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2010年5月

2010年5月29日 (土)

DACのはなし

DACとは
[Digital to Analog Converter ]の略で、D/A変換とも書きます。A/D変換と対になってアナログ信号をデジタル化し、処理した信号をアナログに戻す部分です。身近なところでは、ポータブルオーディオ機器のデジタル信号をアナログ音声に変換するところ、DVD(BD)レコーダーのビデオ信号を作るところなどに使われています。
ハード的には
データーのインターフェイスとして、古くからパラレル方式も多く使われていますが、現在はシリアル方式で I2CやSPIなどのインターフェイスが多く使われています。アナログ出力にするため内部高精度抵抗などによってデジタル値を固定電流に変換し、電流加算などしてアナログの電圧に変換しますが、抵抗値の精度やビットが多数切り替わる時のズレによるノイズや、多ビットにしたときに回路が複雑化することによる雑音の増大などの不利な面を改善するため、現在はデルタシグマ型とよばれるPWM方式でデジタル信号をアナログに変える方式がオーディオ用途などに増えています。また、高精度なアナログ電圧として機器の調整用電圧を得るには、出力電圧の精度が重要になります。また、外部ノイズに強くするため内部に高性能のOPアンプを内蔵して大きな出力電流を確保したICも出てきています。Dac右図は、アナログデバイスのLTC1446という2チャンネル12ビットDAC-ICの内部ブロックです。このICは内部に高安定な電圧源を持ち±2mVというオフセットエラー、温度偏差も±15uV/℃という性能を持っています。12ビットの分解能ですが、通常の5V電源から 4.096Vというリファレンス電圧を作成し1mV/Bitと判りやすい電圧を生成できます。 出力はレールトゥーレールのOPアンプがついていますので 50mA程度の電流を出力出来ます。
ソフト的には
このICはシリアルでデーターを送る場合 12Bit x 2 = 24 ビット必要ですが、CPU内蔵シリアル機能などを使う時には 8Bitデーターを3回送ることで設定できます。LD端子をスタート時は立ち下がりから・ストップ時は立ち上がりで設定します。このICはデーター設定が2CH同時なのでプログラムでは1CHだけの修正でも2CH分送らなければならないので注意が必要です。


2010年5月28日 (金)

ビアのはなし

ビアとは
正確には貫通ビア、スルホールビア[Through Hole Via]と定義されます。プリント基板を作成する上では両面基板で信号を伝えたり、GNDを強化する重要な働きをします。
ハード的には
両面基板とか多層基板で各層の信号を繋ぐのに穴を開けて、その穴にメッキ処理をすることで電気を伝えるようにしたものです。各層基板の時にビアを作成する貫通しないビアもありますが、ここでは主流な貫通ビアについて書きます。
ビアを作成する目的として
1)信号を伝達させる
2)熱を伝達させる
3)挿入部品のリードを入れる
などがありますが、まず1)の信号伝達について考えます。低い周波数ではあまり問題ありませんが、ビアにはインダクタンスを持っています。
Viaind右の式はナショナルセミコンダクター社のアプリケーションノートにあったものですが、1つのビアが厚さ 1.6mm 直径0.4mmのビアで約 1.2nH あると計算されます。これは1GHzを超える周波数ではかなり大きなインダクタンスで、GNDのためにつけたスルホールビアが実はコイルになって変な寄生発振をおこしかねません。また、信号ラインに使う場合でもPcbvia右図のようにGNDを安定させようと信号線をビアで避けて配線した左側の例ではビアだけで 2.4nH分追加されるので、差動信号などの伝送では大きな影響が出ます。このような場合は右のようにGNDを分離して信号線優先が望ましいですね。上の式で判るようにビアの直径を増やすことがインダクタンスを減らす効果もあります。
 次に2)の熱伝導の点です。オンボードに使うSMD型の3端子シリーズレギュレターなど1W近く熱の出るICなどはGNDパッドの下に10個ぐらいの0.3mm程度のスルホールビアを1mm間隔で密集して配置して、内層や裏面のパターンに熱を逃がします。これは必ずしもGNDのみとは限りませんが、その場合GNDとの絶縁や浮遊容量の増加に注意します。
3)の挿入部品用の穴ですが、特にGNDに繋げる足などは一度半田付けすると熱が逃げて外す時に外れない場合があります。修理で外す可能性のあるピンなどはベタGNDにしないで数本の線でGNDとビアパッドを繋ぐようにしましょう。
ソフト的には
CADを使うと簡単に層を移動できますが、ビア毎にインダクタンス+浮遊容量が増えるのを考えなければなりません。またGND面を自動生成したりしてGNDが浮いた島になったりした場合はビアでGNDと繋げますが、ビア1本しか繋げなかった結果アンテナになってかえって不安定になったこともあります。不要なGND島は削除したほうが良いでしょう。


2010年5月27日 (木)

