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2010年5月26日 (水)

RFスイッチのはなし

RFスイッチとは
高周波を切り替えるスイッチですが、ここでは最近使いやすくなってきた GaAs(ガリヒ素)のFETを使ったICを紹介します。
ハード的には
スイッチのバラエティが豊富なメーカーとして Hittite Microwave Co.があげられます。通常の製品で DC〜4GHz 最高では20GHz程度までの製品あり、チップから使いやすい8PinSOPのパッケージがあります。
349pkgRfsw
高周波で使うので、普通のSOPと違い、写真のように裏面にGNDパッドがあります。この半田付けが重要で、手半田で製作するばあいはここに2mmφぐらいのスルーホールを作り、基板の裏面から半田を流し込んで繋げます。

 過去GaAsのスイッチは負の電圧が必要だったり、レベルシフトの回路が必要だったりと使いにくかったですが、最近は図のようにCMOSゲートICでドライブできるので、デジタル回路ともインターフェイスが簡単です。

 注意したいのはスイッチによってこの図のように、2つのコントロール端子を必ず反転状態で使いどちらかのスイッチが必ず繋がっていることが必要なタイプがあることです。
 これは逆に繋がっていない端子はオープンになっていますので、マッチングがとれていないので、高速に切り替える場合には反射が起こって波形が乱れます。そのような高速で切り替えたり、切れている端子もマッチングさせていたい場合は、そのようなタイプのSWを使います。
Ms349_3
 図に示すように内部に50Ωの抵抗があり、オープンになることはありません。また、このようなタイプは2つの出力ともOFFにすることが出来ます。詳細はデーターシートを参照してください。
使用上の注意としましては、ほとんどのICは内部FETのバイアスのため入出力端子に電圧が出ていますので、コンデンサーによる直流カットが必要です。
 ぼぼ電源電圧に近いような電圧が出ていますが、静電気や入力電力オーバー等でICが破壊された時、この電圧が出なくなりますのでちょっとしたトラブルのチェックに覚えておくと便利です。
ソフト的には
 SWにも入力電力の制限があり1dBリニアリティが悪くなる IP1dBが定義されています。また、アイソレーションも表示されていますので、希望のアイソレーションが1個では得られないときは数個シリーズにして切り替えますが、空間的な漏れがおきないようにシールドが必要ですし、電源・コントロールラインから漏れないようにフィルタするのを忘れないようにしましょう。


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