VCOのはなし2
VCOについて
今回は回路的な話にします。
ハード的には
右図はVCOの回路の1例で、クラップ発振回路と呼ばれています。この回路の入力Vcは抵抗を介して2つのバリキャップダイオード(バラクタダイオード)につながっています。2つ向かい合わせについているのは発振器による発振の振幅が揺らいだ時(振幅雑音)に容量変化を軽減して周波数の雑音にならないようにするためです。容量的には直列に繋ぐので半分の値になります。
この回路は出力がエミッタがら出るので比較的出力インピーダンスが低くでき、負荷変動に安定ですが、実用的にはこの後1段のバッファーアンプを付け、さらにこの結合のコンデンサを数PFまで小さくして負荷やバッファトランジスタの変化を受けないようにします。
もちろんこのVCOの電源にはリップルフィルターを使います。
コントロール電圧を加える抵抗にはインダクターを使う例もありますが、広帯域のVCOにする場合や、周波数が高い場合このインダクターが共振して思わぬ発振トラブルが出る場合があります。低い周波数では比較的問題が無い、発振回路のQが高くなるなどのメリットがありますので、用途によってはインダクターも有効です。このコントロール端子のGNDへのコンデンサは貫通コンデンサなどで、ケースに出す場合には有効でしょう。
ソフト的には
VCOのはなしにも書きましたが、電気的な安定性はもちろん、物理的にもしっかりとしたシャーシにつける、シールドケースも堅いアルミか鉄板にするなど、振動対策にも注意が必要です。
基板取り付けもコイルやバリキャップまわりにはビス止めしてしっかりと基板がとまっていることが大事ですね。
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