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2010年6月17日 (木)

RFデテクターのはなし

RFデテクターとは
[RF Detector]で高周波信号を検出するための検波器です。高周波レベルをアナログ値に変換して、電波の出力の大きさや変調波形などを観測するのに使われます。
ハード的には
検波器にはその動作上2つのタイプがあります。1つは LT5534のように「Log検波器」と呼ばれ、内部に増幅器を多段用いて微小な信号から検出でき、dBmで示される電力値と電圧が比例します。Detector
もう一つがLTC5535のように[リニア検波器」と呼ばれ、比較的検出レンジが狭いですが、入力される電力(mW)にたいして出力電圧がリニアに出力されます。
アナログのパワー計などを駆動するのに適しています。
また、このタイプのリニア検波器は検波にショットキーダイオードなどを使っているものは変調信号を正確に検波するので、高周波信号の平均値だけでなく、ピーク値を測定する用途にも使われます。
Ltc5535_2
 また、検波器の中にはRMS検出回路を用いて、変調波形によらず真の実効電力を検出できるアナログデバイスのADL5501のようなICも開発され、CDMAや OFDMなどピーク成分の多い信号に対しても正確な実効値を測定することが出来ます。
TruepowerこれらのICには外付けフィルタ回路も用いて、低周波の変調信号にも対応できますが、逆にフィルタを使わず数10nSの高速なパルス信号も検出できます。
ソフト的には
 高速なパルス信号を検出しようとする場合、注意が必要なのは検出信号を増幅するOPアンプの選定です。せっかくデテクタICで高速に検出してもOPアンプのスルーレートが低いために立ち上がりがなまってしまうこともあります。できればレールトゥーレールOPアンプを使用して電源電圧目一杯を有効に使えるようにしましょう。
ICリスト
各社デテクターICのリストはこちら


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