の設計―FET パワーMOS スイッチング回路を実験で解析

2010年7月15日 (木)

Active Loop Filterのはなし

Active Loop Filter とは
PLLのコントロールループのフィルタで、CRだけのパッシブフィルタでなく、OPアンプを使ってゲインを持たせたり、出力電圧・電流を大きくして性能を上げたフィルタ回路です。
ハード的には
Actfil
 図はActive Loop Filterの回路例ですが、高速なECLなどを使った位相比較器から出る信号は、比較周波数よりも高い周波数のパルスですので、終端抵抗を直近で繋げ初段のフィルタ回路まで長く引き延ばさない点が重要です。どうしても延長したい場合はフィルタの後(ここでは330PFの点)で延ばすか、終端前のラインをストリップラインにして延長するようにします。
 また、OPアンプの入力はインピーダンスが高くなっていますので、この接続ラインは出来るだけ狭い範囲かつ短くして、外来ノイズから守ります。必要に応じてGNDでガードしたり、出力に繋がるC(0.1uF)の電位でガードしたりします。
 回路図上では表現していませんが、OPアンプの電源は直近に0.1uF程度と10uF程度のケミコン(セラコンでも可)をつけ、電源からは10Ω〜50Ω程度のフィルタ用の抵抗をシリーズに繋げて低域の電源ノイズ混入を防ぎます。
 出力にはVCOの特性によってさらに直列にRを入れC(1000PF程度)でGNDに落として高域のフィルタ回路を追加すると効果的な場合がありますが、あまり大きな時定数にしてもOPアンプでの全体のフィルタ性能が変わってしまうので注意が必要です。
ソフト的には
PLL ICにはチャージポンプの電流値を変更できる機能をもったものもあります。ロック後の位相ノイズ性能を上げたい場合はこの電流を少なくしてみるのも効果的でしょう。
参考図書


2010年7月14日 (水)

P-P と RMSのはなし

P-Pと RMSとは
[Peak to Peak ]ピークからピークの値と[Root Mean Square]実効値の関係を書きます。
Pp_rms
ハード的には
右図にあるように高周波のP-P値は正弦波の波形で正の最も高いところと、負の最も低いところの間の最大値を示しています。
 DCアンプなどでは電源電圧がこの P-P以上なければ波形がクリッピングしてしまいますし、飽和領域に近くなるにつれてピークが伸びなくなりますので、このピーク値を考慮することは大変重要です。
 RMS値は正弦波の半サイクルの面積を四角形に直した時の高さです。 Vrms = ( Vpp÷2)÷√2 で計算されます。この値がいわゆる実効値で電力を換算する時に用いる値です。

 それでは一例にインピーダンス50Ωの標準伝送ラインに 5V P-P のときの電力を求めてみます。
Vrms = ( 5÷2)÷ √2 = 1.77V

50Ωですから電力Pは
P = E x I = E x E/R = 1.77 x 1.77 ÷ 50 = 0.0625W
約 63mWとなります。
 高周波電力でよく使われる dBmに変換すると、 50Ω負荷で 1mW 時が 0dBmなので 63mWでは 63倍となります。よって計算式は
P(dBm) =10 x Log( 63) =10 x 1.799 = 18 dBm
約 18dBmと計算できます。
ソフト的には
 この例からちょっと考えてみても 5V電源のRFスイッチで中間値でバイアスしている時は5Vp-p以上の信号はクリップされるので、電力的に考えて +18dBm以上の信号は通せないことになります。(バイアスがGNDレベルで伝送した場合は正のサイクルが5Vなので 10Vp-p となり、+24dBm程度となります) 実際にRFスイッチなどは P1dB,P0.1dB など1dBや 0.1dB飽和するレベルを規格でうたっていますので、データーシートをよく確認してください。

2010年7月13日 (火)

