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2010年4月28日 (水)

RFアンプの試作のはなし1

RFアンプの試作はどうするか
実験や1台限りの制作時に高周波のアンプはどう作るのでしょう?VHF帯ぐらいまでなら、蛇の目基板(ユニバーサル基板)で製作できます。しかしながら1GHzをこえた周波数で数Wぐらいのアンプを作る時にはどうしたら良いでしょう?
ハード的には
がんばればガラスエポキシ基板でも作れますが、せっかく高性能・高出力をめざすには...また10GHzを超えたらやっぱりテフロン基板が良いでしょう。テフロン基板で厚さ1mm以下の両面基板がよいでしょう。カラスエポキシ基板をベースとして、50Ωのマイクロストリップラインを構成する厚さ0.5mm、1mm幅程度の銅箔のテフロン両面基板があればそれをガラスエポキシ基板に半田付けして製作することで、基板作成が容易になります。図ではベースを1mm厚テフロン基板で作成し、マイクロストリップラインを構成するため幅 3mm程度ギャップ2mm程度のパターンを作ったものです。
 実際はカッターで銅箔に切り込みを入れ、剥がしたい部分に40W程度の先の細いこて先で暖めて、接着剤を柔らかくしてピンセットなどで剥がします。
 基板の下には放熱用のアルミシャーシ(銅・真鍮などでもよい)で放熱とGNDを確保し基板上に2mm程度の多数のビスで止め、基板のGNDインピーダンスを下げて使用する。基板を工場に依頼して製作する時にはスルーホール加工や端面メッキ加工が出来るのでGNDインピーダンスを下げることが出来ますが、手作りでは端面に薄い銅テープを貼るとか、ビスでGND強化する事が大事です。
Pcb
デバイスは基板に穴を開けてシャーシに直接ねじ止めします。GNDを強化する場合はこの取り付けねじに卵ラグを2〜3枚入れ、それを基板に半田付けします。
デバイスの取り付け面は鏡面加工ぐらいの平坦さが放熱には重要です、その他グラファイトシートなど炭素で作った熱導電シートを使って取り付ける方法もあります。シリコングリスなどは短時間の実験では問題ないですが、長期的には乾燥してしまい放熱の性能が失われてしまいますので注意が必要です。
 基板上の部品の実装はまた他のコーナーで書きます。
ソフト的には
マイクロストリップラインのはなしで基板の誘電率とパターンの幅の関係を書いていますが、高周波では余り幅を広くするとパターンの浮遊容量が増えてロスが増えるようです。10GHz以上では1mm以下の幅が良いようです。


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