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2010年4月18日 (日)

触診のはなし

触診とは
医者ではないけど、トラブルの原因を指先で触って探すこと。テスターとかオシロスコープとかで電圧や波形を測定するのでなく、回路の部品や配線パターンなどを触ってトラブルの原因をさがす手法です。
ハード的には
作った回路が思いもかけず発振していて、出力をオシロスコープで見たら一目瞭然、そんなときあなたはどうして原因を探しますか?回路図上で発振しそうな部品の値を変えてみますか?それとも回路が間違っていないか、もう一度回路図と実物と照らし合わせますか? ちょっと経験のあるエンジニアなら、出力の発振波形をみながら指先でパターンを探って、発振がひどくなったり、止まったりはしないかとまず触ってみるのではないでしょうか?(もちろん触って感電や火傷しそうな場合はNGです)
Yubi
 指先で触ると言うことは
1) インピーダンスが高くて不安定な所は大丈夫か? 指先を近づけたり、軽く触ると人体のアースとの間で誘導電位(主に交流ノイズ)が発生し、ノイズが増幅されます。さわって大きく出力波形が乱れる場所はインピーダンスが高いか、ゲインが高いので、要注意の場所だと判ります。 
2) 触ると発振が弱くなったり、止まったりしないか? 触ると対象との間に微少なコンデンサーをつけたと同じ効果が出ます。高域でゲインが高くなっていて発振しやすい場所が判ります。
3)触って物理的に力を加えた場合に変化はないか? 接触不良や、イモ半田、部品のクラックなど物理的な影響で動かすと治ったりする場合に効果的ですが、力が加わってトラブルを起こしている部分が特定できず、思わぬ所が悪かったりします。特に手半田や試作品にある話です。あるときはプリント基板のスルーホール加工の不良で見つけるまで苦労しました。
4) ICなどパッケージを触って、思わぬところで発熱していないか? 最近の高出力 OP AMPなどは電流が流せるし、壊れにくいので発振していても判りません。触ってみるととても熱くなってたりします。出力におおきなセラミックコンデンサ( 0.1uFぐらい)を入れてしまい発振したこともありました。
ソフト的には
マルチチップのCPUボードや SDRAMなど高速のシステムでなんか時々データーがこける、データーが全部Highになった時になりやすいとか、バスラインを指で触っていると快調!なんてこともありました。こんなときはやはりタイミングが大丈夫か検討すべきですね。もしくはバスにプルアップ抵抗入れるか、終端抵抗を入れるか? 最悪クロックを下げれば良くなるのか?
 基板も試作したばかりで不安、ソフトのミスかも知れない? ソフト屋さんも基板への触診が必要になる時もままありますね。

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コメント

他のWEB 情報によると、指で触るのは 10PF と 1MΩの並列相当だそうです。確かにテスタで指の抵抗値測ると 300KΩ〜1MΩぐらいありますからね。

投稿: OYU! | 2010年5月 8日 (土) 15時59分

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