SMDチップセラミックコンデンサーのサイズのはなし

SMDチップセラミックコンデンサのサイズについて
周波数特性などを書いてきましたが、ここではサイズ別の特性について書いてみます。
ハード的には
ちょっと前までは 1608サイズ( 1.6mm x 0.8mm )が主流でしたが、今は携帯電話など 1005ではなく、0603ぐらいが主流のようです。(0402が出てきたりしますが..) C_size Apple の iPhone4になって、むやみに小さい部品にするのではなく、他のICと高さが同じなら大きな部品も積極的に使っているようです。それにはサイズによって小さくすることのデメリットがあるのでしょうか?
 1つめはサイズが小さければ寄生インダクタなどが減りますから、周波数特性が良くなる点が上げられます。右図上2つの図は 22PF/100PFのインピーダンス特性ですが、やはり 0603のほうが高い周波数で共振していますが、1005 と 1608はほぼ同じです。しかしながら、周波数が違うと小さいからといってインピーダンスが低くなるわけではありません。22PFの1.5GHz付近がよく分かります。共振する値を選ぶ必要がありますね。
 2つめはサイズの違いによる最大印加電圧の影響です。小型大容量の高誘電率系のセラミックコンデンサー{class2]はDC電圧を加えると容量が大きく減ります。DC Bias Char.のグラフで明確なように、サイズが小さいと当然最大印加電圧も下がりますので、それに応じて最大印加定格電圧付近では50%以上も容量が減ってしまうのです。6.3Vの定格なので 5Vの場所なら大丈夫と思っていましても、実は容量が半分しか無くなっているということです。また他にも温度などで容量が減る傾向がありますので、すこし大きめのサイズで定格電圧の大きいチップコンデンサーを余裕持って使うことがノイズを減らす工夫なのかも知れません。
ソフト的には
0402などかなり小さなコンデンサは寄生インダクターが少なくてさらに良好かと思われますが、ESRが逆に悪くなっており、高周波での使用やロスが問題な部分はそこそこ大きめのサイズを使う方が良いようです。

2010年7月12日 (月)

ECLの使い方のはなし

ECLの使い方
El32ECLは当初 0Vと -5Vでの使用が普通でしたが、特に高速アナログICなどとの接続には不便ですので最近はPECLモードといったVee = 0V ,Vcc=+5V という使い方が推奨されている ECLがON-SEM の MC10EL /MC100ELシリーズなどあります。
ハード的には
代表的な1/2分周ロジックICのピン配置図を右に示します。差動入力、差動出力になっていますので、特に入力インターフェイスが重要ですので以下解説します。また、内部閾値電圧 VBB が出ているICもあり、これを使ってバイアス回路の簡素化もできます。
Ecl_use VEEを0VにVccを+5Vに接続して使用します。 RESETはHighでアクティブなので通常は GND(0V)に接続します。+5Vで動作させる場合閾値は約3.6V程度になりますので、通常の5Vロジックよりも高めになりますし、High/Lowの振幅幅が800mV程度と小さいのでDCレベルのマージンには注意が必要です。
 入力は差動出力と接続する場合はそのまま各々接続すれば問題ないですが、インピーダンスを下げるために抵抗を入れてドライブします。マッチングを気にしない低い周波数や短い配線では単純に220Ω程度でプルダウンします。(Normalを参照)
 また50Ωの伝送ラインで接続する場合は終端に 50Ωを繋ぎ抵抗でGNDに接続するか、VTT(+3V)のラインに接続します。
 シングルエンドの信号を入力する場合 ICのVBB出力を利用してバイアスし、正入力を+に抵抗でプルアップしコンデンサーでDCカットをして入力することで振幅の小さな信号にも対応できます。これらのVTTやVBBには 0.1uF〜0.01uF程度のコンデンサをGNDに対して入れてインピーダンスを下げておきます。
 また単純に抵抗分割で入力にバイアスをかける方法もあります。比較的近い場所でインピーダンス整合があまり重要でない場合は 3.9K と 5.6Kなどハイインピーダンスで受けることが出来ます。50Ωにインピーダンス整合する場合は R1 = 68Ω、R2=192Ωとなります。
ソフト的には
数100MHzの信号をデジタル的に処理するには ECLしかありません。分周用の専用ICでしたら数GHzの分周も可能ですが、PLL回路などで 1/2とか 1/10と固定で分周したい場合は ECLが簡単で便利です。そんなときは伝送信号のマッチングには注意して、ストリップラインなどを使って設計するようにしましょう。


