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2010年6月 1日 (火)

アンバッファゲートICのはなし

アンバッファゲートICとは
 CMOSゲートICシリーズの中で、1段だけのCMOSプッシュプル構成のICシリーズを74HCUXXシリーズと呼んでいます。[U]の意味は UnBuffer ということで、1段だけで波形整形バッファーがないという意味です。
ハード的には
Hcu右図は 74HCU04のアンバッファーインバーターの1個分の回路です。
 単純にコンプリメンタリプッシュプルのCMOS構成と入出力に保護ダイオードと抵抗があります。このため、CMOSの閾値付近の特性が緩やかになっているため、アナログ的な使用が出来、特に発振回路などは30MHz程度まで十分に発振できます。
 もうすこし高速な周波数で使いたい場合は 74AHCU04 などを検討すると良いでしょう。
実際に1個の74AHCU04でFMワイヤレスマイクを製作した例がRF (アールエフ) ワールド 2010年 06月号に紹介されています。
右図はXosc74HCU04を使った水晶発振回路です。この回路は 74HC04,74AC04などでも使用可能で、周波数によってはRXを数100Ω程度入れたりして水晶のオーバートン発振にも使われます。電源回路のデカップリングには 1000PFと 0.1uFの両方のコンデンサを入れておくと安心です。
また、このような高周波だけでなく、オーディオ帯域でも使用可能でゲートを複数パラレルに接続することで出力電流を増やすことが出来ます。Audamp下図は3個パラレル接続してステレオのヘッドホンアンプにした例です。(図は 1CH分)電源は 5Vですが、デカップリングに 0.1uFと 100uF程度入れておくと安心です。
ソフト的には
ゲートICといっても中身はアナログのデバイスの組み合わせであることを忘れないでください。特に高速な周波数を扱う時には、ICの入力インピーダンスはDC時の高インピーダンスでは無くなりますのでCAD配線、パターン設計はマイクロストリップラインのインピーダンス整合を考えるなど、工夫が必要ですね。


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