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2010年4月 5日 (月)

エミッタフォロアのはなし

エミッタフォロアとは
トランジスタのバッファ回路で、増幅度は1だが出力電流を増やす(出力インピーダンスを下げる)ことが出来る回路。ベースから信号を入力し、エミッターから出力する。このときエミッタ抵抗の値によって最大出力電圧時の電流を制限している。ビデオ回路の出力などインピーダンスが低い信号系に用いられる。
ハード的にはEmitfoll
 OPアンプなどは許容出力電流が少なく、ビデオ信号などのようなインピーダンスが低い信号系では負荷に 75Ω程度が接続されるので出力電流不足でクリップしてしまう。そんな場合にエミッターフォロア回路を出力段に追加すると、信号レベルを変えずに出力インピーダンスを下げることが出来る。正確にはベース・エミッター電圧分レベルが落ちてしまうので、DCアンプの場合はその分を考慮する必要がある。増幅度が1なので発振などには無縁かと思われるが、出力負荷によっては高域で発振することもあるので注意が必要である。 出力インピーダンスが低いといってもGND側へのスイングはもあくまでエミッタ抵抗による吸い込みなので、むやみに低い負荷で使える訳ではないのに注意が必要である。
ソフト的には
 現在よく使われるビデオ用のDACの出力バッファとして用いる場合、上記ベース・エミッターの電圧降下を考慮してオフセット電圧を上げておかないとビデオの同期パルス付近で不安定になることがある。最近は高性能なOPアンプが開発されて来ているのでそれらを使う機会が多いが、コストや消費電力を考えるとまだまだエミッタフォロアも有用ではないだろうか


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