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2010年6月23日 (水)

グラファイトシートのはなし

グラファイトシートとは
[GRAPHITE SHEET]で、黒鉛をシート上に生成したものでデバイスの放熱に利用されます。最近ではノートパソコンの内部に使用してCPUの熱を全体に拡散し、ケースの一部が高温になるのを防ぐなどの効果があります。
ハード的には
GrafitePanasonicの“PGS®” グラファイトシートや大塚電機の高熱伝導 グラファイトシートなどが製品化されていますが、厚さ0.025mm〜0.5mm程度まであります。柔らかい構造なのでデバイスと放熱板の間に敷いて接触面を安定させると共に、横方向の熱伝達が優れているので、デバイスの発熱中心部から外周まで熱を効率よく拡散してくれます。黒鉛を固めたものなので種類によっては厚いシートは端からボロボロと崩れやすいものもありますが、Panasonic製のものはフィルム性で強く、薄くても丈夫ですが、かなり高価です。あくまでの横方向への熱拡散がメインなので放熱板の取り付け部が荒くても良いと言うわけではありませんので、加工の平坦度指定を忘れないでください。
 グラファイトシートは従来シリコングリスなどで放熱・伝導させていた時に起こった、グリス乾燥による熱伝達性能劣化を防ぐことが出来ます。他に主に厚さ方向に伝導度が優れた大塚電機のマニオンαなどがありますが、電気伝導率がグラファイトシートに比べて良くないので、数GHzで使用するデバイスには使用が難しいと考えます。厚さが1mmまでありますのでデバイスの上側に接触させて放熱するCPUやGPUなどへの利用が良いかと思われます。
ソフト的には
放熱についてはRFパワーアンプでは大変重要なテーマです。通常でも30%、リニアリィティを求めるA級アンプでは 10%以下の効率のアンプが多く、仮に 100Wのアンプでは 1KW近くが熱となって放熱されなければなりません。どんなに熱伝導率のよい素材を使って放熱してもセットの外部に熱を排出するしくみが効率よく働かなければやがて全体が高温となってしまいます。熱による温度上昇でアンプの位相が変わったりするのがシビアな場合は水冷などを検討したほうが良いでしょう。


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