MOS-FETのドライブのはなし

MOS-FETのドライブとは
ゲートをドライブするノウハウです。パワーMOS-FETでは切り替えスピードが200nS程度は取れるはずなのに、実際にドライブしてみると1uSもかかってしまうこともしばしばです。
ハード的には
Gatedrive_2右図のように通常トランジスタでコレクタにプルアップ抵抗を付けてゲート保護抵抗を付けてドライブします。ここで問題なのがMOS-FETのゲート入力容量が大きいことです。ドレイン電流 15AクラスのFETではこの入力容量 Cissは 2000PFもあります。 これでは立ち上がり時に(R1+R2)xCiss の時定数、立ち下がり時には R2xCissの時定数がかかってしまいます。
 これを改善させるには下のように CMOSコンプリメンタリ出力でドライブします。これならば出力電圧のスイングをほぼ電源電圧でスイッチでき、例えばCMOSゲートICを並列接続して出力電流を増やせばR3を数十Ω程度まで下げられるので、高速にCissのチャージ・ディスチャージを行うことが出来ます。また、OFF時間をさらに改善したい場合にはR3に並列にダイオードを付けてGate-OFFを高速にすることが出来ます。
 他にCQ出版社のパワーMOS FET活用の基礎と実際にも詳しく記載されていますが、実際にはゲートとドレインの間のコンデンサCgdも重要な働きをして、しかもドレイン電圧によって容量が変化することから、ダイナミックに負荷が変動する負荷に対しては特に注意が必要です。
ソフト的には
ゲートに大容量のコンデンサがあることを前提に、MOS-FETのスイッチングを考えることは必要です。バイポーラトランジスタよりも FETはOFFになる時間が早いですが、それにはドライブ回路の工夫が必要です。特にP-CH FETと N-CH FETでプッシュプルで制御する場合、高速を求めると短時間でも両方 ON状態の期間が出来てしまいます。切り替え周期に対してこの両方ON期間が短ければ FET の熱損失は大きくないですが、ノイズなどで誤動作時に熱損失で破壊されることがありますので注意が必要です。

参考図書------------------------------------------------------------------



2010年5月26日 (水)

RFスイッチのはなし

RFスイッチとは
高周波を切り替えるスイッチですが、ここでは最近使いやすくなってきた GaAs(ガリヒ素)のFETを使ったICを紹介します。
ハード的には
スイッチのバラエティが豊富なメーカーとして Hittite Microwave Co.があげられます。通常の製品で DC〜4GHz 最高では20GHz程度までの製品あり、チップから使いやすい8PinSOPのパッケージがあります。
349pkgRfsw
高周波で使うので、普通のSOPと違い、写真のように裏面にGNDパッドがあります。この半田付けが重要で、手半田で製作するばあいはここに2mmφぐらいのスルーホールを作り、基板の裏面から半田を流し込んで繋げます。

 過去GaAsのスイッチは負の電圧が必要だったり、レベルシフトの回路が必要だったりと使いにくかったですが、最近は図のようにCMOSゲートICでドライブできるので、デジタル回路ともインターフェイスが簡単です。

 注意したいのはスイッチによってこの図のように、2つのコントロール端子を必ず反転状態で使いどちらかのスイッチが必ず繋がっていることが必要なタイプがあることです。
 これは逆に繋がっていない端子はオープンになっていますので、マッチングがとれていないので、高速に切り替える場合には反射が起こって波形が乱れます。そのような高速で切り替えたり、切れている端子もマッチングさせていたい場合は、そのようなタイプのSWを使います。
Ms349_3
 図に示すように内部に50Ωの抵抗があり、オープンになることはありません。また、このようなタイプは2つの出力ともOFFにすることが出来ます。詳細はデーターシートを参照してください。
使用上の注意としましては、ほとんどのICは内部FETのバイアスのため入出力端子に電圧が出ていますので、コンデンサーによる直流カットが必要です。
 ぼぼ電源電圧に近いような電圧が出ていますが、静電気や入力電力オーバー等でICが破壊された時、この電圧が出なくなりますのでちょっとしたトラブルのチェックに覚えておくと便利です。
ソフト的には
 SWにも入力電力の制限があり1dBリニアリティが悪くなる IP1dBが定義されています。また、アイソレーションも表示されていますので、希望のアイソレーションが1個では得られないときは数個シリーズにして切り替えますが、空間的な漏れがおきないようにシールドが必要ですし、電源・コントロールラインから漏れないようにフィルタするのを忘れないようにしましょう。


2010年5月25日 (火)

AppCADのはなし

AppCADとは
アジレントテクノロジー社が無償で提供している高周波用のツール集です。ホームページからダウンロード出来ます。
ハード的には
今回はマイクロストリップラインを計算するツールを紹介します。
1) 起動したら左のメニュー欄の[Passive Circuit]を選択
2) いろいろなストリップラインの図が出てくるので、今回は Coplanar Waveguide の両面のGNDプレーン付きのものを選択。
Appcad
3) 上記のような図が出てくるので、各入力欄に必要事項を入れます。
・まず最初に使用する基板の誘電率を左下のポップアップメニューで選びます。
 ここではガラスエポキシを使うとして、 FR-4 を選択します。εr=4.6となりましたね。
 メニューにない時は一番上の[->Enter custom value ]を選べば、直接値を入力できます。
・次に使用する周波数を入力します。
・Length Unitsの項目は [mm]を選んでおきます。
4) 次に基板のパターン情報ですが
・基板の絶縁層の厚さを [ H ]の項目に mm で入れる。 1mm なら [ 1 ]を入力。
・次に [ T ]の項目に銅箔の厚みを入力。 18ミクロンならば [ 0.018 ]と入力。
・いよいよパターン幅ですが、 [ W ] に導体幅、[ G ]にギャップの幅を入れます。
5) 右上のボタン [ Calculate Z0] を押します。
 すると下のボックスに計算値が表示されます。Z0= に希望の数値が出るように、Wと Gの値を変えて入力しながら幅とギャップを求めます。
6) 幅を広くするとインピーダンスは下がります。また、ギャップを狭めますと同様にインピーダンスが下がります。しかしながらギャップを広くしすぎますと、後で調整用のコンデンサなどを半田付け出来なくなりますし、狭くするにもパターン間の製作上・絶縁上で限度があります。また、パターン幅も高い周波数ではそれだけ浮遊容量が増え、実際的な基板ロスが増えますので、10GHz以上は1mm以下の伝送ラインにするほうが良いでしょう。
7) 計算結果には Elect Length の欄に波長が出てきます。基板上の [ L ]に設定した長さの結果ですので、基板上でλ/4のラインを作る時などこの値が 0.25になるよう長さを選びます。
メインメニューに戻るには右上隅の[ Main Menu ]ボタンを押します。
ソフト的には
他の表側にグランドがない場合のストリップラインや導波管の中の同軸導体など様々なインピーダンスが計算できますので、マイクロ波関連には有用なソフトです。

