« アンバッファゲートICのはなし | トップページ | 90°ハイブリッドのはなし »

2010年6月 2日 (水)

コンデンサーの温度特性のはなし

コンデンサーの温度特性とは
コンデンサーには容量誤差としてランクがありますが、±1%ならば F 、±5%ならば J 、±10%ならば K と容量値の後に記載されています。それでは温度特性はどうでしょう?
ハード的には
セラミックコンデンサーは 容量表記の後に CHや B特 、F特などと呼ばれています。下図はそれらの温度特性の例です。
C_temp
セラミックコンデンサーの CH特性は主に100PF以下の小容量で使われ、温度特性の良好なものです。続いてB特性、これらは 100PFを超えて 1000PF程度まで用いられます。それ以上はほとんど F特で、高温・低温で容量が減りますので、時定数を作るような場所には使用できません。
 そのような大容量ではフィルムコンデンサーを使用します。おおむね数百uFまで利用でき、温度精度は+1%(低温時)-3%(高温時)程度になっています。
 電解コンデンサーについては、通常のアルミ電解コンデンサーは電解液という液体を使っていることから温度による劣化は避けられません。低温時には半分近くなりますし、容量だけでなく内部抵抗が増大します。このような不都合を改善させるために電解液の変わりに導電性高分子を使ったOSコンが開発されました。低温での容量・内部抵抗の落ち込みが改善されています。タンタルコンデンサーも温度特性は良好ですが、劣化時破壊モードがショートになるので、電流を流す電源のデカップリングには使いにくいです。最近内部にショート防止のヒューズが入った物も出来てきました。
ソフト的には
コンデンサーは同じ容量でも沢山の種類があります。SMD型セラミックコンデンサーだけでもサイズ別や温度特性別、厚さの薄いもの、大容量小型のものなど品番を指定するのも大変です。購入にしても容量が大きくても大量に売れている製品は飛び抜けて安価の場合があります。メーカーによっても互換性が比較的あるのでサイズ・容量と精度が合っていればと、選びがちですが温度特性にも注意願います。

|

« アンバッファゲートICのはなし | トップページ | 90°ハイブリッドのはなし »

アナログ」カテゴリの記事

コメント

チップ積層セラミックコンデンサの進化は目をみはるものがあります。
現在では、104という大容量CH特性品がそれほど特殊でも高価でも無くなってきており、特に高性能を追求する回路では役立つこともあります。

投稿: | 2011年1月26日 (水) 21時43分

コメントありがとうございます。
探してみたのですが、MURATAで
3216 タイプ GRM31C2C1H104JA01L で 0.1µFがみつかりました。
2012 では GRM21B2C1H223JA01L で 0.022µFまでですね。
 GRM21B2C1H223JA01Lは、チップワンストップで @¥7.3/3,000個でした。
他社製品でご存じでしたら、是非ご紹介下さい。

投稿: SUDOTECK | 2011年1月27日 (木) 08時37分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: コンデンサーの温度特性のはなし:

« アンバッファゲートICのはなし | トップページ | 90°ハイブリッドのはなし »