セミリジッドケーブルのはなし
セミリジッドケーブルとは
[semi-rigid cable ]で外部導体が銅やニッケル、ステンレスなどのパイプでできた同軸線です。低損失で種々のインピーダンスを持ったものが COAX社 等で販売されています。
ハード的には
寸法的には外形φが 0.33mm から 9.62mm程度まで、1.6mmφのもので 1GHzで 1dB/mm程度のロスがありますが、実際はバランとしてのトランスとしての使用が多く、通常のλ/4 の長さで利用されます。製作には短縮率 0.63 をかけて短くしますが、半田付けする部分も考慮して1mm程度長めに切断します。カットするにはカッターナイフの刃で転がすようにして傷を付けてから折るようにして切断します。注意する点は内部導体を出すためにテフロンを切断するのに、内部導体にあまり強く刃を当てると傷がつきその部分から折れる事故が起きやすいので細心の注意が必要です。
バランとして利用する場合は中心周波数よりもすこし高めに加工するのが良いようです。また基板に沿わせて実装する場合、パターンの表面(実装面の層)は影響されないようにGND面をくりぬく必要があります。4層基板の場合はできれば2層・3層もくりぬいた方が影響が少なくなります。
さらに広帯域が必要な場合はフェライトコアの中にケーブルを通したりします。しかしながら、電力を扱う場合に損失でコアが熱くなる場合がありますので、温度のチェックも重要です。コアの固定にはシリコン接着剤などを最小限使用します。
ソフト的には
信号の伝送にもよく利用されますが、外形が太くなると曲げ半径が大きくする必要があったり、手では簡単に曲げられなくなりますので、伝送電力・周波数を考慮して最適な太さを選択しましょう。さらに動かす必要があるときや、比較的シールド特性が重要でない場合は外部導体が網状に織り込まれたセミフレキシブルケーブルを利用することもできます。
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