2010年5月24日 (月)

周波数逓倍(ていばい)のはなし

周波数逓倍とは
発振器の周波数を整数倍すること。逆に周波数を整数で分けるのを分周といいます。
ハード的には
通常の水晶発振器などは通常 30MHz 程度、高くても 80MHz程度までです。それ以上の高い周波数を得るには VCOPLL回路を使って構成するか、固定の周波数で良い場合は水晶発振器を逓倍して希望周波数を得ます。特に位相ノイズを小さくしたい場合などは水晶発振器を逓倍する方法が有効です。
Osc_multi
 上に逓倍回路を用いた発振ユニットの回路例を示します。最近では低価格(¥5,000以下)で高安定( ±1ppm)なTCXO/OCXOを三田電波などのメーカーで数個でも希望周波数で製作してもらえます。この発振器の出力を図のように高速ショットキーダイオードなどで歪ませます。比較的低い周波数ではCMOSゲートなどの矩形波出力を直接利用することも出来ます。この出力には多くの高調波成分が含まれていますので、その周波数を選択的に増幅することで必要周波数を得ます。周波数を10倍以上にする時は低域の周波数成分は増幅時には不要ですから、HPFや直列共振回路を LとCで構成して希望周波数成分にある程度絞ってからアンプで増幅します。増幅した信号を後段でBPFを使い希望周波数のみに分離しますが、やはり基本周波数の差でスプリアスとして残ってしまいます。そのため出力には高性能なフィルタが要求されますが、現在ではユニティー電子工業などの多段ヘリカルフィルターが入手できますので、必要に応じて数段使用します。
ソフト的には
この回路の要点は、必ず基本波分の周辺スプリアスが出てしまうので、後段のヘリカルフィルターの近傍の減衰量を計算して必要な基本周波数と逓倍数を決定することです。

*効率よく2倍を生成するには周波数ダブラーのはなし
*効率的な逓倍回路は周波数逓倍回路を考える

2010年5月22日 (土)

PLL付VCOのはなし

PLL付VCOとは
私達が使い易く、かつ安価に可変周波数発振器を得るには1チップで PLLと VCOの入ったICが便利です。ここでは私がよく使った アナログデバイスの ADF4360シリーズを紹介します。
ハード的には
ADF4360シリーズには使用可能周波数によって種類があり、最後の "-X"で規定されています。
4360block
-0 .... 2400 - 2725MHz
-1 .... 2050 - 2450MHz
-2 .... 1850 - 2150MHz
-3 .... 1600 - 1950MHz
-4 .... 1450 - 1750MHz
-5 .... 1200 - 1400MHz
-6 .... 1050 - 1250MHz
-7 .... 350 - 1800MHz
-8 .... 65 - 400MHz
-9 .... 1.1 - 200MHz
右のブロック図は ADF4360-9のものです。これは4360-8の出力にデバイダをつけて1/2〜1/32 まで可変分周できるようにしてさらに低い周波数まで使えるようにしたICです。大きさは4mm角でリードレスSMDタイプなので、基板をおこさないと実験できないのが難点です。このICの特徴である VCO内蔵という点では2本のインダクタを接続するだけで使え、内部で8種類の同調コンデンサを自動で切り替えて可変範囲を広げていますが、上記周波数範囲で使えるという意味で、1つのインダクターで可変範囲がすべて使えるわけではないので注意が必要です。
4360schema下は使用回路例ですが出力2本を持っていますが、使わない時は OPENでかまいません。出力は最大で 0dBmです。インダクターに並列の抵抗は発振の安定のようです。パターン作成時の最大の問題はGND配置でしょう。VCOにつかうインダクターとAGNDは直近に配置し、デジタル関係の電源は 10Ω程度で供給元からフィルタリングして 、特にVCO電源はリップルフィルターをつけた方が良いでしょう。配置の点ではVtune近くに 56pFを配置する。CPにつくCRのGNDはCPGNDに近く配置する。一番悩むのは  Vvco-Cnに付ける 10uFでしょう。電圧が 3.3Vなのでセラミックコンデンサが良いですがピンが離れていることからどこを延ばすか悩みます...内層を使ってCnのそばの配置がいいでしょうか。リファレンス周波数の入力は必ずしもこのように 50Ωを入れなくても良いですが、伝送ラインが長くなる時に、このIC近くで終端しなさいという意味です。クロックの波形が悪いとスプリアスが多く出る場合があります。
ソフト的には
アクセスは3線式のシリアル制御で一般的ですが、送るデーターの最後2ビットでセットするレジスタを決めています。レジスタは3つあり、リファレンスデバイダ関連、周波数決定用のデバイダ、コントロールレジスタです。注意がマニュアルにもありますが、レジスタを送る順番です。電源投入時にリファレンス(R-Counter)->コントロールと送ったあとすぐに周波数決定レジスタ(N-Counter)を送っても設定され無い時があることです。しばらく時間待ち( 100mSから 1S)して再度送るのが確実です。N-Counterデーターが送られたタイミングでVCO内部コンデンサ自動切り替えが起こるので、R-Counterだけを変えることなく、変更時は全て送るようにするのが安心です。


