信号分岐のはなし
信号分岐とは
しばしば1つの信号を2つに分けたい時がありますね。オーディオ帯域や低速デジタル信号ならば問題は起こりませんが、周波数が数MHz程度以上の信号を扱うときは注意が必要です。
ハード的には
あるパルス信号を2つの可変アッテネーターICに繋げて2倍の可変幅を得ようとした時、出力に小さなリンギング波形が出てしまい、アッテーネーター入力段で抵抗やコンデンサーでマッチングをとっても無くならないトラブルがありました。それは右図のように1本の信号伝送ラインに2カ所から取り出すようなパターンを描いていました。周波数が数MHzで、長さは10cm程度なので反射は問題ないかと考えていましたが、信号源がパルス波形になるとリンギングが目立ちました。パルス波は10倍以上の高調波成分を多く含むので、数MHzとはいってもマイクロストリップラインを描くようなパターンを考えないと波形が歪むのはもっともでした。そこで伝送ラインを分け、それぞれにマッチングするストリップラインを作成したところ、問題ない結果を得ました。
ソフト的には
100MHz程度の信号でしたら迷わずトランス型の分岐器などの使用を考えたのですが、DCからの信号で通常 500KHz程度かつ時々パルスを使う程度と思い、パターン作成の手間を惜しんだ結果でした。
ECLなどを使う場合は出力が +と−極性で出ている場合があるので、それらを使うと2分岐は容易です。数GHzですとプリントパターンでウィルキンソン型分岐パターンを作成しやすいので、それらを使うのも有用です。
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