2010年7月10日 (土)

今月号のトラ技

今月号(2010年8月号)のトランジスタ技術は
「チップ部品・活用全集」ということでこのブログでもよく読まれているコンデンサーの周波数特性などチップ部品に関する情報がいっぱいです。なかでもチップコンデンサーに関しては電圧による容量値の減少や、「あまり小さいサイズは高周波特性がいいが ESRが大きくなっているので、そこそこ大きめの方が良い」など、実用的なアドバイスがいっぱいです。「電源の入出力は0Ωチップで分離できるようにしておく」など、テクニックの項も必読です。先月号(トランジスタ技術 2010年 07月号)の「基板づくりチェックリスト」にもまして内容が濃い。お買い得ですね。

2010年7月 9日 (金)

端面スルーホールのはなし

端面スルーホールとは
Tanmenpcb
高周波プリント基板でGNDインピーダンスを下げるために、デバイス取り付け穴などの端面にメッキをかけて両面パターンの表裏を接続する加工のことです。
ハード的には
上図のようにデバイスの取付け穴の周囲にメッキをかけることですが、注意点としてデバイスの端子がハンダ付けされる部分はメッキをかけないことです。これはこの端までメッキがかかると半田付けでGNDとショートしてしまうからです。デバイス半田付けパターンは通常基板の端から0.2mm〜0.4mm程度パターンを離します。
Pcb5これは部品面のパターンと裏面のパターンに注意が必要です。手順としてはルーター加工でまず外形の一部に穴をあけ、その穴にスルーホールメッキをします。このときに穴の表裏のパターンは必ず銅箔があることが必要です。ないとメッキができませんので、デバイスのつく部分は端子のハンダ付けされる箇所以外は銅箔で埋められます。(一番上の部品面・裏面参照)
 1回目のルーター加工はメッキしたい部分のみの加工になります。端子がない場合はここでは四角い穴加工でOKです。次にメッキ加工してその後メッキが必要ない部分のルーター加工を行います。このときもルータの刃が銅箔にあたりますと端面がギザギザになって不良になりますので、裏面のパターンも端面から0.2mm〜0.4mm程度離れるようにパターンを避けます。(裏面図を参照ください)
 これでデバイスの穴の端面スルーホールが完成しました。
ソフト的には
端面スルーホールはNC加工データー・ルーター加工が1回増えるなどで基板のコストは上がりますが、GNDインピーダンスを下げるには効果的で、特に数GHz以上のアンプには必須と考えます。小さなGNDスルーホールを多く打つことでかなり似た効果は得られますが、ビアはどうしてもインダクタンスを持ってしまうこと、スペースをとること、あまり基板の端にはビアが作れないことなどの制限がありますから小型製品やマイクロ波製品では端面スルーホールが有効でしょう。
 もちろん基板単体でのGND強化は限界がありますので、シャーシへのビス止めをしっかり行います。デバイスのまわりは基板が浮きやすいので、多めに止めるのが安全ですね。

2010年7月 8日 (木)