2010年5月21日 (金)

信号分岐のはなし

信号分岐とは
しばしば1つの信号を2つに分けたい時がありますね。オーディオ帯域や低速デジタル信号ならば問題は起こりませんが、周波数が数MHz程度以上の信号を扱うときは注意が必要です。
ハード的には
あるパルス信号を2つの可変アッテネーターICに繋げて2倍の可変幅を得ようとした時、出力に小さなリンギング波形が出てしまい、アッテーネーター入力段で抵抗やコンデンサーでマッチングをとっても無くならないトラブルがありました。それは右図のようにPcb21本の信号伝送ラインに2カ所から取り出すようなパターンを描いていました。周波数が数MHzで、長さは10cm程度なので反射は問題ないかと考えていましたが、信号源がパルス波形になるとリンギングが目立ちました。パルス波は10倍以上の高調波成分を多く含むので、数MHzとはいってもマイクロストリップラインを描くようなパターンを考えないと波形が歪むのはもっともでした。そこで伝送ラインを分け、それぞれにマッチングするストリップラインを作成したところ、問題ない結果を得ました。
ソフト的には
 100MHz程度の信号でしたら迷わずトランス型の分岐器などの使用を考えたのですが、DCからの信号で通常 500KHz程度かつ時々パルスを使う程度と思い、パターン作成の手間を惜しんだ結果でした。
ECLなどを使う場合は出力が +と−極性で出ている場合があるので、それらを使うと2分岐は容易です。数GHzですとプリントパターンでウィルキンソン型分岐パターンを作成しやすいので、それらを使うのも有用です。


2010年5月20日 (木)

SMAコネクタのはなし

SMAコネクタとはSma
[Sub Miniature Type A]からくる呼び名で、マイクロ波でよく使うねじ勘合の小型高周波同軸コネクタです。
ハード的には
内径が1.27mm、外径が4.2mmで、絶縁物にはテフロンが用いられています。使用周波数はDC~26GHz程度です。主に内部の配線等に使われ、中央導体の処理が丸棒や細ピンであったり、タブ型のものなど接続部によっても、取り付け穴が4個のものや2個のもの、ねじ式のものなど多くの種類があります。
 測定器などマイクロ波用のものにこれに似たコネクタが用いられていますが、実は微妙に違うものです。
Cn
右図はマイクロウェーブ技術入門講座 基礎編にあった図ですが、SMAよりも高い周波数 34GHz程度まで使用可能な 3.5mm という規格のコネクタが測定器などでは使われています。3.5mmコネクタは、絶縁物を空気にしていますので、メスの中央導体のまわりが白くないので判ります。テフロンより、誘電率が低くなるので外径を小さくすることができます。
外形寸法は3.5mm、内径寸法は1.5mmとなっています。
 さらにSMA互換で周波数の高くまで使えるコネクタに Kコネクタ(外形が2.92mmとなっているので2.92mmとも呼ばれる)があり、空気層を狭くして外形を小さくして40GHz程度まで使えます。
ソフト的には
3.5mmコネクタは測定器などによく使われておりSMAと基本的には互換性がありますが、精度の悪いオスのSMAコネクタを接続した場合 3.5mmコネクタの中央導体の接触バネが壊される場合があるので接続には注意が必要です。接触が悪くなって隙間が空いたりしてその部分が整合不良となり、せっかくのデーターがおかしくなる可能性があります。その対策に 3.5mmオスと SMAメスが一体となったアダプタを使って高価な測定器のコネクタを守っています。
 またよく使うとコネクタのねじの部分から摩耗で金属粉が残り、テフロンの勘合部分に着いて整合不良になったりしますので、アルコール等でコネクタをきれいにしておくことも大切です。

2010年5月19日 (水)

ハーモニックのはなし

ハーモニックとは
[Harmonics]で、電気の世界では高調波と呼んでます。今回は高調波で信号がどのように影響されるか見てみます。
ハード的には
まず、歪みのない正弦波を考えてみます。これは波高A周波数θの とき A*sinθと表現されます。ここでは基本波の大きさを1として sinθとします。2倍波は sin2θ 3倍波は sin3θ と表すことが出来ます。Clipwave
右図はアンプの出力が飽和した時のクリップ波形の例です。このグラフは sinθ+0.15sin3θ の加算結果で、3倍波が 15%加わった時の波形です。いわゆるクリップした時は3倍高調波が出ているのが分かるかと思います。
Sqwave
次は矩形波です。デジタル信号などで急峻な立ち上がり、立ち下がりの波形はどのような周波数成分を持っているのでしょうか?この波形は sinθ+0.3sin3θ+0.15sin5θ+0.08sin7θ+0.04sin9θ で計算しました。奇数次の高調波が弱まりながら加算されているのが分かります。このことから矩形波は少なくとも10倍以上の高調波まで最低4%程度は出ているのが分かります。 50MHzのクロックでは 500MHzまでも高調波成分が含んでいるので、パターン設計をいい加減にすると波形が歪んだり、思わぬ輻射ノイズが出て苦労することがあります。
Sawave
それでは高調波が2次、3次と等間隔に出てくる波形はどうでしょう?図は sinθ+0.4sin2θ+0.2sin3θ+0.1sin4θ+0.05sin5θ での結果です。どうやらのこぎり波ですね。
ソフト的には
一般的にはゼロ付近のクロスオーバー歪みが出てくると2倍の高調波が増えてくるので、デバイスの電流を増やさなくては...とか、3次歪みが出ないように電圧を上げて直線性を良くしなくては,,,など、歪みのないアンプのために苦労しています。オシロスコープの波形を見てどんな高調波が出ているか想像しながら、フィルタリングの定数を決めるのも楽しい?でしょう。


