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2010年5月18日 (火)

コンデンサの周波数特性のはなし

コンデンサの周波数特性とは
コンデンサは種類や容量値によって使用する適切な周波数帯域があります。
広帯域で使う場合は、様々な種類を並列にして使います。
ハード的には
Capfreq1
右図はコンデンサの種類によって周波数特性の違いを示しています。アルミ電解コンデンサはおおむね1MHz以下でインピーダンスが低く電源ノイズ除去やオーディオ帯域に使用されます。それでも容量が少ないと1KHz程度でも10Ω程度となり、インピーダンスは容量値に反比例して低くなります。
 また、フィルムコンデンサはインピーダンス特性はおおむね電解コンデンサと同様ですが、内部の損失が少ないため特定の周波数で低いインピーダンスを示します。また、漏れ電流が少ない点、経年変化に強いなどのメリットがありますので、高価ですが発振器の周波数を決定する部品として使用されます。(逆に電解コンデンサを発振定数にかかわる場所に使ってはいけません。容量値が変化しますし、温度でも安定しません)。
Capfreq2_2
積層セラミックコンデンサは1MHzを超える高い周波数に使用されますが、最近は大容量のものが出回っており、インピーダンス特性も電解コンデンサーよりも2桁程度良くなっています。電源やオーディオ用途にも使われていますが、低インピーダンスのため、電源ICなどに電解コンデンサーの代わりに使うと発振してしまう場合がありますので注意が必要です。上図は1608タイプSMD型セラミックコンデンサの容量に対するインピーダンス特性ですが、0.1uFでおおむね50MHz以下のデジタルクロックノイズの除去、0.01uF で100MHz以下の高周波用途、1000PFで50MHz〜500MHz程度の周波数で良い特性が発揮されます。また図でわかるように周波数が高くなると最低のインピーダンスも悪くなります。これは半田付け端子や内部電極のインダクタンス成分によるもので、SMD用のチップタイプでなく、リード付きのものはさらに特性が悪くなると考えてください。1GHz程度で使うには100PF以下で最適容量を選んで使うこと、大きさが出来るだけ小さいSMDタイプを使うこと、できれば数個のコンデンサを異なる位置のGNDに落とすなど工夫をします。
ソフト的にはUnknown
電源のデカップリングやノイズを落とす目的のコンデンサは、オーディオ用途には 47uFと 0.1uFをパラにする。デジタル回路のICのVdd直近に 0.1uFを落とす。高周波は 0.1uFと 1000PFをパラにして落とす。など定番的な値がよく用いられます。最近はNEC/TOKINのブロードライザが注目を浴びています。DVDレコーダーなど高速DSPやCPUのデジタルノイズやオーディオ帯域、ビデオ帯域まで低いインピーダンスが求められていますので、このような新しい素子も注目する必要があります。
Products1_pic2

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