ショットキーバリアダイオードのはなし

ショットキーバリアダイオードとは
[Schottky diode]で通常のPN接合のダイオードでなく、金属と半導体の接合によるショットキー障壁を利用して順方向電圧を低くできたダイオードで、高周波回路の検波・ミキサーや大電流のスイッチング回路などに利用されています。Rohm社東芝セミコンダクター社ルネサスなど多くの会社で生産されています。
Shotkey
ハード的には
ショットキーダイオードは正孔(少数キャリア)を使わず、電子のみの流れ(多数キャリア)を利用しているので動作が高速で、スイッチングや検波に利用されます。また通常のダイオードの順方向電圧0.6V程度より遙かに小さな0.2V〜0.3V程度でONしますので、DBM(ダブルバランスドミキサー)などに用いられ、小さなLocalレベルで効率よく動作することが出来ます。しかしながら一般的に逆電圧が低く、高周波用では6V程度のものもありますので使用には注意が必要です。整流用などは200V耐圧、15A程度流せるものもありますので、インバータの整流用など高速応答で電力損失が少ないので多く利用されます。
S00
 右図はTTLゲートIC 7400 の高速版 74S00の内部回路です。ショットキーダイオードを使用しているのがトランジスタの中央線で分かります。74S00の Sは ShotkeyのSですが、のちに LowPower Shotkey タイプの 74LS00タイプに置き換わっています。
ソフト的には
小信号から大電力まで広範囲に使われているショットキーバリアダイオードですが、逆電圧をかけた時に結構電流が流れます。定格電圧で0.5mA程度、温度が上がると増える傾向です。

2010年7月 7日 (水)

同軸コネクターのはなし

同軸コネクターとは
各種のRF信号を入出力するコネクタで、測定器や高周波パワーアンプに使われるコネクターについて調べてみました。
ハード的には
同軸コネクターは大きく分けて以下の様な種類が上げられます。
20100707_101420上記はMECという会社の製品スペックから引用した表ですが、日本の通常のスペックよりかなり良いので限界値として考えても良いかと思います。使用周波数などは使用する製品のスペックで確認することが必要です。コネクタ製品の詳しいスペックを載せているのは、RADIALL社やヒロセ東洋コネクターなどがあります。
 たとえば SMAコネクタについても通常の中央ピンを半田付けするタイプの VSWR は以下のような特性です。
Sma_pin
15GHz以上はかなり悪くなってしまうのが分かります。
しかしながら、SMAオスには NO-PIN用としてセミリジッドケーブルの中央導体をそのままピンとして使うものがあります。この特性は下図のように導線とピンの不連続性がないためかなり良好な特性をしています。
20100707_101110
 このように、コネクターはコネクタ単体だけでなく接続するケーブルによってもロスが発生しますので、その使用限界はいちがいには求められません。しかしながらある程度の限界を知って、コネクタ選択を行うのが正しいと考えます。
ソフト的には
あるカスタムの終端(ダミーロード)が定格 1KW となっていたにもかかわらず、コネクタが N端子でした。実使用は 100W程度でしたので使用には問題ないですが、この場合はやはり SC か 7-16 DINを使用してほしいと思いますね。


2010年7月 6日 (火)

Sample Holdのはなし

SampleHoldとは
信号のある時期をサンプリングしてその電圧をホールド(保持)する機能のこと。代表的なICにナショナルセミコンダクターのLF398などがあげられます。
ハード的には
Lf198Lf398a右図のように内部にスイッチを持った2つのOPアンプで構成され、Chで示されるホールドコンデンサーに電圧をチャージします。Logic INPUTにHighが入っている期間のみ信号がスルーで伝達し、その間コンデンサにチャージ・ディスチャージされます。正確にはサンプリング期間の積分値(コンデンサが小さければ、ほぼサンプリング終了した時の値)となりますので、最大レベルが保存される、ピークホールド回路とは異なります。FET入力のOPアンプを使用していますので、1uF程度のChで 5mV/分の性能がありますので、パルス出力の波高電圧を検出するなど様々な分野に応用されます。Chは大きくすると保持時間を長く取れますが、逆にチャージするための時間もかかるようになりますので、サンプル期間や周期との兼ね合いで最適値を決定する必要があります。またサンプルした電圧をリセットしたい場合は外部でトランジスタなどを追加してこのCh をショートして電圧を 0V にするか、入力電圧がない時にサンプルしなおす必要があります。Transient
 また、このICを使用する上で注意しなければならない点を上げますと、サンプル開始/終了時のトランジェント動作があります。図はデーターシートに記載されているグラフですが、サンプル開始から約0.5uSはヒゲのように短いパルスが出力されこの間は入力がなくても出力されてしまいます。レベルホールドが主体な用途でしたら0.5uS程度サンプル開始を早めればよいので問題は少ないかと思われますが、同期信号をもらえず早めのサンプリングパルスを生成できない場合はパルス幅によって測定誤差が生じる可能性があります。
ソフト的には
「サンプルホールドの性能がよいのに、パルス幅が狭くなるとホールド値がずれる」なんてことがありました。調べてみると前段のOPアンプに4558タイプの普通のオペアンプを使っていました。スルーレートが低いため、信号自体の立ち上がりがナマって短いサンプリングでは電圧が上がり切れてなかったようです。全体の動作スピードの確認やレベルにも注意しましょう。


