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2010年6月 8日 (火)

LDOレギュレーターのはなし

LDOレギュレータとは
[Low DropOut ]レギュレターで、いわゆるリニアレギュレーターの中で入出力差が少なくても動作する電源ICです。入出力差が少ないと言うことはICの損失(発熱)が少なくできるので、小型化には有用ですが、普通の電源ICと同じように使ってもうまく動作しない場合があります。
ハード的には
LDOレギュレーターは制御のためのトランジスタに NPN のエミッタ出力でなく、PNPのコレクタ出力を使ったり、FETを使ったりします。これによって制御電圧が低くできたり、動作時の電圧差が少なくてすむようになりました。回路的には電源ICのはなしを参照ください。
Avr
図は通常のレギュレターIC uPC7805 と LDO のuPC2905 の推奨回路です。大きく違うのは出力側のコンデンサーです。通常は単に 0.1uF程度を付けて高域での出力インピーダンスを下げて使えばいいのですが、LDOの場合は大きな電解コンデンサーが要求されています。 これはLDOのコントロールの動作に原因があり、エミッタフォロアと違って電圧を下げるにはコレクタ<->エミッタ間の抵抗値を上げて行うので、出力電流によって出力インピーダンスも大きく変化するからです。ですから電流が少ない時はインピーダンスが高くなるので比較的大きなコンデンサーを入れないと出力が変動してしまいます。また、ESRの小さいセラミックコンデンサーなどを使うと、電流が流れた時に高周波域で位相が変化して出力インピーダンスにピークが生じ、発振してしまします。Rohmなどでは LDO IC の資料に出力コンデンサーの ESR は電流にもよりますが、おおむね 1Ω以上 600mA時で 10Ω以下などと指定されています。セラミックコンデンサーなどでは0.1uF程度でも 1Ωを割り込む周波数が数10KHzでありますので、性能がよいからといって大容量のセラミックコンデンサーを使えばいいかと思うと、簡単に発振したりしますので、データーシートに従い電解コンデンサーなどを使う必要があります。
ソフト的には
最近のLDOICではこの対策がなされ、「セラミックコンデンサーOK」という製品も増えてきました。簡単な三端子電源だといっても使い方で思わぬトラブルが発生します。データーシートはトラブル防止のマニュアルでもありますので、きちんと確認しましょう。


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