TRでGateのはなし
TRでGateを組むとは
TR[トランジスタ]でGate[論理回路]を組むとは、結構ある話です。アナログ回路とのインターフェイスにはどこかで必ず必要になります。特に14PinのゲートICを入れるスペースが無かったり、1個だけ離れたところに必要な時などトランジスタで組みます。
ハード的には
トランジスタは抵抗でベース電流を流せばよいので、デジタル的に ON/OFFで使うには Vbe( 0.7Vぐらい)以上の電圧がくれば ONします。
入力電圧範囲が変動する場合、例えば 3Vから15Vとかあるのを検出して 5Vレベルに変換することが出来ます。
右図1)はそのような目的で最初に製作して動作OKでした。そして 2)はCMOSゲートICとインターフェイスしようとして途中の反転部分を利用して追加しましたが、思うように動きません。なぜでしょう?
途中で反転しているコレクタを使ったので 5V / 0V が出てくると期待しましたが、実はここに次段のベースが直接繋がっています。トランジスタのベース-エミッタ間はダイオードと同じように 0.7V程度の電圧降下です。これによって引き出した点のコレクタは 0V/0.7Vしか変化しないので、変化してもゲートICの閾値 2.5Vに達しませんでした。 そこで 3) のようにベースに直列に抵抗入れてGNDにも入れました。これでOKな感じですが、計算すると Low時に 0Vは良いのですが、High時は 2.85V(5-Vbe)/2+Vbe と結構ぎりぎりですので、コレクタの抵抗も 4.7Kと少なめにしておきます。
トランジスタを使ったロジックは簡単ですが、各部の電圧やマージンをきっちり計算してベース抵抗・コレクタ抵抗を決める必要があります。
ソフト的には
ある一定の電圧幅でしたら、抵抗で分圧してICの最大入力電圧を超えないように操作できますが、A/D入力ポートでもなければ最適な閾値を設定できません。
速度があまり速くなければOPアンプやコンパレーターなどで比較して出力する事ができますが、電源を高速でシャットダウンしたい、アラームを出来るだけ早く出したいなどの場合はトランジスタを使ったゲート回路が有用です。
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