2010年7月 5日 (月)

Phase Shifterのはなし

Phase Shifter とは
位相調整器と呼ばれ、IQ変復調でのベースバンド信号の位相を調整してキャリアサプレッションを調整したり、複数のアンプを合成する時に位相を合わせる働きなどをします。
ハード的には
あまり広帯域でない場合は、90°ハイブリットとバリキャップダイオードを使ったPhaseShifterが良く用いられます。Ph_shifter90°ハイブリッドの入力からの信号を加え、0°/90°の出力端子にバリキャップダイオードを入れ、Cによってすこし位相が遅れた信号を反射させます。ISO端子には反射した信号が合成されますので、この信号を出力として使用します。 ここで重要な点はCの容量によって位相だけが変われば理想的なのですが、Cが多くなるとインピーダンスが下がり50Ωに近づくに従って反射信号が少なくなります。よって電圧が低いあたりは位相の変化が大きく使いやすいですが、出力レベルも変化しやすいので、注意が必要です。使用する前に電圧と位相・出力レベルを確認しておくことが必要です。
Pe8200_dp
さらに高周波で使用したい場合は半固定でよければ PhaseTrimmer などというSMAコネクタアダプタの形をしたものもあります。18GHz程度まで使用でき、ロスも少ないことから、パワーアンプの位相調整などに使用されます。
Ph_trimmerjSMA型のオスコネクタでフェーズトリマの機能を持ったものもあり、コネクタなので比較的安価です。
ソフト的には
電圧が高いあたりはバリキャップの容量変化特性からも位相変化が少なく、APDの位相合わせの用途など、あとちょっと変化量がほしい時に足りない時もあります。低い電圧付近はあまり使用しないので、マイコンのD/Aポートに3V位のツェナーダイオードをつけてシリーズに数KΩで10Vくらいにプルアップすれば、 0 -5 V の変化が 3 - 8V 程度までかさ上げできます。オペアンプを使うのが正統派ですが場所がなかったり、ちょっとした実験での確認ならばOKでしょう。


2010年7月 2日 (金)