2010年5月18日 (火)

コンデンサの周波数特性のはなし

コンデンサの周波数特性とは
コンデンサは種類や容量値によって使用する適切な周波数帯域があります。
広帯域で使う場合は、様々な種類を並列にして使います。
ハード的には
Capfreq1
右図はコンデンサの種類によって周波数特性の違いを示しています。アルミ電解コンデンサはおおむね1MHz以下でインピーダンスが低く電源ノイズ除去やオーディオ帯域に使用されます。それでも容量が少ないと1KHz程度でも10Ω程度となり、インピーダンスは容量値に反比例して低くなります。
 また、フィルムコンデンサはインピーダンス特性はおおむね電解コンデンサと同様ですが、内部の損失が少ないため特定の周波数で低いインピーダンスを示します。また、漏れ電流が少ない点、経年変化に強いなどのメリットがありますので、高価ですが発振器の周波数を決定する部品として使用されます。(逆に電解コンデンサを発振定数にかかわる場所に使ってはいけません。容量値が変化しますし、温度でも安定しません)。
Capfreq2_2
積層セラミックコンデンサは1MHzを超える高い周波数に使用されますが、最近は大容量のものが出回っており、インピーダンス特性も電解コンデンサーよりも2桁程度良くなっています。電源やオーディオ用途にも使われていますが、低インピーダンスのため、電源ICなどに電解コンデンサーの代わりに使うと発振してしまう場合がありますので注意が必要です。上図は1608タイプSMD型セラミックコンデンサの容量に対するインピーダンス特性ですが、0.1uFでおおむね50MHz以下のデジタルクロックノイズの除去、0.01uF で100MHz以下の高周波用途、1000PFで50MHz〜500MHz程度の周波数で良い特性が発揮されます。また図でわかるように周波数が高くなると最低のインピーダンスも悪くなります。これは半田付け端子や内部電極のインダクタンス成分によるもので、SMD用のチップタイプでなく、リード付きのものはさらに特性が悪くなると考えてください。1GHz程度で使うには100PF以下で最適容量を選んで使うこと、大きさが出来るだけ小さいSMDタイプを使うこと、できれば数個のコンデンサを異なる位置のGNDに落とすなど工夫をします。
ソフト的にはUnknown
電源のデカップリングやノイズを落とす目的のコンデンサは、オーディオ用途には 47uFと 0.1uFをパラにする。デジタル回路のICのVdd直近に 0.1uFを落とす。高周波は 0.1uFと 1000PFをパラにして落とす。など定番的な値がよく用いられます。最近はNEC/TOKINのブロードライザが注目を浴びています。DVDレコーダーなど高速DSPやCPUのデジタルノイズやオーディオ帯域、ビデオ帯域まで低いインピーダンスが求められていますので、このような新しい素子も注目する必要があります。
Products1_pic2

コンデンサーに関する他のはなし
コンデンサーの周波数特性のはなし2
コンデンサーの周波数特性のシミュレーション
SMDセラミックコンデンサーの周波数特性のはなし2
SMDチップセラミックコンデンサーのサイズのはなし
SMDセラミックコンデンサの周波数特性のはなし
コンデンサーの温度特性のはなし
リード線のインダクタンスのはなし
OSコンのはなし
今月号のトラ技
参考図書の紹介--------------------------------------------------------------------------------------------



コンデンサ/抵抗/コイル活用入門―電子回路の性能を決める受動部品の基礎と応用 (トランジスタ技術SPECIAL)


抵抗&コンデンサの適材適所―回路の仕様に最適な電子部品を選ぶために


セラミックコンデンサの基礎と応用―エレクトロニクス産業を支える


図解 わかる受動電子部品―抵抗器・コンデンサ・インダクタの基礎と使い方


2010年5月17日 (月)

