チャージポンプのはなし
チャージポンプとは
[Charge Pump]で、コンデンサに充電させるように働く回路のこと。5V電源からコンデンサを充電した物を直列につないで電圧を上げる回路や、今回紹介するPLLの位相比較器の出力をVCOのコントロール電圧に変える回路などを呼びます。
ハード的には
図のように電源(Vcc)、GNDにつながった定電流源にスイッチ( MOS-FET)を繋げた回路です。両方スイッチが入っていない時は出力のコンデンサに溜まった電圧のままで、位相が低い側に変わった時には電源側のスイッチがONしてパルス状に電圧を上げる方向に動き、位相が高い(早い)側ではGND側のスイッチが入り、電圧を下げようと働きます。ここで、この動作させるパルスを平滑するために抵抗やコンデンサでループフィルタを構成しています。
ソフト的には
これらのチャージポンプの電流源をソフト的に電流値を変化できるICがあります。電流を大きくすることで位相が変化した時に素早くコントロール電圧を変化させる事が出来ます。しかし、微少な変化でも電圧が変わってしまうので位相ノイズなどには不利です。PLLがロックした後ソフトでこの電流源を小さくすることによって位相ノイズを下げることが出来ます。また、PLL ICによってはコントロールする信号をICに送ると、瞬間内部のレジスタをアップデートするときにノイズとなって出てしまう場合がありますので、不要な設定操作は避け、ロック情報を確認してから行うなどの手順が重要です。
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