DACのはなし
DACとは
[Digital to Analog Converter ]の略で、D/A変換とも書きます。A/D変換と対になってアナログ信号をデジタル化し、処理した信号をアナログに戻す部分です。身近なところでは、ポータブルオーディオ機器のデジタル信号をアナログ音声に変換するところ、DVD(BD)レコーダーのビデオ信号を作るところなどに使われています。
ハード的には
データーのインターフェイスとして、古くからパラレル方式も多く使われていますが、現在はシリアル方式で I2CやSPIなどのインターフェイスが多く使われています。アナログ出力にするため内部高精度抵抗などによってデジタル値を固定電流に変換し、電流加算などしてアナログの電圧に変換しますが、抵抗値の精度やビットが多数切り替わる時のズレによるノイズや、多ビットにしたときに回路が複雑化することによる雑音の増大などの不利な面を改善するため、現在はデルタシグマ型とよばれるPWM方式でデジタル信号をアナログに変える方式がオーディオ用途などに増えています。また、高精度なアナログ電圧として機器の調整用電圧を得るには、出力電圧の精度が重要になります。また、外部ノイズに強くするため内部に高性能のOPアンプを内蔵して大きな出力電流を確保したICも出てきています。右図は、アナログデバイスのLTC1446という2チャンネル12ビットDAC-ICの内部ブロックです。このICは内部に高安定な電圧源を持ち±2mVというオフセットエラー、温度偏差も±15uV/℃という性能を持っています。12ビットの分解能ですが、通常の5V電源から 4.096Vというリファレンス電圧を作成し1mV/Bitと判りやすい電圧を生成できます。 出力はレールトゥーレールのOPアンプがついていますので 50mA程度の電流を出力出来ます。
ソフト的には
このICはシリアルでデーターを送る場合 12Bit x 2 = 24 ビット必要ですが、CPU内蔵シリアル機能などを使う時には 8Bitデーターを3回送ることで設定できます。LD端子をスタート時は立ち下がりから・ストップ時は立ち上がりで設定します。このICはデーター設定が2CH同時なのでプログラムでは1CHだけの修正でも2CH分送らなければならないので注意が必要です。
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