GateBiasのはなし

GateBiasとは
RF出力デバイス( HEMTとか LDMOSとか)のゲートに電圧をかけてドレイン電流を最適な値にセットするための回路です。
Gatebias_2
ハード的には
右図(GaAs / GaN - FET の例)のようにゲートにコイルやコンデンサを使ってRF信号に影響を与えないようにゲートにバイアスをかけます。図では GaAs/GaN 系の例で、ゲートにマイナス電圧をかけます。
基本的にはLによってゲートに加わる高周波に回路が影響ないように分離していますが、広帯域アンプの場合はこのLがどこかの周波数で共振したり、ゲートのインピーダンス変換回路に影響が出る場合、並列に抵抗を付けてコイルのQを下げたり、インピーダンスを下げたり、時には抵抗だけにします。Lは狭い狭帯域アンプの場合はλ/4の細いラインなどで構成する場合もあります。コイルのゲートと反対側はバイアス側にRFが漏れないように動作周波数にあった数種のコンデンサを付けます。ダイオードは誤って逆バイアスがかからないようにするための保護や、ゲートへの強RF入力時に正側にバイアスされて暴走するのを防ぐ役割もします。
 オペアンプとの間には 10Ω程度の抵抗をシリーズに付けます。OPアンプの出力電流にもよりますが負荷に大容量のコンデンサがあるので、OPアンプが発振するのを防ぐためでもあります。
通常は電流が流れませんが、クリッピング領域まで使うような場合ゲート入力電力が大きくなる場合はRF信号によって電流が流れますので、OPアンプの可能な出力電流にも注意が必要です。
 大電力のFETの場合ゲート電圧が -0.6Vなどという場合があります。こんな時は出力が 0Vまで出力可能な OPアンプを使う必要があります。最近はレールトゥーレール入出力のものが安価に出てきましたのでそれらが有用です。
ソフト的には
バイアスをかけるのに GaAs/GaN など、バイアスをかけないとドレイン電流が流れてしまうデバイスをコントロールする場合は、まずドレイン電源をONにする前にゲート電圧をかけるようなシーケンスにします。回路などによってはドレイン電圧を切る場合徐々に電圧が下がっていく途中で不安定になりFETが発振してしまう時がありました。そんな時は逆にドレインを切った直後ゲートもOFFにしたりする制御でクリアしましたが、マッチング回路の修正で発振がなおれば、その方が良いでしょうね。

2010年5月14日 (金)

TRでGateのはなし

TRでGateを組むとは
TR[トランジスタ]でGate[論理回路]を組むとは、結構ある話です。アナログ回路とのインターフェイスにはどこかで必ず必要になります。特に14PinのゲートICを入れるスペースが無かったり、1個だけ離れたところに必要な時などトランジスタで組みます。
ハード的にはTr_gate
トランジスタは抵抗でベース電流を流せばよいので、デジタル的に ON/OFFで使うには Vbe( 0.7Vぐらい)以上の電圧がくれば ONします。
入力電圧範囲が変動する場合、例えば 3Vから15Vとかあるのを検出して 5Vレベルに変換することが出来ます。
 右図1)はそのような目的で最初に製作して動作OKでした。そして 2)はCMOSゲートICとインターフェイスしようとして途中の反転部分を利用して追加しましたが、思うように動きません。なぜでしょう?
 途中で反転しているコレクタを使ったので 5V / 0V が出てくると期待しましたが、実はここに次段のベースが直接繋がっています。トランジスタのベース-エミッタ間はダイオードと同じように 0.7V程度の電圧降下です。これによって引き出した点のコレクタは 0V/0.7Vしか変化しないので、変化してもゲートICの閾値 2.5Vに達しませんでした。 そこで 3) のようにベースに直列に抵抗入れてGNDにも入れました。これでOKな感じですが、計算すると Low時に 0Vは良いのですが、High時は 2.85V(5-Vbe)/2+Vbe と結構ぎりぎりですので、コレクタの抵抗も 4.7Kと少なめにしておきます。
トランジスタを使ったロジックは簡単ですが、各部の電圧やマージンをきっちり計算してベース抵抗・コレクタ抵抗を決める必要があります。
ソフト的には
 ある一定の電圧幅でしたら、抵抗で分圧してICの最大入力電圧を超えないように操作できますが、A/D入力ポートでもなければ最適な閾値を設定できません。
 速度があまり速くなければOPアンプやコンパレーターなどで比較して出力する事ができますが、電源を高速でシャットダウンしたい、アラームを出来るだけ早く出したいなどの場合はトランジスタを使ったゲート回路が有用です。


2010年5月13日 (木)

I2C ACK のはなし

I2C の ACK とは
I2Cプロトコルでは、スレーブ側が応答として DATA ラインを使って ACK応答を返します。その詳細を書いてみます。
ハード的には
I2Cのはなしにも書きましたが、I2Cラインはオープンドレイン出力+プルアップで構成されています。特にDATA ラインはACK受信のため頻繁に送信ラインと受信ラインを切り替えています。ハードではオープンドレインポートと入力ポートからなっていますので、マスター側がACKを確認するにはオープンドレインを OFF ( 出力オープン状態)にしてプルアップ抵抗による High 状態にします。スレーブがACKとして Lowを返すと DATAラインが Lowになりますので、確認できます。I2cack
ここで注意したいのは、DATAラインを変化できるのは CLOCK ラインが Lowの期間だけ というきまりがあることです。マスター側もスレーブ側も CLOCKの Lowのタイミングで信号を変化させているのが判るかと思います。 スレーブが反応しなくて ACK を返さない時は DATAラインをマスター側が受信状態にして High にしますが、ACKがないので DATAラインは Highのままです。
ACKがある場合は DATAラインは受信に切り替えた時にすこし High側に上がっていきますが、スレーブ側の ACKによって途中で Lowにされ、ひげのような信号が見えます。(プルアップ抵抗の値や、通信速度で見えない時もあります)。マスター側が CLOCKを Lowにするタイミングでスレーブは ACKを停止してLowにするのをやめます。
ソフト的には
DATAライン、CLOCKラインを制御する時にバイト単位で同一のポートを使う場合、ビット操作が瞬間他のビットに影響を与えるような時は、バイト単位で操作しないと CLOCKが一瞬 Lowになってしまったりして、CLOCKが余分に送られてしまう場合があります。また、受信に切り替える時にも同様の事が起こると LowにしていたつもりのCLOCKがHighになって、同様なトラブルが起きます。
 RENESASではI2Cバスのいろいろなトラブルについてのページが用意されていますので、参考にされると良いかと思います。
本ブログの I2Cトラブルのはなし も参照ください。