ツェナーダイオードのはなし

ツェナーダイオードとは
[Zener Diode]で定電圧ダイオードと呼ばれています。
Zener
普通のダイオードは逆に電圧をかけると殆ど電流が流れませんが、ツェナーダイオードはある一定の電圧で電流が急に流れ始めますので、それを利用して安定な電圧を発生させる用途に使用されます。記号ではカソードの線にカギが出て通常のダイオードと区別して表示します。
ハード的には
一般のダイオードでも逆方向に高い電圧をかけるとアバランシェ降伏とよばれる急に電流が流れる現象がありますが、ツェナーダイオードは通常より不純物を多く入れた半導体製法で作られ、1.2V程度から数10Vまでの低い電圧になるように調整されたものです。Zeneravr右図はツェナーダイオードを利用した簡単な定電圧回路です。単独でツェナーダイオードとRをシリーズにつなげれぱ、ダイオード間に安定な電圧を得られますが、この回路でリッブルフィルターのトランジスタのベースーGND間にツェナーダイオードを入れて安定な電圧出力、出力電流を増やすことが出来ます。ここで使用上の注意があります。
1)温度安定度の問題 ツェナーダイオードには温度係数があり、電圧によって変動特性が違います。5〜6Vを境に電圧が高くなると正の係数、低くなると負の係数を持っています。単独で使うには、5〜6Vのものが温度に安定ですが、右の回路例はトランジスタのVbeが関係するのでその点も考慮する必要があります。
2)雑音の問題 ツェナーダイオードはアバランシェ降伏を利用していますので、電子の流れの雑音が広範囲に発生します。特に流す電流が少ない時にノイズ電圧が大きくなる傾向があるので、安定化電源に使う場合は電流を十分流し、ノイズを抑えるコンデンサを並列に接続して使います。
3)流す電流に注意する 温度係数を考慮したダイオードは安定な電流領域があります。流す電流が多すぎると温度係数が変わるだけでなく、内部の発熱で温度変化が変わったり、負荷変動時に高温になったりしますので、特に高い電圧から低い基準電圧を作るなど単独で使用する場合、負荷電流の変動を考慮してシリーズの抵抗値を決定しましょう。
ソフト的には
比較的低い電圧では最近は基準電源ICが各社から出ています。TIナショナルセミコンダクターなどコンパチな製品も多いので、精密な電圧が必要な場合に有用です。しかしながらツェナーダイオードは電圧レベル変換などにも多く使用されます。0-5Vの変化を100V-105Vの変化にレベルシフトさせたいなどの場合には簡単で抵抗を使うよりも低インピーダンスで駆動できますので有効な使い方です。
参考にした本

2010年7月 1日 (木)

RFATTのはなし

RF ATTとは
高周波信号レベルを調整するアッテネーター(減衰器)です。個別素子を使った回路から簡単に使えるICなど各社から発売されています。
ハード的には
Pinatt
1) PINダイオードを使ったもっとも簡単なATT回路です。PINダイオードは電流を流すにつれてRF抵抗値が減少します。直列抵抗で電流を制限し、インダクターでRF信号との干渉を防いでいます。大きな減衰量は期待できませんが比較的簡単な回路で実現します。ダイオードの特性上温度変化に敏感ですので温度に対しての補償が必要です。
Hyb_att
2)比較的狭帯域で使用する場合には、90°ハイブリッドとPINダイオードを使ってATTを構成できます。回路は90°ハイブリッドの入力端子を入力に、ISO端子を出力とし、0°と90°出力端子にPINダイオードで接地します。出力のPINダイオードのインピーダンスが50Ωになるコントロール電圧の時に減衰量は最大になります。これは入力信号が反射しないので ISO 端子に戻らないためです。それ以外の電圧では反射が生じてISO端子に信号が出てきます。このとき電圧が少ない部分はバイアスが少ないため、入力信号が大きくなった時にダイオードの電流が変化して歪む恐れがあります。
Hmc346
3)GaAsFETを使った ATTICは Hittite社 などが有名ですが、DC-8GHzの範囲で 30dB以上の可変幅があり、応答速度も高速です。しかしながらマイナスの電源やコントロール電圧が必要なので、回路構成に注意が必要です。せっかく高速なATT ICですが、電圧変換のOPAMPに低速なICを使ってしまうと性能が出なくなるので選定には注意が必要です。
 最近は単電源でコントロールできるICも増えてきましたので、最新情報をチェックしましょう。
ソフト的には
これらのアッテネーターはコントロールする電圧と減衰量がリニアでないのが普通です。D/Aコンバーターなどでコントロールする場合最小コントロールステップを良く検討してBit数を選定しないと、必要な領域で分解能が出せないなんてことが起きます。最低でも 10BitぐらいのD/Aでコントロールすると安心ですね。

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