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2010年6月19日 (土)

RF IC AMPのはなし

RF IC AMPとは
MMICとも呼ばれますが、SOT-86やSOT-89とよばれる小さなプラスチックパッケージのICで単体・単電源で使えて DC〜6GHz程度の周波数の増幅が出来て便利なアンプです。Ag40386Ag4038ゲインは 10dB〜 20dB P1dB出力で標準で +10〜 +24dBm パワー用が +30dBm程度までのラインナップがあります。メーカーではTriquint(旧WJ)RFHICなど各社からピンコンパチブルな製品も含めて提供されています。
ハード的には
Ag403schema GaAs や InGaP などの半導体を使った HBT(ヘテロ接合トランジスタ)で、ドレイン端子に 5V程度を供給するだけで良く、マイナス電圧のバイアスが不要なことから大変使いやすく出来ています。しかしながら高周波デバイスですので流れる電流は 80mAから150mAなどかなりの電流が流れますので、使用する電源電圧によって電流制限用の抵抗の値やW数など、注意して使用することが必要です。また、見落としがちな点としてドレインに電流を供給するインダクタですが、小さな値では問題ないですが比較的低い周波数で使う場合、SMDインダクターなどは電流があまり流せなくて電圧がドロップするものがありますので注意が必要です。
Ag403gain
 広帯域に使えるとはいっても、使用例はあくまで狭い周波数帯域なので周波数によって結合のコンデンサーやドレインのインダクターを変えます。周波数によっては入力にインダクターを入れたりしてマッチングをとるなど使用回路例に指示がありますので参考にしましょう。広帯域で使うとどうしても図のようなゲインの変化がありますので、入出力間に抵抗とコンデンサをシリーズにつなげた帰還回路をつけて周波数特性を改善します。
ソフト的には
ICはかなりの熱が出ますので、SOT-89の中央電極のGND半田部分にはスルーホールを10個程度付けて裏面にも熱を伝導させ逃がします。入出力はRF信号ですからストリップラインで計算してパターン設計します。
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コメント

こんにちは、先日は指導ありがとうございます。別で広帯域アンプを試作してますが発振して進まず。改善策を教えていただけたら幸いです。

半導体、ミニサーキット ERA-50SM 電源VCCは12V、電源の抵抗はデータシートで110Ω、チップ抵抗が無いので普通のカーボン1/4W、データーシートにはL値が無いので、抵抗リードタイプみたいな物の4.7uHでやってます。
パスコン、104,103,102,追加で100p,10pFでも変化無し、

発振周波数は、700Mhz帯前後に出ます。電源電圧を5Vにすると発振は無くなりますが、増幅しません。

やはりチップ抵抗、チップインダクタンスの方が良いのか?L値の決め方が不明です。
以上 よろしくお願いします。

投稿: LM337 | 2022年9月26日 (月) 16時11分

増幅を希望する周波数はどれくらいでしょうか?
ピンポイントで増幅したいなら比較的簡単です。このようなICの場合は出力のインダクタがその周波数の1/4波長になるくらいの長さで空芯コイルを作ればよいのですが、4.7uHでは大きすぎるかも知れません。
1)発振が起こるのは出力が入力に回り込むからなのですが、入力や出力ののインピーダンスが高かったり(マッチングがとれていない)すると起きやすいです。空中配線では無くストリップラインや両面基板を使ってコネクタと接続する。コンデンサーも100P+1000P位並列でカップリングする。
2)出力のコイルを空芯コイル+GNDコンデンサ +4.7uF+GNDコンデンサなど⒉段でデカップリングする。
3)470Ω +100P(要調整)のシリーズで負帰還として入出力につける。
4) 電圧は 12V をキープ
5) とにかく GNDをシャーシにビス止めなどして強化する。

投稿: SUDOTECK | 2022年9月26日 (月) 16時35分

御指導ありがとうございます。希望周波数は、30Mhzから900Mhzぐらいの帯域です。

穴の開いたユニバーサル基板ですが、これが悪い? 入出力のラインは、どちらも1cmぐらいありますが、ここを同軸ケーブルにすれば良いのでしょうか? インピーダンスは合ってないと思います。

出力コイルは無いです。MMICアンプの電源VCCが出力端子です。VCCのLで高周波カット、C付けてDCカットの出力のようです。

アイデアとして入出力に3dBのATTを付ければ整合は大体合う?が、出力が6dBロスでしょうか。。


投稿: LM337 | 2022年9月26日 (月) 17時45分

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