ECLの使い方のはなし
ECLの使い方
ECLは当初 0Vと -5Vでの使用が普通でしたが、特に高速アナログICなどとの接続には不便ですので最近はPECLモードといったVee = 0V ,Vcc=+5V という使い方が推奨されている ECLがON-SEM の MC10EL /MC100ELシリーズなどあります。
ハード的には
代表的な1/2分周ロジックICのピン配置図を右に示します。差動入力、差動出力になっていますので、特に入力インターフェイスが重要ですので以下解説します。また、内部閾値電圧 VBB が出ているICもあり、これを使ってバイアス回路の簡素化もできます。
VEEを0VにVccを+5Vに接続して使用します。 RESETはHighでアクティブなので通常は GND(0V)に接続します。+5Vで動作させる場合閾値は約3.6V程度になりますので、通常の5Vロジックよりも高めになりますし、High/Lowの振幅幅が800mV程度と小さいのでDCレベルのマージンには注意が必要です。
入力は差動出力と接続する場合はそのまま各々接続すれば問題ないですが、インピーダンスを下げるために抵抗を入れてドライブします。マッチングを気にしない低い周波数や短い配線では単純に220Ω程度でプルダウンします。(Normalを参照)
また50Ωの伝送ラインで接続する場合は終端に 50Ωを繋ぎ抵抗でGNDに接続するか、VTT(+3V)のラインに接続します。
シングルエンドの信号を入力する場合 ICのVBB出力を利用してバイアスし、正入力を+に抵抗でプルアップしコンデンサーでDCカットをして入力することで振幅の小さな信号にも対応できます。これらのVTTやVBBには 0.1uF〜0.01uF程度のコンデンサをGNDに対して入れてインピーダンスを下げておきます。
また単純に抵抗分割で入力にバイアスをかける方法もあります。比較的近い場所でインピーダンス整合があまり重要でない場合は 3.9K と 5.6Kなどハイインピーダンスで受けることが出来ます。50Ωにインピーダンス整合する場合は R1 = 68Ω、R2=192Ωとなります。
ソフト的には
数100MHzの信号をデジタル的に処理するには ECLしかありません。分周用の専用ICでしたら数GHzの分周も可能ですが、PLL回路などで 1/2とか 1/10と固定で分周したい場合は ECLが簡単で便利です。そんなときは伝送信号のマッチングには注意して、ストリップラインなどを使って設計するようにしましょう。
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