 

2010年5月12日 (水)

A/D変換のはなし

A/D変換について
今回は特に組み込みCPU内蔵のA/Dコンバーター機能を使用する場合の注意点について書きます。基本的にはA/D変換ICとCPU内蔵A/Dコンバーターの使用法は大差ないですが、内蔵の分アクセスが簡単ですが、アナログ信号とデジタル信号が近くなりやすいので注意が必要です。
ハード的には
H8adA/Dコンバーターは入力インピーダンスが高いのが普通で、外部からの雑音によって影響されやすいです。次に使用上の注意を書きます。
1)使用していないA/Dポートは抵抗などでプルダウン(プルアップ)しておく。誘導ノイズで入力端子がラッチアップして他のチャンネルに影響を与える場合があります。
2)雑音除去のため抵抗やコンデンサーによるローパスフィルタを構成してノイズを除去します。
 あまり大きな値をつけるとアナログ信号の変化について行けない場合がありますので、その点の考慮が必要です。安定した値を読むだけでしたら 0.1uF 程度のコンデンサーで問題ありませんが、数mSの変化を見る場合は 1000PF程度に抑えておきます。
3)アナログ信号用のGND(アナロググランドAGND)を必ずアナログ信号入力と一緒に信号源まで持って行く。デジタルノイズによってアナログ値が影響を受ける場合がありますので、時にはデジタル信号との間をガードするようにパターンを作成します。デジタルGNDと分離できない場合はベタGNDを強化するなどGND電位の安定化をするため注意する事が必要です。
4)微小な信号の場合は信号源でOP-AMPなどで増幅して、A/D入力付近で入力電圧範囲に合わせるよう分圧する。
5)量産時などA/D検出電圧を絶対値で利用する場合、A/Dリファレンス電圧に注意する。
Lm4132
 通常のマイコン電源5VなどはレギュレーターICを使ってもICのロットやバラツキで 4.6V〜5.5V程度の誤差がある可能性があります。せっかく測定してもセットによって測定値がバラバラ...1台ごとに校正値を補正するのは大変...そんな場合はリファレンス電源にLM4132などのシャントレギュレーターを使って安定化します。4.096Vなどの電圧も用意され10Bit A/D に好都合、電圧誤差 0.1% 温度誤差 10 ppm/°C 程度を保障しています。
ソフト的には
CPU内蔵のA/Dコンバーターはレジスタをセットすれば、自動で変換結果レジスタに取り込んでくれたり、割り込みで平均処理をするのに簡単な場合が多いのでよく利用します。A/D入力を使って制御するソフトを開発する時は、デバッグの時に備えてコンソールやRS232Cでコマンドで A/Dの値を読めるようにしておくと便利です。制御のタイミングに合わせてデーターを表示しておいたりして、ハード的な電圧とCPUが認識する電圧がわかるので比較が容易になります。


2010年5月11日 (火)

電源ICのはなし

電源用のICは
ポピュラーなシリーズレギュレターIC(3端子電源IC)には 78X?? シリーズで 例えば7808だったら 8V 1A 、 78M05 だったら 5V 0.5A 、78L05 だったら 5V 100mA、79X??シリーズだったら 7905で -5V 1Aタイプと結構各社共通仕様で互換性もあります。しかしながら、各社工夫をこらして、出力 ON/OFF端子があったり、Reset 出力があったりした便利なものもあります。
7805
ハード的には
通常の 78X?? シリーズは電力用のトランジスタに NPN タイプのトランジスターを使っており、いわゆるエミッタ出力となるため、出力トランジスタのベースを駆動するために供給する電圧は出力電圧よりもある程度高くする必要があります。通常仕様では最小入出力電位差が 2V 程度ですから、5V出力のICの場合最低7Vなので、通常余裕を見て8V程度に設計します。
2905
しかしながら入力電位差3Vで 1A使用とすると損失は 3W となり、放熱が必要となります。このような場合少しでも発熱を減らしたい時などにもっと少ない電位差で働くICが求められ、各社が製品化しています。NEC では uPC2905HF(1Aタイプ)などは 1Vで動作可能です。これは出力トランジスタに PNPタイプを使い、コレクタ出力として使うため最小 0.7V程度で動作します。
 大変便利なICですが、出力に47uF程度の大きな容量のコンデンサーを付けないと負荷条件によっては高い周波数で発振したりします。通常の電解コンデンサーでは低温で容量が減り発振したのでOSコンなどに変更して対策した経験があります。
 電圧を可変したい、固定電圧ICではない電圧がほしい時などは 317シリーズという可変タイプの3端子レギュレーターICもあります。NEC/RenesasではuPC317HFなど使用方法なども詳しいアプリケーションノートがあります。
海外ではナショナルセミコンダクター社のLM317、負電圧用の LM337などあります。
これら電源用ICは出力コンデンサなど大容量セラミックコンデンサーに対応して無く、発振してしまうものや比較的大きな容量のコンデンサが必要な場合があるので、使用方法の説明をきちんと確認するのが確実です。
 また、最近の新しいICでは「高周波PLL回路のしくみと設計法
」などでPLL回路に使用できる低ノイズの電源IC LT1761など使いやすそうなものも出てきましたので、最新情報を調べることも大事です。
ソフト的には
デジタル用の電源には効率の良いスイッチング電源が多用され、軽くて小型なものが増えています。しかしながらアナログの微小電圧を扱うような用途にはまだまだシリーズレギュレターが有用です。RFパワーアンプなどの製品はほとんど商用電源からパワー用の電圧を作るのにはスイッチング電源を使いますが、その電圧から5V程度の低い電圧を作るため、まず小型DC/DCコンバーターで8V程度に落とした後シリーズレギュレターで5Vを作ったりしています。コストと性能を考え、必要な箇所に最適な部品を選択するのも重要な点です。


