オープンドレインのはなし
オープンドレインとは
[OpenDrain]でICの出力端子のことです。 通常CMOS出力は電源側・GND側の2つのFETで出力をスイッチングして High/Low出力するが、このGND側のFETのみの出力方式のこと。主に大電流(といっても10mA程度)を流せるポートとして使ってLEDなどを直接ドライブしたり、マトリックススイッチのドライブ側に使ったりします。バイポーラトランジスタのオープンコレクタと同様の動作。
ハード的には
GND側のFETのドレイン出力だけなので、電圧出力することは出来ず電流を引き込む方向だけのポートです。
出力に保護ダイオードなどが電源側に向けて入っていないICの場合は図のように、ここに電源電圧以上の電圧をかけてドライブすることも可能で、5V電源のシステムで12Vのリレーや複数のLEDを駆動したりする場合に有用です。
またオープンドレインのポートを単純に並列に繋げる(ワイヤードORといいます)とどれか1つのポートがLowになってもLowとなるのでアラームラインなどにも利用されます。この場合どのポートがLowになっているかをチェックできないので、そのような必要がある場合各ドレインに直列に抵抗を入れておき、電圧降下でチェックするなどの方法があります。
ソフト的には
LEDを電源から抵抗とシリーズにして接続し、ポートをLowにドライブすると点灯しますが、このときポート出力はLowなので、負論理での扱いになります。ドライブする極性を間違えないようにする必要があります。オープンドレインはLowアクティブな動作なのでFETがONしてLowになっている時はGNDとショート状態なので、インピーダンスが低いので雑音に強いのですが、OFF時はプルアップしている抵抗・デバイスに依存しますので、このオープンドレイン出力を利用して通信するI2Cバスなどでは、インピーダンスに注意が必要です。
*オープンドレインの応用についてはこの記事
*マイコンやFETの オープンドレイン等の参考文献-------------------------------------------
トランジスタ技術SPECIAL (No.88)
どちらかというと入門用で、電子工作に必要な工具の準備や、回路図の見方から書いてある。オープンドレインやオープンコレクタは3ページをかけて解説してあり、全体ではマイコンのハードやフローチャートまで幅広く解説。
3,400円と値が張るが、電子回路の多岐にわたって解説されている。オープンドレインについても論理値の High(1)とLow(0)だけでない High-Z(ハイインピーダンス)状態を作り出せるのが、オープンドレイン出力で、3ステート(トライステート)の出力をさすことも解説されている。
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