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2010年5月28日 (金)

ビアのはなし

ビアとは
正確には貫通ビア、スルホールビア[Through Hole Via]と定義されます。プリント基板を作成する上では両面基板で信号を伝えたり、GNDを強化する重要な働きをします。
ハード的には
両面基板とか多層基板で各層の信号を繋ぐのに穴を開けて、その穴にメッキ処理をすることで電気を伝えるようにしたものです。各層基板の時にビアを作成する貫通しないビアもありますが、ここでは主流な貫通ビアについて書きます。
ビアを作成する目的として
1)信号を伝達させる
2)熱を伝達させる
3)挿入部品のリードを入れる
などがありますが、まず1)の信号伝達について考えます。低い周波数ではあまり問題ありませんが、ビアにはインダクタンスを持っています。
Viaind右の式はナショナルセミコンダクター社のアプリケーションノートにあったものですが、1つのビアが厚さ 1.6mm 直径0.4mmのビアで約 1.2nH あると計算されます。これは1GHzを超える周波数ではかなり大きなインダクタンスで、GNDのためにつけたスルホールビアが実はコイルになって変な寄生発振をおこしかねません。また、信号ラインに使う場合でもPcbvia右図のようにGNDを安定させようと信号線をビアで避けて配線した左側の例ではビアだけで 2.4nH分追加されるので、差動信号などの伝送では大きな影響が出ます。このような場合は右のようにGNDを分離して信号線優先が望ましいですね。上の式で判るようにビアの直径を増やすことがインダクタンスを減らす効果もあります。
 次に2)の熱伝導の点です。オンボードに使うSMD型の3端子シリーズレギュレターなど1W近く熱の出るICなどはGNDパッドの下に10個ぐらいの0.3mm程度のスルホールビアを1mm間隔で密集して配置して、内層や裏面のパターンに熱を逃がします。これは必ずしもGNDのみとは限りませんが、その場合GNDとの絶縁や浮遊容量の増加に注意します。
3)の挿入部品用の穴ですが、特にGNDに繋げる足などは一度半田付けすると熱が逃げて外す時に外れない場合があります。修理で外す可能性のあるピンなどはベタGNDにしないで数本の線でGNDとビアパッドを繋ぐようにしましょう。
ソフト的には
CADを使うと簡単に層を移動できますが、ビア毎にインダクタンス+浮遊容量が増えるのを考えなければなりません。またGND面を自動生成したりしてGNDが浮いた島になったりした場合はビアでGNDと繋げますが、ビア1本しか繋げなかった結果アンテナになってかえって不安定になったこともあります。不要なGND島は削除したほうが良いでしょう。


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