2010年5月10日 (月)

RFアンプの試作のはなし2

RFアンプの試作には
数GHz以上のアンプ試作には使用する部品も限定されます。前回記事でプリント基板とシャーシを説明しましたが、今回は部品について説明します。
Pcb3
ハード的には
コンデンサーはSMDタイプのセラミックチップコンデンサーを使います。高周波で使うには ATC社などの低損失で、小型のものを使います。
ドレイン電源や、ゲート電圧を加えるには高周波的に高いインピーダンスをもつインダクタなどをチョークコイルとして使いますが、10GHz程度ではλ/4の長さの銀メッキ線でゲートへのインピーダンス影響を無視できるような構成で使用します。低い周波数ではチョークコイルの方が安定する場合もありますので色々試してください。
 また、コネクタへの接続はタブタイプの中央導体が太いコネクタ(SMAコネクタ)でなく、直接セミリジッドケーブルを付け、基板に半田付けするようにすることにより、インピーダンス不整合を最小にします。
 SMD部品やデバイスのゲート・ドレイン電極などの半田づけには、基板と部品の半田面になめらかに繋がるように最小の半田で行います。インピーダンスの整合にはパターン上に半田をボールのように追加して容量成分を増やしたり、パターンを細く削ってストリップラインのインピーダンスを変えて調整します。
ソフト的には
半田のフラックス残などはアルコールなどで拭いてきれいにしましょう。思わぬ絶縁不足になったり、高周波での損失になったりします。測定するケーブルですが、適材適所に合うよう出来るだけ短くて、シールド部分が傷んでないものを確認して使いましょう。


2010年5月 7日 (金)

セミリジッドケーブルのはなし

セミリジッドケーブルとは
[semi-rigid cable ]で外部導体が銅やニッケル、ステンレスなどのパイプでできた同軸線です。低損失で種々のインピーダンスを持ったものが COAX社 等で販売されています。
ハード的には
Semir
寸法的には外形φが 0.33mm から 9.62mm程度まで、1.6mmφのもので 1GHzで 1dB/mm程度のロスがありますが、実際はバランとしてのトランスとしての使用が多く、通常のλ/4 の長さで利用されます。製作には短縮率 0.63 をかけて短くしますが、半田付けする部分も考慮して1mm程度長めに切断します。カットするにはカッターナイフの刃で転がすようにして傷を付けてから折るようにして切断します。注意する点は内部導体を出すためにテフロンを切断するのに、内部導体にあまり強く刃を当てると傷がつきその部分から折れる事故が起きやすいので細心の注意が必要です。
 バランとして利用する場合は中心周波数よりもすこし高めに加工するのが良いようです。また基板に沿わせて実装する場合、パターンの表面(実装面の層)は影響されないようにGND面をくりぬく必要があります。4層基板の場合はできれば2層・3層もくりぬいた方が影響が少なくなります。
 さらに広帯域が必要な場合はフェライトコアの中にケーブルを通したりします。しかしながら、電力を扱う場合に損失でコアが熱くなる場合がありますので、温度のチェックも重要です。コアの固定にはシリコン接着剤などを最小限使用します。
ソフト的には
信号の伝送にもよく利用されますが、外形が太くなると曲げ半径が大きくする必要があったり、手では簡単に曲げられなくなりますので、伝送電力・周波数を考慮して最適な太さを選択しましょう。さらに動かす必要があるときや、比較的シールド特性が重要でない場合は外部導体が網状に織り込まれたセミフレキシブルケーブルを利用することもできます。


2010年5月 6日 (木)

VCOのはなし2

VCOについて
今回は回路的な話にします。Vco
ハード的には
 右図はVCOの回路の1例で、クラップ発振回路と呼ばれています。この回路の入力Vcは抵抗を介して2つのバリキャップダイオード(バラクタダイオード)につながっています。2つ向かい合わせについているのは発振器による発振の振幅が揺らいだ時(振幅雑音)に容量変化を軽減して周波数の雑音にならないようにするためです。容量的には直列に繋ぐので半分の値になります。
 この回路は出力がエミッタがら出るので比較的出力インピーダンスが低くでき、負荷変動に安定ですが、実用的にはこの後1段のバッファーアンプを付け、さらにこの結合のコンデンサを数PFまで小さくして負荷やバッファトランジスタの変化を受けないようにします。
 もちろんこのVCOの電源にはリップルフィルターを使います。
 コントロール電圧を加える抵抗にはインダクターを使う例もありますが、広帯域のVCOにする場合や、周波数が高い場合このインダクターが共振して思わぬ発振トラブルが出る場合があります。低い周波数では比較的問題が無い、発振回路のQが高くなるなどのメリットがありますので、用途によってはインダクターも有効です。このコントロール端子のGNDへのコンデンサは貫通コンデンサなどで、ケースに出す場合には有効でしょう。
ソフト的には
VCOのはなしにも書きましたが、電気的な安定性はもちろん、物理的にもしっかりとしたシャーシにつける、シールドケースも堅いアルミか鉄板にするなど、振動対策にも注意が必要です。
基板取り付けもコイルやバリキャップまわりにはビス止めしてしっかりと基板がとまっていることが大事ですね。

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